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周期律(しゅうきりつ、英: periodic law)は、元素を原子番号順に配列すると元素の物理的、化学的性質が一定の周期性で変化することである。これにより元素がSブロック元素、Pブロック元素、Dブロック元素、Fブロック元素…に分類される。また、周期律に従い元素を配列した表が周期表である。 現在では周期表は原子番号順によって配列されているが、発見当初は原子量によって配列していた。ごく一部の例外を除いて、元素の原子番号が増加するにつれて原子量も増加するため、原子量順に元素を配列することによってもほぼ同じように周期律が再現される。 最初に原子量と元素の性質の間に関係があることに気が付いたのはヨハン・デーベライナーであるとされている。デーベライナーは元素の中に性質の良く似たものが3つ存在し、それがほぼ等間隔の原子量で並んでいることに気が付いた。例えば のような組み合わせである。デーベライナーは1829年にこれを「三つ組元素(triad)」と呼ぶことを提唱した。 デーベライナーの時代にはまだ原子や分子といった概念が定着していなかったため、異なる原子同士の原子量を比較するのは困難であった。それは、物質の組成式をどう考えるかが人によって異なっており、そのため原子量も提案する人によって値がまちまちだったためである。 この事態を打開したのがスタニズラオ・カニッツァーロである。カニッツァーロは1858年にアボガドロの仮説を受け入れれば、同体積の気体に含まれるある元素の質量を様々な気体で求めて、その最大公約数から原子量が一意に決定できることを示した。 また気化できない金属元素についてはデュロン=プティの法則から、ある一定の熱容量を持つ固体に含まれるある元素の質量を様々な固体で求めて、その最大公約数から原子量が一意に決定できることを示した。これにより原子量を元素同士で比較できるようになった。 ベギエ・ド・シャンクルトワは1862年に当時知られていた塩素までの元素の原子量に着目すると、原子量 16ごとに似た性質の元素が現れることに気が付いた。ド・シャンクルトワはこれをらせん状の図に表現して「地のらせん」と呼んだ。 また、ジョン・ニューランズは1863年に短周期周期表を作成し、原子量順に元素を並べると8個ごとに似た性質の元素が現れることに気が付いた。そしてこれを1865年に「オクターブの法則」として発表した。 1869年にはドミトリ・メンデレーエフが短周期周期表を作成し発表した。メンデレーエフは単純に原子量順に並べるだけでなく、性質が良く類似する元素がまとまるようにした。性質が類似しない元素が入ってしまう場合には、そこに未発見の元素があるものと考えて空欄とし、その持つべき性質を示した。後にこの空欄を埋めるような元素が次々に発見されていったため、メンデレーエフの周期表は大きな信頼を得ることになった。 ロタール・マイヤーは1864年に28の元素をそれらがとる原子価ごとに分類した表を作って書籍の中で発表した。その後、マイヤーはこの表の拡張を行なっていき、ほぼメンデレーエフと同じ周期表を作成していたが発表はしなかった。発表はメンデレーエフより遅れて1870年に行なわれたため、メンデレーエフの影に隠れる形になってしまった。また元素を原子量順に並べると原子容が周期的に変化することを発見した。 未発見の元素が発見されていき、周期表の空欄が埋まってくると、原子量順に並べるのでは不具合があることが分かってきた。例えばアルゴン(原子量 40.0)はその性質から明らかに希ガスに分類され、カリウム(原子量 39.1)はアルカリ金属に分類される。しかし、単純に原子量順に並べるとカリウムが希ガスに、アルゴンがアルカリ金属になってしまう。また、コバルト(原子量 58.9)とニッケル(原子量 58.7)では原子量の差がほとんど無く、遷移金属であるため性質も似ており周期表上の位置がはっきりと確定できない。 その後、原子の内部構造が明らかにされることで、周期表は原子量順ではなく原子番号順、すなわち陽子数順に並べるのが合理的であることが明らかとなってきた。そして1913年にヘンリー・モーズレイにより特性X線から原子番号を決定する方法が発見されたことにより、すべての元素の周期表上の位置を確定することが可能になった。
歴史
三つ組元素
カルシウム(原子量 40.1) - ストロンチウム(原子量 87.6) - バリウム(原子量 137.3)
硫黄(原子量 32.1) - セレン(原子量 79.0) - テルル(原子量 127.6)
塩素(原子量 35.5) - 臭素(原子量 79.9) - ヨウ素(原子量 126.9)
発展
完成
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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