三大政党制
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政党制(せいとうせい)とは、ある政体における政党間の勢力分布や交渉対立の様相を把握したものである。政党システム、政党機構、政党体系、政党制度とも。
目次

1 概要

1.1 デュヴェルジェによる類型

1.2 サルトーリによる類型

1.3 レイプハルトによる類型


2 政党制の議論

3 日本の政党制

4 政党制の変容

5 脚注

5.1 注釈

5.2 出典


6 参考文献

7 関連項目

概要
デュヴェルジェによる類型

類型と分析において影響力があったのはモーリス・デュヴェルジェの研究だった。デュヴェルジェは政党制を一党制、二党制、多党制に三分し、その中で二党制を称揚した。政治対立は必ず二者の対立になるものであって、中間的な立場は不自然であるから、二党が対立することが良いと考えた。また、小選挙区制が二党制を生み、比例代表制が多党制を生むという「デュヴェルジェの法則」を提唱した[1]

この三分法では、一党制は独裁を、多党制は混乱をもたらすとされた。二党制のアメリカイギリスが最も優れているとされた。

1970年代以後の研究では、多党制は必ずしも混乱をもたらさないことが示された。しかし、そうした研究成果は広まらず、二党制の賞賛と小選挙区が二党制を生むという説は一般に広く信じられ、影響力を持ち続けた。
サルトーリによる類型

1970年代にジョヴァンニ・サルトーリが数とイデオロギー的距離の2つを基準にした類型を提唱し、政治学者に広く受け入れられた。サルトーリはまず政党制を非競合的なものと競合的なものに分け、数とイデオロギー的距離によって分割した[2]

サルトーリは機能する民主主義として二大政党制と穏健な多党制を指摘した[3]。二大政党制に入れられたのはアメリカ、イギリスなどである。穏健な多党制に入れられたのはベネルクス三国などである。これらの政党制における特徴は、イデオロギーの差異が小さいことである。

また、民主主義ではあるものの、政治的には非効率なものとして一党優位政党制と分極的多党制を指摘した[3]。一党優位政党制に入れられたのは55年体制日本ジャワハルラール・ネルーインディラ・ガンディーの時代におけるインドなどである。分極的多党制に入れられたのはサルトーリの母国であるイタリアヴァイマル共和政ドイツフランス第三共和政フランスフランス第四共和政のフランスなどである。これらの政党制における特徴は、イデオロギーの差異が大きいことである。

サルトーリの念頭にあったのは、デュベルジェに対する批判ではなく、その拡張である。デュベルジェは二党制が効率的な民主主義であると結論づけたものの、サルトーリは穏健な多党制も効率的な民主主義であると結論づけた。

様々な修正を受けながらも、この分類法は21世紀初めの現在に至るまで最も大きな影響力を持つものとして政治学者の間で広く受け入れられている[4]

無党制

一党独裁制

一党制

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複数政党制

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二大ブロック制

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穏健な多党制

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北欧五党制


分極的多党制

原子化政党制


レイプハルトによる類型

二大政党制が称揚されていた状況に対して、ある側面から反論したのがアーレンド・レイプハルトである。レイプハルトは政治制を取り扱ったものの、政党制が理論の核とも言える重要性を持ち、二大政党制を批判する側面がある。

レイプハルトは有効議会政党数を手がかりに、2党制、2.5党制、優位政党のある多党制、優位政党のない多党制とに分類した。その上で2党制と2.5党制とを多数決型民主主義またはウェストミンスター・システム・モデルとし、優位政党のある多党制と優位政党のない多党制とを合意形成型民主主義またはコンセンサス・システム・モデルとした[5]。サルトーリによる類型との関連性は以下の通りである。

多数決型民主主義

二大ブロック制


合意形成型民主主義

一党優位政党制

穏健な多党制

分極的多党制

原子化政党制

そしてレイプハルトは多くの面において多数決型民主主義より合意形成型民主主義が優れているという結論を、36か国の研究により提唱した。マイノリティの代表性における度合いでは高い一方、経済的業績では両者に有意な差がないと主張している。

サルトーリはレイプハルトの合意形成型民主主義を「全く付いてゆけない」と再反論している。
政党制の議論

無党制は政党・政治団体の活動が禁止されているか、事実上存在しない議会制民主主義である。前者は1986年から2005年までのウガンダなどであり[注釈 1]、後者はミクロネシアなどである。議員は全員無所属という形となる。

一党独裁制、一党制、ヘゲモニー政党制は独裁政治である。

北欧五党制はスカンディナヴィア三国などである。有効議会政党数は五党という形となる[6]

デュベルジェはフランス第五共和政における絶対多数制の選挙制度による多党制を推薦している。サルトーリもフランス第五共和政における二回投票制が優れた選挙制度であるという結論を著述している。

フランス第五共和政のフランスは二大政党制と穏健な多党制の中間的な政党制となる二大ブロック制または二ブロック的多党制である[7]


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