三山電気鉄道
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山形交通三山線
路線総延長11.4 km
軌間1067 mm
電圧600 V 架空電車線方式 (直流)
最大勾配25 パーミル
最小半径161 m
凡例


国鉄左沢線


0.0羽前高松駅






1.5新田駅


寒河江川


2.3白岩駅


4.4上野駅


5.3羽前宮内駅


6.6石田駅


7.7睦合駅


8.8海味駅


9.7西海味駅


11.4間沢駅

三山線(さんざんせん)は、山形県寒河江市羽前高松駅西村山郡西川町の間沢駅を結んでいた山形交通鉄道路線である。1974年に全区間が廃止された。
目次

1 路線データ

2 歴史

3 車両

3.1 電気機関車

3.2 電車

3.3 貨車


4 駅一覧

5 外部リンク

6 参考文献

//
路線データ

区間・路線距離(
営業キロ):羽前高松 - 間沢 11.4km

軌間:1067mm

駅数:10(起点駅を含む)

複線区間:なし(全線単線

電化区間:全線(直流600V)

閉塞方式:タブレット閉塞式

歴史

出羽三山への参詣客の輸送や、永松・幸生・高旭など鉱山との物資の運搬を目的に、1926年(大正15年)12月23日に三山電気鉄道として、鉄道省左沢線羽前高松駅と海味駅の間8.8kmで営業を開始した。1928年(昭和3年)9月17日、海味駅から間沢駅まで延長。

白岩発電所・沼山発電所など、寒河江川水系の水力発電による豊富な電力資源をバックに、三山電気鉄道当初の経営は順調であり、鶴岡までの延伸が提案された程だという。1935年(昭和10年)10月には谷地軌道を買収し、神町 - 谷地間のバスの運行も始めている。また、間沢の菊まつりの開催や、間沢スキー場への誘客など、沿線の観光資源開発にも熱心であった。実際、菊まつり期間中の日曜日などは、どの列車も満員になったという。三山線の乗客の大半は、地域住民の通勤・通学客であった。特筆すべきは出羽三山信仰の参詣者も非常に多かったことで、今日では想像できない。また、近くに金及び銅の鉱山として著名だった見立鉱山、小山鉱山があったことから、西海味駅からは大量の鉱産物が輸送され、同線の経営を支えた。

1943年(昭和18年)10月1日、戦時統合により三山電気鉄道は、高畠鉄道(高畠線)、尾花沢鉄道(尾花沢線)および山形県内陸地域の各バス会社を合併し、山形交通と社名を変更、同社の三山線となった。

だが、相次ぐ鉱山の閉山と、1960年代以降のモータリゼーションの進行により業績が悪化し、1974年(昭和49年)11月18日、羽前高松駅 - 間沢駅間11.4kmの全線を廃止した。

廃線跡はサイクリング道路や農道として大半が現存しており、初期の旅客車であるモハ103が月山の酒蔵資料館の屋外に静態保存されている。また、この月山の酒蔵資料館内には三山線の資料コーナーが設けられており、当時の写真や資料等が展示されており、無料にて見学が可能となっている。 また、新田停留所跡の羽前高松駅寄り側に「三山広場」があり、鉄橋の橋脚や在りし日の写真、解説看板などが置かれている。
車両
電気機関車
ED2
近江鉄道ED281。1964年入線
電車
モハ100型モハ101-103
開業時に新造した四輪単車。102は
1950年代後半に廃車されたが、101・103は事業用車となり、101は間沢駅での入換車、103は「工事電車」の方向板を付けて工事列車の牽引車となっていた。103は月山の酒蔵資料館に保存
モハ105型モハ105(初代)
南海鉄道のクハ1861(電2型)。1937年譲受。晩年はクハ代用となり、1965年頃廃車
モハ106型モハ106
名古屋鉄道の小型車。1947年譲受。1956年に車体更新された。廃線後は蒲原鉄道に譲渡されモハ91となった。1985年蒲原鉄道線部分廃線時に廃車
モハ107型モハ107
日本国有鉄道クハ5540。鶴見臨港鉄道モハ100形買収国電1955年譲受。1963年に車体更新
モハ110型モハ111・112
西武鉄道1959年1960年譲受。廃線後高松琴平電気鉄道に譲渡された。詳細は高松琴平電気鉄道860形電車を参照
モハ105(2代)・クハ11
元西武の小型車。1964年譲受。高畠線のモハ3・尾花沢線(→高畠線)のハフ3 (3代)とは同系車だが、この2輛は入線に際し西武所沢工場で車体延長・3扉化の改造を受けている。105は晩年はクハ代用
104型104
1927年雨宮製作所製の付随車で、初のボギー車。なお、104のみ形式記号は付かない
ハフ4(2代)
近江鉄道ハユ241970年の尾花沢線廃線時に転入してきたが、結局使われないまま三山線の廃線を迎えた。高畠線のクハ1とは同系車
ハフ11・12
1917年(大正6年)名古屋電車製作所製造、旧佐久鉄道2・4。1958年廃車の後は寒河江市内で「電車バー」として飲食店に使用
貨車
ワフ1型ワフ1
8t積み
有蓋緩急車。1917年(大正6年)天野工場製造の旧富岩鉄道ワ36
ワ50型ワ52、53、55
10t積み有蓋車。旧鉄道省、旧番号は順にワ403、ワ2709、ワ6672
ワ50型ワ54
鋼体化された10t積み有蓋車。協三工業1957年製
ト10型ト11
10t積み無蓋車日本車両1926年製
ト10型ト14
10t積み無蓋車。旧鉄道省ト16271
ト300型ト303、ト304
無蓋車。ト303は1917年天野工場製の旧富南鉄道ト9、ト304は旧鉄道省ト939
駅一覧

#印の駅は交換可能駅(停車場)。交換不能駅のうち、羽前高松、間沢を除く各駅は停留場。

駅名キロ接続路線・特記事項所在地
駅間累計
羽前高松駅うぜんたかまつ-0.0日本国有鉄道:左沢線山形県西村山郡高松村
(現・寒河江市
新田駅しんでん1.51.5 
白岩駅#しらいわ0.82.3 白岩町
(現・寒河江市)
上野駅うわの2.14.4 
羽前宮内駅#うぜんみやうち0.95.3 
石田駅いしだ1.36.6 西山村
(現・西川町
睦合駅むつあい1.17.7 
海味駅#かいしゅう1.18.8 
西海味駅にしかいしゅう0.99.7 
間沢駅まざわ1.711.4車庫併設(三山電車庫)

外部リンク

減速進行



参考文献

青木栄一 「昭和52年5月1日現在における補遺」『私鉄車両めぐり特輯』1、鉄道ピクトリアル編集部、鉄道図書刊行会、東京、1977年、補遺3頁。


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