三匹のおっさん
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三匹のおっさん
著者有川浩
イラスト須藤真澄
発行日2009年3月16日
発行元文藝春秋
日本
言語日本語
形態四六判上製カバー装
ページ数408
公式サイト ⇒www.bunshun.co.jp
コードISBN 978-4-16-328000-4
ISBN 978-4-16-783101-1文庫

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『三匹のおっさん』(さんびきのおっさん)は、有川浩による日本の小説。イラストは須藤真澄

2008年3月号から2009年1月号まで、『別册文藝春秋』に不定期に連載され、2009年3月16日に文藝春秋から単行本が刊行された。

2011年3月号からは、続編となる『三匹のおっさん ふたたび』が『別冊文藝春秋』に連載され、2012年3月29日に単行本が出版された。

三匹が斬る!』から『三匹のおっさん』と連想してタイトルを決め[1]、現代日本を舞台とした6章立ての連作短編形式の小説で、章ごとに3人の還暦男性 = 「三匹のおっさん」が御近所の事件に遭遇し、解決する姿を描く。

2014年テレビ東京系にてテレビドラマ化され、2015年2017年に続編が放送されるなどシリーズ化された。詳細は#テレビドラマを参照。

2015年9月には舞台化され、東京大阪名古屋などで上演された[2][3]。詳細は#舞台を参照。
あらすじ

3月に60歳の誕生日を迎えて地元ゼネコン定年退職し、系列会社の経営するアミューズメントパークへ経理担当の嘱託として再就職することとなった剣道の達人・キヨこと清田清一は、「おじいちゃん」の範疇へ入れられることに違和感があった。それに加え、二世帯住宅に同居中の音大出のお嬢様で世間知らずのくせに義父母を煙たがってピアノ教室の経営を希望する息子の嫁・貴子と、その嫁に言いなりの息子・健児、チャラチャラした孫・祐希も、キヨの頭痛の種であった。

誕生日に祝いの席となるはずの夕飯時に還暦セットを着せられたうえ、息子夫婦の「弟子がいなくなった剣道場を潰す」という発言から妻と息子夫婦が口論を始めるというさんざんな目に遭って家を飛び出したキヨは、かつて「三匹の悪ガキ」と呼ばれていた子供の頃からの腐れ縁で仲間の柔道家・シゲこと立花重雄や工場経営者・ノリこと有村則夫と、酒を酌み交わす。翌朝、「三匹の悪ガキ」のなれの果てである「三匹のおっさん」はキヨを訪ねてきたシゲの提案により、私設自警団での町内巡回を決意した。初仕事で引ったくりを捕まえたキヨたちは、名乗らない善意の人として新聞記事にもなり、ひそかに快哉を叫ぶ。

4月にアミューズメントパークへ出勤したキヨは、帳簿が合わずにかなりの金額が消失していることを知る。店長がかつての悪事をネタに悪友のチンピラたちから強請られ、カツアゲに遭ったという形で売上金を差し出していたのであった。そんなある日、カツアゲの現場に出くわしたキヨはチンピラたちを追い払うが、逆恨みした彼らがキヨへの復讐として同じ場所でアルバイト中の祐希を狙っていることを知る。キヨたちは祐希のシフト中を守れば良いと思っていたが、「毎日が日曜日」で日付感覚がなくなっていた虚を衝かれ、祐希を予定外のシフトへ駆り出されてしまう。チンピラたちは店長を使って祐希に売り上げを運ばせ、袋叩きにしたうえで奪おうと目論んでいたのだ。急いで現場へ向かったキヨたちは、まさに祐希が連れ去られようとするところに間一髪で間に合い、それぞれ特技を生かした活躍で祐希を無事に取り返すと、チンピラたちにきっちりと「お話」する。一件落着後、祐希から「おっさんに見えないためのファッション講座」を受けるキヨを、妻・芳江は微笑ましく見守っていた。

そして、三匹はさらなる悪に立ち向かっていく。
登場人物
清田家

キヨとその家族。二世帯住宅で1階にキヨと妻の親世帯、2階に子世帯が住む。自宅の敷地内には剣道場があり、町の人たちにも存在は知られている。
清田 清一(きよた きよかず)
通称キヨ。地元ゼネコンを定年退職し、系列会社の経営するアミューズメントパーク「エレクトリック・ゾーン」に嘱託として勤務。
剣道師範で父親から引き継いだ自宅敷地内道場で剣道を教えていたが、ゼネコン退職と前後して最後まで残っていた生徒も剣道をやめてしまったため、休業。長身で姿勢がよい。子供時代に地元で「三匹の悪ガキ」と呼ばれていた仲間の1人。イラストでは顔の部分が漢字の「非」に似ており、どれが眼なのか分からない。
清田 芳江(きよた よしえ)
キヨの妻。「三匹の悪ガキ」仲間とは幼馴染。豪胆な性格をしており、若い女とスーパーマーケットの店先で言い争ったことがある。息子・健児の嫁である貴子とは仲が悪く、彼女の尻に敷かれる健児を情けなく思っている。旧姓・長沢(ながさわ)。
清田 健児(きよた けんじ)
キヨの一人息子で、やまと銀行勤務の会社員。妻である貴子とは、音大4年生当時の彼女を交際中に妊娠させてしまい、できちゃった結婚を迎えたという経緯を持つ。祐希を甘やかしているうえに気弱で、貴子にはまったく頭が上がらない。あまりにも気弱なその様子は、悪徳業者へのクーリングオフの際に相手の大声で怯んでしまい、警察に連絡しようとしたほどである。丸顔で眼鏡をかけている(『ふたたび』より)。
清田 貴子(きよた たかこ)
健児の妻。専業主婦。健児との馴れ初めゆえ、就職経験がない。元々お嬢様育ちである事や社会人経験がないためか世間知らず且つワガママな面があり、健児を尻に敷き、義父母(特に芳江)を煙たがっているために嫁姑間の仲は悪く、自身も自分を上品と思い込んだり空気を読まないので、いさかいが絶えない。世間知らずな一面ゆえ、キヨに道場を潰して音楽教室に改築すると話を持ちかけたことや、悪徳商法に引っかかって70万円の空気清浄機を買わされてしまったことがある。『ふたたび』では初めてパートに出る。
清田 祐希(きよた ゆうき)
キヨの初孫で健児の息子。緑ヶ丘高校1年生(登場時)。髪を茶色く染めており、ぞんざいな口調で話す。また、制服を着ている時でもウォレットチェーンをしている。キヨに似て目が細く背も高い。キヨの再就職先のアミューズメントパークでアルバイトをしている。カツアゲ事件の後はキヨの箪笥の中身を一新し、おしゃれなおっさんに変える計画に協力するようになる。第一話と第五話の会話などから、飲酒の経験があるらしい。キヨと芳江のことは「ジーサン」「バーサン」と呼ぶが、キレた際には「ジジイ」「ババア」と呼ぶ。前述の特徴から不良のような印象を持たれがちだが、実は優しい性格の持ち主であり、他人のことをよく見て細かい気配りができる。自分を甘やかす一方で事あるごとに醜態をさらす両親にはあきれ果てており、彼らから独立したいと思っている。祖父を尊敬しているが、素直にそれを出さず、指摘されると激怒する。ノリの娘である早苗とはある事件がきっかけで交際を始め、ノリにも一応は認められている。
立花家

シゲとその家族。居酒屋「酔いどれ鯨」を経営。現在は息子が経営している。三匹の集合場所でもある。
立花 重雄(たちばな しげお)
通称シゲ。キヨの同級生。「三匹の悪ガキ」仲間の1人で武闘派。
柔道家でいつも黒ジャージを着ている。ガタイがよくガニ股。居酒屋「酔いどれ鯨」を経営していたが現在では息子に譲り、店の仕込みなどの手伝いをしている。少々口が悪く、相手が女だろうが男だろうがお構いなしに怒鳴りつけ、手を出すこともあるほどの性格。ただ、孫の奈々にはメロメロ。妻の登美子が詐欺に遭ったり、自身が痴漢に間違われたりと災難続きだが、頼れる男。将棋も好きで毎月将棋雑誌を買っている。愛煙家だったが孫が生まれたことをきっかけにタバコをやめた。
立花 登美子(たちばな とみこ)
シゲの妻。以前はシゲと共に居酒屋「酔いどれ鯨」を切り盛りしていたが、息子夫婦に店を譲った現在は店の営業時間中に孫娘の奈々(なな)の子守をして過ごしている。夫とはふとしたきっかけですぐ口げんかに発展する、短気な一面を持っている。
立花 康生(たちばな こうせい)
シゲの息子。現在の「酔いどれ鯨」の亭主。店を継ぐために別の店で修行をして腕を磨いた。キヨの息子・健児は少し年上であるが子どもの頃は遊び友達でもあった。父達の好みも知っており、三人が集う場として店の一席を提供している。
立花 理恵子(たちばな りえこ)
康生の妻。康生と共に「酔いどれ鯨」を切り盛りしている。義父達には理解を示しており、彼らからも娘のようにかわいがられている。
立花 奈々(たちばな なな)
康生と理恵子の娘だが、まだ生まれて間もない。シゲは奈々が生まれたのを機に喫煙をやめた。店の営業時間中は祖母である登美子が面倒を見ている。
有村家

ノリの家族。3世代が住むキヨ、シゲの家とは異なり父娘2人だけの家族。電機関係の町工場「有村電業」を経営し、自宅も併設。
有村 則夫(ありむら のりお)
通称ノリ。キヨの同級生。「三匹の悪ガキ」仲間の1人で
参謀役。背が低くひょろっとしており、時折メガネをかけている。脱サラして工場を経営しており機械に強い。結婚から10年後に娘の早苗を授かるが、高齢出産だったのが原因で妻を早くに亡くし、高校生の娘と2人暮らしをしている。娘・早苗のことになると気性が激しく容赦無いものに変わり、キヨやシゲを怒鳴りつけたり、普段「君」付けの祐希を呼び捨てにしたり(キヨやシゲに対しても「ちゃん」付けが基本なのだが)、早苗を襲った痴漢を改造スタンガンで半殺しにするほどで、祐希からは『危ないチビのおっさん』と恐れられている(実際、シゲをして「俺達の中で一番危ないのはあいつ(ノリ)だ」と言わしめている)。


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