一太郎
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、ワープロソフトについて説明しています。その他の用法については「一太郎 (曖昧さ回避)」をご覧ください。

一太郎開発元ジャストシステム

最新版一太郎2023 (33) / 2023年2月10日 (4か月前) (2023-02-10)
対応OSMicrosoft Windows
種別ワードプロセッサ
ライセンスプロプライエタリ
公式サイト一太郎Web
テンプレートを表示

一太郎(いちたろう)は、ジャストシステムが販売する日本語ワープロソフトの名称である。同社の看板製品であり登録商標となっている。同社の専務でプログラマーだった浮川初子によって開発された[1]
名前の由来

創業者・浮川和宣が学生時代に家庭教師をしていた際、後に病死した受け持ちの中学生「太朗」君の名にちなんで命名された[2]。「太郎」が日本の男の子の代表的な名前であることや、「太郎よ、日本一になれ」という思いを込めている。「新太郎」も候補になったが、「新バージョンが出たとき混乱する」という理由で却下され、一太郎という名称になった。

パッケージの赤色は「日の丸」の赤である[3]
概説 一太郎Ver.3

一太郎Ver.1の発売当時は、日本語ワープロソフトウェア業界では管理工学研究所の「」が大きなシェアを占めていた。当時としてはいち早くDOSベースで開発された一太郎は、当初DOSアプリケーションでなかった松と差別化し、本体と日本語入力システムをいちはやく分離・他機種への移植・松のほぼ半値という、低価格ながらも引けを取らない機能などで「松」の牙城を崩し、やがて日本語ワープロソフトの代名詞的存在として圧倒的なシェアを占めていった[4]

「スペースキーでかな漢字変換・リターン(Enter)キーで変換候補の確定」という一般的な日本語入力の操作スタイルは、かつてJS-Wordから引き継いだ一太郎(ATOK)独特の操作法が、実質標準化していったものである。

しかし、完成度が高く独占的なシェアを得ていたVer.3から、ジャストウィンドウを採用し花子などファミリーソフトとの統合を図ったVer.4への切り替え時に失敗し、ごく短期間にVer.4.3までバージョンアップした。Ver.4およびジャストウィンドウは、当時としては高価だったEMSメモリやハードディスクドライブをほぼ必須としており(Ver.4に合わせてジャストシステムは自社ブランドでEMSメモリボードなどを提供していた)、上記のように一太郎専用機として使われることの多かったパソコンシステムに対しては、当時としては過剰とも見られる投資が必要だったためである。このときは「ATOK7はいいが、Ver.4は不要」との声に対してATOKの単体販売が始められ、またノートパソコンブームの影響もあって「一太郎dash」というVer.4のサブセット版を販売することになった。

OSWindowsに移行していた過渡期、当時は単なるアプリケーションソフト・ランチャー色が強かったうえに日本語フォントの扱いが弱かったWindows 3.xの普及をジャストシステムは軽視し、アプリケーションソフトメーカーごとにウィンドウシステムを用意すべきであるとの持論を展開した。その回答として、すでに実績を持ちWYSIWYG機能に優れたジャストウィンドウを前面に押し出したが、のちの爆発的なWindowsの普及によりジャストウィンドウは立場を失ってしまい、一方でWindowsへの対応には遅れが生じることとなった。

その後、遅れてWindows版バージョン5を完成させるも、マイクロソフトによるWindows OS本体とWord/Excelの抱き合わせ販売などにより、次第にWordにシェアを奪われていく[注釈 1]。特に、Windows 95に対応する新バージョンの開発には大幅な遅れが生じ、そして登場した「一太郎7」では、マクロ機能の実装が見送られたうえ、当時の普及帯パソコンに搭載されていた以上のメモリ容量を要求(当時の普及価格帯PCの一般的なメモリ搭載量は8-16MBであったのに対し、一太郎7は32MB以上のメモリを推奨としていた)する動作の重さが原因でユーザからの信頼を失い、すでにWindows 95と同時発売されていたマイクロソフト社のWord95に大きくシェアを奪われることとなった。

一太郎は2017年現在、Windows版のみしか販売されていない(かつてはMacintosh版、OS/2版やLinux版も発売されていたが、前2者はVer.5のみで開発終了、後1者も2013年に開発されたものが最終で2020年現在では販売終了している)。他にJava版の一太郎Arkも発売されている(ただし、標準フォーマットにXHTMLを採用しており、一太郎文書は読むことはできても書き出すことはできない)。かつてはノートパソコン向けに軽量化した「一太郎dash」「一太郎lite」シリーズを販売していたが、ある時期から多数のバリエーションを発売するようになり、家庭用統合ソフト「ジャストホーム」に同梱される「一太郎Home」シリーズ(最新版は一太郎SE)、小学生向けの「一太郎スマイル」シリーズ、中学・高校生向けの「一太郎ジャンプ」シリーズ、文芸作品作成に最適化された「一太郎 文藝」、公文書作成用の「一太郎ガバメント」などを作成し出荷している。

バージョン3の頃から、バージョンナンバーを名前の頭に付けて、バージョン3なら「三太郎」・4なら「四太郎」・5なら「五太郎」とユーザーの間で区別されていたこともあった。また、一時期「日本語ワードプロセッサ」ではなく、「インテリジェントドキュメントプロセッサ」と称していた時期があったが、現在は、「日本語ワードプロセッサ」と称されている。
歴史

1983年春 - 日本語ワープロ「光」を東京・晴海展示会でのマイクロソフトブース裏で展示中、NECが興味を示す
[5]。PC-100に標準搭載するワープロソフトの依頼がジャストシステムに届き、7月から開発着手[6]

1983年10月 - PC-100用日本語ワープロソフト「JS-WORD」を発表。(アスキーブランドにて流通、後のATOKに相当するFEPはKTISと呼ばれていた)

1984年12月 - IBM JXシリーズ向けに「jX-WORD」を発売[7]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:84 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef