一般相対性理論
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一般相対性理論
G μ ν + Λ g μ ν = 8 π G c 4 T μ ν {\displaystyle G_{\mu \nu }+\Lambda g_{\mu \nu }={\tfrac {8\pi G}{c^{4}}}T_{\mu \nu }}
アインシュタイン方程式
入門
数学的定式化
関連書籍

基本概念
特殊相対性理論
等価原理
世界線リーマン幾何学

現象
ケプラー問題(英語版) ・ レンズ重力波
慣性系の引きずり ・ 測地効果(英語版)
事象の地平面特異点
ブラックホール

方程式
線形化重力(英語版)
PPN形式
アインシュタイン方程式
フリードマン方程式
ADM形式(英語版)
BSSN形式(英語版)

高度な理論
カルツァ=クライン理論
量子重力理論

解(英語版)
シュヴァルツシルト
ライスナー・ノルドシュトロム · ゲーデル
カー · カー・ニューマン
カスナー(英語版) · Taub-NUT(英語版) · ミルン・モデル(英語版)
ロバートソン・ウォーカー · pp波(英語版)

科学者
アインシュタインミンコフスキーエディントン
ルメートルシュヴァルツシルト
ロバートソンカーフリードマン
チャンドラセカールホーキング


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質量(地球)が2次元で描いた格子模様の平面に落とし込まれた状態を描いた説明図。格子模様をゆがめている様子が視認できる。また、歪んでいる格子模様自体が重力と解釈できる。この説明図を一般人にも理解できるよう例えるなら、重い物がトランポリンに沈む状態と同じである。

一般相対性理論(いっぱんそうたいせいりろん、: allgemeine Relativitatstheorie, : general theory of relativity)は、アルベルト・アインシュタイン1905年特殊相対性理論に続いて、それを発展させ1915年から1916年にかけて発表した物理学の理論である。一般相対論(いっぱんそうたいろん)

概要重力場の概念図。中心に近づくほど重力が大きい。

一般相対性原理一般共変性原理および等価原理を理論的な柱とし、リーマン幾何学数学的土台として構築された古典論的な重力場の理論であり、ロシアの物理学者のレフ・ランダウは一般相対論について、現存する物理学の理論の中で最も美しい理論だと述べている[1]測地線方程式アインシュタイン方程式(重力場の方程式)が帰結である。時間と空間を結びつけるこの理論では、アイザック・ニュートンによって万有引力として説明された現象が、もはやニュートン力学的な意味でのではなく、時空連続体歪みとして説明される。

一般相対性理論では、次のことが予測される。
重力レンズ効果
重力場中では光が曲がって進むこと。アーサー・エディントンは、1919年5月29日の日食で、太陽の近傍を通る星の光の曲がり方がニュートン力学で予想されるものの2倍であることを観測で確かめ、一般相対性理論が正しいことを示した。
水星近日点の移動
ニュートン力学だけでは、水星軌道のずれ(近日点移動の大きさ)の観測値の説明が不完全だったが、一般相対性理論が解決を与え、太陽の質量による時空連続体の歪みに原因があることを示した。
重力波
時空の歪み(重力場)の変動が伝播する現象。線型近似が有効な弱い重力波の伝播速度は光速である。アインシュタインによる予測の発表から100年目の2016年に、アメリカのLIGOにより直接観測された。
膨張宇宙
時空は膨張または収縮し、定常にとどまることがないこと。ビッグバン宇宙を導く。
ブラックホール
限られた空間に大きな質量が集中すると、光さえ脱出できないブラックホールが形成される。
重力による赤方偏移
強い重力場から放出される光の波長は元の波長より引き延ばされる現象。
時間の遅れ
強い重力場中で測る時間の進み(固有時間)が、弱い重力場中で測る時間の進みより遅いこと。

一般相対性理論は慣性力と重力を結び付ける等価原理のアイデアに基づいている。等価原理とは、簡単に言えば、外部を観測できない箱の中の観測者は、自らにかかる力が、箱が一様に加速されるために生じている慣性力なのか、箱の外部にある質量により生じている重力なのか、を区別することができないという主張である。

相対論によれば空間は時空連続体であり、一般相対性理論では、その時空連続体が均質でなく歪んだものになる。つまり、質量が時空間を歪ませることによって、重力が生じると考える。そうだとすれば、質量の周囲の時空間は歪んでいるために、光は直進せず、また時間の流れも影響を受ける。これが重力レンズや時間の遅れといった現象となって観測されることになる。また質量が移動する場合、その移動にそって時空間の歪みが移動・伝播していくために重力波が生じることも予測される。

アインシュタイン方程式から得られる時空は、ブラックホールの存在や膨張宇宙モデルなど、アインシュタイン自身さえそれらの解釈を拒むほどの驚くべき描像である。しかし、ブラックホールや初期宇宙の特異点の存在も理論として内包しており、特異点の発生は一般相対性理論そのものを破綻させてしまう。将来的には量子重力理論が完成することにより、この困難は解決されるものと期待されている。
歴史
一般相対性理論が成立するまでの研究

1905年に特殊相対性理論を発表したアインシュタインは、特殊相対性理論を加速度運動を含めたものに拡張する理論の構築に取り掛かった。1907年に、アインシュタイン自身が「人生で最も幸福な考え (the happiest thought of my life)」と振り返る「重力によって生じる加速度は観測する座標系によって局所的にキャンセルすることができる」というアイディア(等価原理[2])を得る。 光の進み方と重力に関する論文を1911年に出版した後、1912年からは、重力場を時空の幾何学として取り扱う方法を模索した。このときにアインシュタインにリーマン幾何学の存在を教えたのが、数学者マルセル・グロスマンであった。ただし、このときグロスマンは、「物理学者が深入りする問題ではない」と助言したとも伝えられている。1915年-16年には、これらの考えが1組の微分方程式(アインシュタイン方程式)としてまとめられた。

この時期にアインシュタインが発表した一般相対性理論に関する論文は、以下の通り。

1911年 論文『光の伝播に対する重力の影響[注 1]』(Annalen der Physik, 35, 898-908)

1914年 論文『一般相対性理論および重力論の草案[注 2]』(ZS. f. Math. u. Phys., 62, 225-261)

1915年 論文『水星の近日点の移動に対する一般相対性理論による説明[注 3]』(S.B. Preuss. Akad. Wiss., 831-839)

1916年 論文『一般相対性理論の基礎[注 4]』(Annalen der Physik (Germany), 49, 769-822)

1916年 論文『ハミルトンの原理と一般相対性理論[注 5]』(S.B. Preuss. Akad. Wiss., 1111-1116)

一般相対性理論の発表後

アインシュタイン方程式の発表後は、その方程式を解くことが研究の課題となった。

1916年にカール・シュヴァルツシルトが、アインシュタイン方程式を球対称・真空の条件のもとに解き、今日ブラックホールと呼ばれる時空を表すシュヴァルツシルト解を発見した。アインシュタイン自身は、自ら導いた方程式から、重力波の概念を提案したり、宇宙全体に適用すると動的な宇宙が得られてしまうことから、宇宙項を新たに方程式に加えるなどの提案を行っている。

1917年 論文『一般相対性理論についての宇宙論的考察』(S.B. Preuss. Akad. Wiss., 142-152)

1918年 論文『重力波について』(S.B. Preuss. Akad. Wiss., 154-167)
1919年5月29日の皆既日食の写真。アーサー・エディントンが撮影した。

1919年5月29日にアーサー・エディントン皆既日食を利用して、一般相対性理論により予測された太陽近傍での光の曲がりを確認したことにより、理論の正しさが認められ、世間への認知が一気に広まった。

1922年には、宇宙膨張を示唆するフリードマン・ロバートソンモデルが提案されるが、アインシュタイン自身は、宇宙が定常であると信じていたので、現実的な宇宙の姿であるとは受け入れようとはしなかった。

しかし、1929年には、エドウィン・ハッブルが、遠方の銀河の赤方偏移より、宇宙が膨張していることを示し、これにより、一般相対性理論の予測する時空の描像が正しいことが判明した。後にアインシュタインは宇宙項の導入を取り下げ、「生涯最大の失敗だった (the biggest blunder in my career)」とジョージ・ガモフに語ったという。

1931年、スブラマニアン・チャンドラセカールは、白色矮星の質量に上限があることを理論的計算によって示した。今日、チャンドラセカール限界として知られる式は、万有引力定数 G、プランク定数 h、光速 c の3つの基本定数を含み、古典物理・量子物理双方の成果を集大成したものでもある。チャンドラセカールは、「星の構造と進化にとって重要な物理的過程の理論的研究」の功績でノーベル物理学賞(1983年)を受賞した。

1939年、ロバート・オッペンハイマーとゲオルグ・ヴォルコフ (George Volkoff) は、中性子星形成のメカニズムを考察する過程で、重力崩壊現象が起きることを予測した。

その後しばらく、一般相対性理論は、「数学的産物」として実質的な物理研究の主流からは外れている。

重力波は果たして物理的な実体であるのかどうかという論争や、アインシュタイン方程式の厳密解の分類方法などの研究がしばらく続くが、1960年代のパルサーの発見やブラックホール候補天体の発見、そしてロイ・カーによる回転ブラックホール解(カー解)の発見を契機に、一般相対性理論は天文学の表舞台に登場する。


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