一円硬貨
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一円硬貨(いちえんこうか)は、日本国政府財務省)が発行する、額面1円の硬貨である。通称一円玉(いちえんだま)。一円貨[1]、一円貨幣とも呼ばれる。

一円硬貨としては、本位貨幣としての金貨と銀貨、補助貨幣としての黄銅貨も発行されたが(#過去の一円硬貨参照)、現在法定通貨として有効な一円硬貨は1955年(昭和30年)に発行を開始した一円アルミニウム貨のみである。本項では、この一円アルミニウム貨を中心に扱い、歴代の一円硬貨についても触れる。
一円アルミニウム貨

一円アルミニウム
1円硬貨
素材純アルミニウム
品位アルミニウム 100%
量目1.0 g
直径20 mm
図柄若木(表面)
周囲平滑
厚さ約1.5 mm
発行開始1955年昭和30年)
6月1日

概要「臨時補助貨幣#昭和30年・32年制定の円単位臨時補助貨幣」も参照

1955年(昭和30年)6月1日[2]に発行開始し、2024年令和6年)現在も発行中である。発行開始当初は臨時通貨法が有効であったため臨時補助貨幣として発行され、1988年(昭和63年)4月の「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」施行後は「貨幣」として引続き発行されている。純アルミニウム製であり、日本で発行中の6種類の通常硬貨の中で素材にが含まれない唯一の硬貨である[3]。また発行中の、そして法定通貨として有効な日本の硬貨の中で額面が最小であり、現在の日本における現金の最小単位の硬貨となっている。一度の取引において強制通用力を有するのは20枚(20円)までである[注 1]

表面には「日本国」と「一円」そして「若木」が、裏面には「1」と製造年がデザインされている。表面の若木に描かれている葉の数は8枚である。図柄の若木は日本が伸び行く姿を象徴したものである[4]。ちなみに若木のデザインのモデル樹種は特になく[5]、特定のモデルがないからこそ却ってどのにも通じる、という考え方である。日本で発行中の6種類の通常硬貨のうち、デザインが一般公募によって決定された唯一の硬貨である[6]。なおこの表裏は造幣局での便宜的な区別で、明治時代の硬貨と異なり法律上の表裏の規定はない[7]

一円硬貨の質量は、1.0グラム (g) である[3]水に浮く1円硬貨

一円硬貨はより比重が大きいが、乾いた一円硬貨を水面に対して平らになるように静かに置くと、一円硬貨にかかる浮力表面張力が一円硬貨の重量と釣り合うために浮く[8]。水に界面活性剤を加えて表面張力を下げたり、水の代わりに水より表面張力の低い液体の上に置いたりした場合は沈む。

造幣局で製造されてから日本銀行に納入される際に用いられる麻袋については、一円硬貨は1袋に5000枚(金額5000円、正味重量5kg)詰められる。これは硬貨の大きさ・重さから他の日本の通常硬貨に比べて多い枚数となっているが、それでも日本の通常硬貨の麻袋の中で重量が最も軽い。
製造

一円硬貨1枚を製造するのにかかるコストは額面以上であり、2015年(平成27年)現在、一円硬貨の製造に約3円かかるとされる[9]。また政府による貨幣発行益2003年(平成15年)当時で1枚当り13円の赤字とされる[10]。原料となるアルミニウム地金2021年(令和3年)9月現在で1キログラム当たり377円で推移し、アルミニウム地金として見た価値は1枚あたり約38銭となる[11]2009年(平成21年)初めに造幣局が民間から調達した1円硬貨用アルミ.mw-parser-output ruby.large{font-size:250%}.mw-parser-output ruby.large>rt,.mw-parser-output ruby.large>rtc{font-size:.3em}.mw-parser-output ruby>rt,.mw-parser-output ruby>rtc{font-feature-settings:"ruby"1}.mw-parser-output ruby.yomigana>rt{font-feature-settings:"ruby"0}円形(えんぎょう)4200万枚の調達価格は3352万円とされ、金属材料の円形(えんぎょう)としては1枚あたり約80銭となる[12]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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