一次師部
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師部(篩部、しぶ、: phloem)とは、維管束植物シダ植物種子植物)の維管束を構成する2つの複合組織のうちの1つであり(もう1つは木部)、師管(篩管、しかん)や師細胞組織、師部繊維組織、師部柔組織からなる。頂端分裂組織に由来する一次師部(図1a)と、維管束形成層に由来する二次師部(靭皮; 図1b)がある。師部の主な機能は光合成産物など有機物の輸送であり(図1c)、また植物体の機械的支持や物質貯蔵などにも寄与している。.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}1a. の横断面: 矢印は師管が集合している領域であり、この中の小型の細胞は伴細胞。その下部の多数の厚壁細胞(赤く染色)は師部繊維(上部の大型の細胞は木部道管)。1b. シナノキ属アオイ科)の茎の横断面: 2年分の二次木部の外側に二次師部があり、師管と師部繊維組織の繰り返し部分と、三角形の拡張放射組織からなる。その外側が周皮1c. 師部 (phloem) は光合成産物など(オレンジ色)の有機物の通路となり、また養分貯蔵や植物体の機械的支持に寄与することもある。一方、木部 (xylem) は根で吸収された水・無機養分(水色)の通路となる。

「師部」の名は、師管の隔壁が(ふるい)のような形であることに由来するため、本来は「篩部」であり、また関連する「師管、師板、師細胞」なども本来は全て「篩管、篩板、篩細胞」などである。しかし「篩」が常用漢字ではないため(2020年現在)、教科書などでは「師」で代用される(ただし「師」には「ふるい」の意味はない)[1]。木(木本植物)において師部は樹皮の内層に存在しており、師部を意味する英語の phloem は樹皮を意味するギリシア語の φλοι?? (phloios) に由来する[2]
構成

師部は、師要素(師管要素や師細胞)、師部繊維師部柔細胞からなる[3][4][5]
師要素

師要素(篩要素、しようそ、sieve element)は管状の細胞であり、光合成産物などの有機物の通道に機能している[3][5](→#師部輸送(師部転流)を参照)。師要素は生細胞ではあるが、液胞などの細胞小器官がしばしば退化しており[3]、物質が通道しやすくなっている[6]。またしばしば特殊な色素体をもつ[7]細胞壁はやや厚いが、二次細胞壁を欠く[3][5][8]。細胞間の物質輸送は、原形質連絡が拡大した師孔(篩孔、sieve pore)を通して行われる[3][5][9]。師孔において、原形質連絡の周囲はカロースが沈着(肉状体ともよばれる)している[7][9]。師要素の細胞表面には、多数の師孔が集まって師域(篩域、しいき、sieve area)を形成している[3][5][10]。師要素が機能するのはふつう数ヶ月程度であり(長年機能している例もある)、一定期間後または損傷した師要素ではカロースがさらに沈着して師孔は閉塞される[3][8][9]。師要素として、被子植物は師管要素を、それ以外の維管束植物(シダ植物裸子植物)は師細胞をもつ[11][5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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