一姫二太郎
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一姫二太郎の姉弟スティーブ・アーウィンの子であるビンディ(英語版)(右、姉)とロバート(英語版)(左、弟)[1]

一姫二太郎(いちひめにたろう)は、最初に授かる子供は女児、2番目の子供は男児が良い、という意味日本ことわざ[2][3][4][5][6][7][8][9][10][11][12][13][14]。子供を授かるなら、女子1人と男子2人が良い、と解釈するのは誤りである[3][4][7][9][11][15]
意味

初めて子供を授かる夫婦にとって、女児の方が育てやすいことから、第一子は女児が良く[4][5][7][9][10][11][12][16]子育てに慣れたところで、第二子に男児を授かるのが良いという意味である[7][9][11][12][16]。女児が育てやすいのは、女児の方が丈夫であり[2][4][5][11][17]夜泣きが少なく[11]、おとなしいからとされる[5][12]。第一子が女の子であれば、としての面倒を見てくれる[11][12][18]、また、女児の方が家事を早くに手伝ってくれるという含意もある[2]。母親にとっては、同性の女児の方が体の仕組みを理解しやすく、共感しやすいため、異性である男児よりも育てやすいという解釈もある[11]。この意味で用いる場合、理想的な順番で子供が生まれた夫婦を祝う言葉となる[3]

第一子に男児を望んだにもかかわらず、女児が生まれた夫婦を慰めるために用いることもある[3][5][7][8][9][10][11][12][19]。この意味で用いる場合、第二子には男児が生まれるだろうと励ます言葉となる[3]。特に跡継ぎとして男児の出産を親族から期待されていた母親に対して、慰めや同情の言葉として用いられた[14][19]。当事者が一姫二太郎の語を使う場合、第一子が男児でなかった悔しさを含む可能性がある[16]立原正秋著『恋人たち』(1965年=昭和40年)には、「丹波典子は女の子をうんだ。一姫二太郎とはよく言ったものだ、と丹波家ではこぞってこの出産を祝い」という一節がある[9]

日本では、長男が生まれることは、嫡系の確保、すなわちの存続の保証を意味することから、何よりも喜ばれる地域が多かった[20]。このため、一姫二太郎は男子尊重の意味で、女児で育児のトレーニングを積んだ上で男子を生むのが良いという考え方であったとみられる[16]。一方で、男女問わず長子が家を継ぐ風習[注 1]を持つ東北地方や、末子が家を継ぐ風習を持つ西南日本では、別の意味で一姫二太郎が尊ばれた[21]

数学的な確率論の問題として捉えると、一姫二太郎を授かる確率は25%である[22]。第一子に女児を授かる確率は、生まれてくる子の性別は男か女かの2通りであるから2分の1、第二子に男児を授かる確率は、同じく2分の1である[22]。ここで、第二子の性別は第一子の性別に左右されない独立の事象なので、一姫二太郎となる確率は、第一子に女児を授かる確率である2分の1に第二子に男児を授かる確率である2分の1をかけて4分の1、すなわち25%である[22]
誤解

一姫二太郎を「女子1人、男子2人の兄弟姉妹」と解釈するのは誤りである[3][4][7][9][10][11][12][15]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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