一酸化炭素
IUPAC名
一酸化炭素
識別情報
CAS登録番号630-08-0
-205 ℃ (68 K,-337°F)
沸点
-192 ℃ (81 K,313.6°F)
水への溶解度0.0026 g/100 mL (20 ℃)
双極子モーメント0.112 D
危険性
安全データシート(外部リンク)ICSC 0023
EU分類非常に強い可燃性 (F+)
Repr. Cat. 1
有毒 (T)
EU Index006-001-00-2
NFPA 704440
RフレーズR61, R12, R23, R48/23
SフレーズS53, S45
引火点可燃性気体
関連する物質
関連する炭素の酸化物二酸化炭素
亜酸化炭素
一酸化二炭素
三酸化炭素
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
一酸化炭素(いっさんかたんそ、carbon monoxide)は、炭素の酸化物の一種であり、常温・常圧で無色・無臭・可燃性の気体である。一酸化炭素中毒の原因となる。化学式は CO と表される。Carbon oxide、Carbonic oxideと表記されることもある[1]。 炭素や、それを含む有機物が燃焼すると二酸化炭素が発生するが、酸素の供給が不充分な環境で燃焼(不完全燃焼)が起こると一酸化炭素が発生する。さらに高温あるいは触媒存在下では C と CO2 とに分解(不均化)し、一酸化炭素自身も酸素の存在下で青い炎を上げて燃焼する。 2 CO ⟶ C + CO 2 {\displaystyle {\ce {2CO -> C + CO2}}} 高温では強い還元作用を示し、各種重金属酸化物を還元して単体金属を生成する。常温では遷移金属に配位して種々の金属カルボニルを形成する。その中のニッケルカルボニル (Ni(CO)4) は、かつてニッケル精製の中間体として用いられていた。 一酸化炭素は、二酸化炭素と異なり水にはほとんど溶けない。 この分子は様々な点で窒素分子(N2)に似ている。分子量28.0で窒素分子とほぼ同じ。結合長は112.8 pm[2][3]に対して窒素は109.8 pm。三重結合性を帯びるところも同じである。結合解離エネルギーは1072 kJ/molで窒素の942 kJ/molに近いがそれより強く、知られている最強の化学結合の一つである[4]。これらの理由から、融点 (68 K)・沸点 (81 K)も窒素の融点 (63 K)・沸点(77 K)と近くなっている。一酸化炭素の共鳴式 上のような3つの共鳴構造を持つ。だが三重結合性が強い[5]ため、電気陰性度がC<Oであるにもかかわらず、炭素原子上に負電荷が乗った一番左の構造の寄与が大きい。
性質