一巻経(いっかんぎょう、いっかんきょう、歴史的仮名遣:いっかんぎゃう、いっかんきゃう)[1]とは、第1義には、仏教の経典を写経する際、多くの人が一巻ごとに分担して書写すること[1][2][3][4][5]。現存する物はほとんど『法華経』のそれに限られる[4][2][3][5]。『法華経』の場合は「巻(かん)」を「品(ほん)[注 1]」と呼ぶ。
第2義には、法華経二八品を一品ずつ独立させて各一巻仕立ての軸(巻物)にしたもの[2][7]で、他の経にいうこともある[7]。これを「一巻経」という[1][7]が、特に法華経八巻または開経の無量義経、結経の観普賢経を加えた十巻についていうことが多く[1]、『法華経』を二八品として捉える場合には「一巻経」を「一品経(いっぽんぎょう、いっぽんきょう、歴史的仮名遣:いっぽんぎゃう、いっぽんきゃう)」という[1]。また、その一巻(一品)ずつを仏前で読誦することをもいう[2]。 多数の人に均等の功徳と多くの結縁
概要
脚注[脚注の使い方]
注釈^ ここでの「品(ほん)」は、仏典の中の編や章や節に当たるものをいう。用例「方便品」。[6]
^ 法華三十講(ほっけさんじっこう)とは、法華経二十八品に開結二経を加えて30日間に講ずる講讃[8]。
出典^ a b c d e 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “一巻経”. コトバンク. 2020年5月31日閲覧。
^ a b c d 小学館『デジタル大辞泉』. “一品経”. コトバンク. 2020年5月31日閲覧。
^ a b 三省堂『大辞林』第3版. “一品経”. コトバンク. 2020年5月31日閲覧。
^ a b c d e f 日立デジタル平凡社『世界大百科事典』第2版. “一品経”. コトバンク. 2020年5月31日閲覧。
^ a b c d e 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』. “一品経”. コトバンク. 2020年5月31日閲覧。