「ヴィレッジヴァンガード」はこの項目へ転送されています。アメリカのジャズクラブについては「ヴィレッジ・ヴァンガード」をご覧ください。
株式会社ヴィレッジヴァンガード
コーポレーション
Village Vanguard Co., Ltd.本社(2015年9月)
種類株式会社
市場情報東証スタンダード 2769
ヴィレッジヴァンガード (Village Vanguard) は、愛知県名古屋市名東区に本社を置く株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション (Village Vanguard Co., Ltd.[1]) グループによって展開されている書店である。2022年5月31日現在、店舗数は318店舗(直営313店+FC5店)[2]となっている。略称は「ヴィレヴァン」、「ヴィレッジ」。 書籍以外にも幅広い雑貨を扱う複合型書店であり、売れ筋商品と共に趣味性の高い商品を中心に扱う。「遊べる本屋」をキーワードに、書籍、SPICE(雑貨類)、ニューメディア(CD・DVD類)を融合的に陳列して販売する[3]。 2003年、JASDAQに上場。 2019年5月、名古屋テレビ放送(メ?テレ)にて岡山天音が主演を務めるヴィレッジヴァンガードを舞台にしたドラマ『ヴィレヴァン!』が放送された[4]。撮影地には名古屋、都内の店舗が使われている[4]。ドラマの設定上は、愛知県名古屋市天白区の本店が舞台であるが、店内ロケは主に東京都の三軒茶屋店で行われた。 1986年に菊地敬一が個人商店として創業。菊地が「自分が客だったら」という発想で愛知県名古屋市天白区で開店[5]したのが始まり。 創業にあたって範とされたのは、かつて大和田康司
概要
創業ヴィレッジヴァンガード本店(2015年6月)
夫婦で始めた天白区の1号店は中古の農業用の倉庫を利用したロフト風だったが、これは菊地が当時名古屋市内にあった「MGミゼット」と言う喫茶店を訪れたとき、倉庫のような大きな空間にMGミゼットの車などが置かれ、広い天井にシーリングファンが取り付けられた店の雰囲気が気に入ったことによる。倉庫を利用したビリヤード台やジュークボックスやコミックや雑貨など置いて、いつかMGミゼットの車も譲り受け、インテリアとして店内に置き、自由で開放的なロフト風の本屋をやりたいと思ったのである。また中古の農業用の倉庫は格安であり、店を始めるうえで、当初お金がなかった菊地には好都合の物件であったと言う。
なお店名の名前の由来はジャズ好きでもある菊地が、当初、本屋でジャズのライブをやるのが夢だったことから、ニューヨークにあるジャズクラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」の名から名付けられた。また菊地が好んだジャズ・ミュージシャンのソニー・ロリンズの『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』やビル・エヴァンスの『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』などのライブ・アルバムの名からも影響も受けている。
当初店内でドラムを叩いたとき、ドラムの音が倉庫造りの店内に大きく反響し失敗してしまう。店でジャズのライブの催行こそ断念したものの“ヴィレッジヴァンガード”の店名や、ジャズのBGMを店内で流すなど、「ジャズのある店」の雰囲気は残した[6]。 書店でありながら、書籍と文房具だけではなく業種の異なる商材を並べて陳列する売り方は、今でこそ珍しくなくなったが、この会社が創業した1986年当時としてはかなり斬新なアイディアだったといえる[7]。業態の模範となったのは前述の通り「ブックショップ大和田」であるが、創業者菊地の生まれ育った北海道新得町には酒屋がタバコやお菓子といっしょに書籍も売っているという業態の店しかなかった[8]ことも関係している。 菊地はヴィレッジヴァンガードの店のコンセプトを表すキーワードは「サブカルチャー」、「アコースティック」、「アンプラグド」、「アナログ」、「ネイチャー」、「アメリカンポップカルチャー」、「ノスタルジー」、「おしゃれ」などとしており、キーワードのひとつ「ノスタルジー」では、古いジャズや、オールディーズなどの音楽を演出効果をあげるためにBGMで店で流したり、昔の懐かしいアメリカのものを置いたり、雑誌などではカーグラフィックのバックナンバーを並べたり、中心にあるのは洗練されたものばかり集めた「ミュージアムショップ」で、さらに、サブカルチャーとか、ノスタルジーとか、おしゃれとか、幾つかのキーワードで表現される「ヴィレッジヴァンガード」テイストがコアになっており、「気持ちの悪いもの」やある種の「ダサさ」が商売には必要で、その方が面白くなり、洗練されたものと気持ち悪いものの線の引き方が、「ヴィレッジヴァンガード」のノウハウだと言う[9]。 1号店を始め名古屋市内及び愛知県内にあった初期店舗は主に倉庫を利用したロフト風だった。ジュークボックスやビリヤード台などが置かれ、ジャズやブルースなどの音楽、映画、車、オートバイ、登山関連、アメリカンカウンターカルチャー、マニアックなコミックなど普通の書店ではあまり見かけないような趣味性の高い本、BRUTUSやモノ・マガジンなどの雑誌から、色んな雑貨を扱っていた[10]。
特色
店舗一般的な店舗外観
(東京・高円寺店、2010年10月撮影。)