備後都市圏(びんごとしけん)とは、旧備後国南部福山市を中心に、旧備中国西南部である岡山県西部や旧安芸国・旧伊予国の一部地域に及ぶ都市群の総称、または多核交流圏のこと。備後都市圏に含まれる代表的な自治体は、広島県福山市・尾道市・三原市・岡山県笠岡市・井原市など。
岡山都市圏・備後都市圏・高松都市圏などを主要都市圏とする経済地域については「東瀬戸経済圏」を参照。
目次
1 概要
2 定義
2.1 福山都市圏
2.1.1 福山地方拠点都市地域
2.2 備後都市圏
2.2.1 広域行政圏
2.2.2 都市圏の変遷
3 由来・歴史
4 特色
5 主要産業
5.1 当地域に本社を置く主な企業
5.2 当地域に拠点を置く企業
6 交通アクセス
6.1 空港
6.2 新幹線
6.3 在来線・私鉄
6.4 路線バス
6.5 主要国道
6.6 高速道路
6.7 港湾
7 地域メディア
8 脚注
9 外部リンク
備後都市圏は、歴史的に備後エリアは旧吉備国に属していた関係上、広島県と岡山県にまたがって存在し、令制国も異なるため、広島県庁の定義では広島県内部分のみを指すこともある。しかし、実際は旧備中国南西部の岡山県井笠地方とも一体的な交流圏を構築している。そのため、県庁の定義に則って備後・井笠都市圏と、複数の都市圏による複合都市圏のような呼ばれ方をされる場合もある。 この地域では、福山市が中心都市となり、福山都市圏を形成している。福山都市圏は、広島県東南部と岡山県西南部にまたがり、人口約72万人を擁する(都市雇用圏)。この定義では、全国22番目の規模となるが、県庁所在地以外の都市圏に限ると全国で4番目の規模である。 福山市を中心とする都市雇用圏(10% 通勤圏)の構成市町を以下に列挙する(統計値はいずれも2000年(平成12年)12月31日のもの)。現在は、市町村合併によって、福山・尾道・府中・笠岡・井原の5市(太字)に集約されている。編入合併をした町は斜字 で表す。なお、この都市圏の広島県部分は、全域が「福山地方拠点都市地域」に指定されている。 府中市において、通勤者の数では、「福山市→府中市」(3436人)の方が、「府中市→福山市」(2584人)よりも多い(福山市からの流出超過)。しかし、府中市の通勤者の 10% 以上が福山市に通勤しているのに対し、福山市の通勤者の 10% 以上が府中市に通勤しているわけではないので、府中市は福山都市圏に入ると見なされる(工業都市である都市圏によく見られる例→北九州都市圏)。その他の市町は福山市への流入超過である。 「 ⇒福山地方拠点都市地域」とは、1992年(平成4年)に施行された地方拠点法に基づき、広島県知事によって地域指定された地方拠点都市地域(地域指定1993年(平成5年)4月28日)。拠点都市を福山市とし、尾道市・府中市・御調町・向島町・沼隈町・神辺町の3市4町で構成される(指定時)。当地域の市町村合併に伴って指定地域は変遷しているが、現在、上記の福山都市圏における広島県部分全域( ⇒地図)の指定に変更されている(注:三原都市圏は含まれない)。 備後都市圏とは、旧備後国とその周辺に存在する都市群の総称。何を指標にするかで定義域は異なる。 備後都市圏は、県が設定している広域行政圏との関係で語られることがある。広島県庁が「備後都市圏」と言うときは、県境を意識して、広島県内の福山および尾三の両広域行政圏を合わせた地域(人口約80万人)を指すことが多い。福山市が「備後都市圏」というときは、広島県庁の定義の他、福山都市圏の広がりに則し、福山・尾三に加えて岡山県の井笠広域行政圏の3つの広域行政圏を指すのが一般的である。 これら3つの広域行政圏の合計の人口は95万3106人(広島県[1]および岡山県[2]発表の2006年6月1日現在の推計人口)。以下にそれら広域行政圏の構成自治体を示す。斜体 は、上記の福山都市圏の構成市を示す(2000年(平成12年)当時と市域が異なるので、上記の各市の人口と異なる)。 現在「備後都市圏」と言われている地域には、複数の都市圏が存在してきた。交通インフラや社会の変化に従って、それら都市圏の枠組みも変化してきた。以下に、上記3広域行政圏の範囲における2000年までの都市雇用圏(10% 通勤圏)の変遷を示す。 県自治体 名称の備後とは当該地域の大部分が旧備後国であった事に由来するが、三原の西部地域は旧安芸国で笠岡や井原・浅口などは全域旧備中国である。 江戸時代までは、福山藩の藩庁や城下町が所在した福山、広島藩有数の港町であった尾道、広島藩の城代家老が治める支藩的な存在の三原、江戸時代前期は福山藩領、中期以降は幕府天領(倉敷代官所の支配地域)で石見銀山からの積み出し港だった笠岡、福山藩領で岩見銀山への街道宿場町であった府中が大いに栄えた。明治 - 昭和30年代初頭までは尾道が経済の中心都市的な役割を担っていたが、元来からの平地の狭さや、隣接の福山へ大規模製鉄所が立地し人口が急増すると立場が逆転し、経済・行政・工業の中心的役割は福山に明け渡していった。 中心都市である福山市以外にも尾道や三原は製造業や商業基盤が特に集中し都市集積度 当都市圏地域は福山市と笠岡市への旧日本鋼管(現在のJFEスチール)の進出に伴い、国の備後工業整備特別地域
概要
定義
福山都市圏人口:715,719人
⇒福山市への通勤・通学人口 (PDF) (地図)
広島県
福山市(378,789人)
芦品郡新市町 (21,695人) - 2003年2月3日に福山市に編入
沼隈郡内海町(3,431人) - 2003年2月3日に福山市に編入
沼隈郡沼隈町 (12,632人) - 2005年2月1日に福山市に編入
深安郡神辺町 (40,361人) - 2006年3月1日に福山市に編入
尾道市(92,586人)
御調郡御調町 (8,111人) - 2005年3月28日に尾道市に編入
御調郡向島町 (16,710人) - 2005年3月28日に尾道市に編入
府中市(41,271人)(福山市の流出超過)
岡山県
笠岡市(59,300人)
井原市(34,817人)
後月郡芳井町 (6,016人) - 2005年3月1日に井原市に編入
福山地方拠点都市地域
備後都市圏
広域行政圏
岡山県・井笠広域行政圏(旧・井笠地方振興局の管轄地域)16万5500人
笠岡市(56,857人)
井原市(44,859人)
浅口市(37,343人) - 岡山都市圏
小田郡矢掛町(15,646人) - 岡山都市圏
浅口郡里庄町(10,795人) - 岡山都市圏
広島県・福山広域行政圏( ⇒福山地域事務所の管轄地域)51万5756人
福山市 (459,465人)
府中市 (44,871人)
神石郡神石高原町(11,420人)
広島県・尾三広域行政圏( ⇒尾三地域事務所の管轄地域)27万1850人
尾道市 (149,269人)
三原市(103,825人) - 三原都市圏(→広島広域都市圏形成懇談会にも加入)
世羅郡世羅町(18,756人)(→広島広域都市圏形成懇談会にも加入)
都市圏の変遷
福山都市圏および三原都市圏の 10% 通勤圏に属していない市町村には○印を付す。さらに、どの周辺都市圏の 10% 通勤圏にも入っていない町村は、各統計年の欄で「-」で示す。
('80 - '00)1980年1990年1995年2000年自治体
(現在)
岡山県○美星町----井原市
○金光町倉敷 都市圏倉敷 都市圏倉敷 都市圏岡山 都市圏○浅口市
○鴨方町
○寄島町
○矢掛町○矢掛町
里庄町福山 都市圏
51万 7514人福山 都市圏
53万 4641人福山 都市圏
72万 9472人○里庄町
笠岡市福山 都市圏
71万 5334人笠岡市
井原市井原市
芳井町
広島県福山市福山市
沼隈町
内海町
神辺町
○新市町府中 都市圏
8万 1420人府中 都市圏
7万 7182人
○府中市府中市
○御調町尾道市
○尾道市尾道 都市圏
12万 1710人尾道 都市圏
11万 5266人
○向島町
三原市三原 都市圏
10万 0586人三原 都市圏
10万 2523人三原 都市圏
10万 0791人三原 都市圏
9万 8626人三原市
久井町
本郷町
○大和町----
○甲山町----○世羅町
○世羅町----
○世羅西町----
○上下町----府中市
○油木町----○神石高原町
○神石町----
○豊松村----
○三和町----
○瀬戸田町--因島 都市圏
4万 6861人因島 都市圏
4万 3775人尾道市
○因島市因島 都市圏
5万 0733人因島 都市圏
3万 9968人
愛媛県○弓削町○上島町
○生名村
○岩城村---
○魚島村----
由来・歴史新尾道大橋から見た尾道市街
特色
主要産業
当地域に本社を置く主な企業
日東製網(福山市・東証1部上場・漁業用網製造)
福山通運(福山市・東証1部上場・大手運送業)
青山商事(福山市・東証1部上場・大手衣類販売)
エフピコ(福山市・東証1部上場・大手食品トレー製造販売)
リョービ(府中市・東証1部上場・電動工具・印刷機)
北川鉄工所(府中市・東証1部上場・機械)
自重堂(福山市・東証2部上場・衣類製造販売)
アシードホールディングス(福山市・東証2部上場・自動販売機・酒類製造)
マナック(福山市・東証2部上場・化学品製造)
ローツェ(福山市・JASDAQ上場)
石井表記(福山市・東証2部上場)
カイハラ(福山市・デニム製造大手)
ホーコス(福山市・ポンプ機器製造)
テラル(福山市・ポンプ機器製造)
備後漬物
ジーベック(福山市・衣料品製造)
天野実業(福山市・フリーズドライ製品製造)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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