三冠_(野球)
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「三冠王」はこの項目へ転送されています。「視聴率」の3つの分野で1位を獲ることについては「視聴率#三冠王・四冠王」を、アニメのロボットについては「逆転イッパツマン」をご覧ください。

野球における三冠(さんかん、英語:Triple Crown)とは、打者の場合、日本プロ野球(NPB)およびメジャーリーグベースボール(MLB)において1シーズンに1人の打者首位打者本塁打王打点王の3つのタイトルを獲得することである[1][2]。打者の選手が三冠を達成した場合は「三冠王」と呼びNPB、MLBともに表彰される[3]

投手の場合、MLBでは1シーズンに1人の投手が最多勝利最優秀防御率最多奪三振の3つのタイトルを獲得すること[4]と定義されているが、日本プロ野球では定義されていない。日本では、1リーグ時代から最高勝率が連盟表彰とされてきたことから、2000年代前半までは投手三冠といえば最多勝利最優秀防御率最高勝率を指すことが一般的であった[5][6][7][注釈 1]。打者の三冠とは違い投手の三冠はNPBでは表彰の対象ではない。

一般的に「三冠王」とのみ表記される場合は打者の三冠王の事を指し、投手が三冠を達成した場合は「投手三冠王」と区別して呼んでいる。
概要

日本プロ野球においては、中島治康が1938年秋のシーズンで打撃3タイトルを独占した当時は、「打撃3部門の全てで1位となった」ことへの認識が薄く、話題にはならなかった[8]。後に1953年から1958年にかけて、西鉄ライオンズ中西太が、4度にわたって打撃3タイトルの独占を僅差(1打点差や打率数厘差)で逃すという出来事があった[8]。この時期の中西を巡る報道の中で、打撃3タイトルの独占が「トリプルクラウン」として取り上げられるようになり、「トリプル冠」「三重勝」といった表現の試行を経て、1958年頃から「三冠王」という訳語がマスコミで定着した[8]。1965年に野村克也が打撃3タイトルを独占した際には、「三冠王」として大きく報道されている[8]

この事実を紹介した日本経済新聞の記事では、先に存在していた競馬の「三冠馬」という言葉の影響を受けた可能性が強いとも指摘している[8]

NPBおよびMLBにおける公式の定義以外でも、メディアなどでは野球におけるその他のタイトルやリーグトップの複数の記録の獲得、あるいは野球以外の競技における複数の最高記録の獲得を「○冠」と呼ぶ場合がある。
NPB
打者部門

年度リーグ選手名所属球団打率本塁打打点その他リーグ1位の項目備考
1938年秋日本野球連盟
中島治康東京巨人軍.3611038安打・塁打・出塁率・長打率MVP
プロ野球史上初
1965年パ・リーグ野村克也南海ホークス.32042110得点・安打・塁打・敬遠MVP(満票)
戦後および2リーグ制以降初
1973年セ・リーグ王貞治(1)読売ジャイアンツ.35551114得点・安打・塁打・四球・敬遠・出塁率・長打率MVP(満票)
セ・リーグ初
1974年セ・リーグ王貞治(2)読売ジャイアンツ.33249107得点・塁打・四球・敬遠・出塁率[注釈 2]・長打率・OPSMVP、史上最年長(34歳)での達成
1982年パ・リーグ落合博満(1)ロッテオリオンズ.3253299安打・二塁打・塁打・出塁率・長打率MVP


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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