ヴァージン・トレインズ・イースト・コースト
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ヴァージン・トレインズ・イースト・コースト
Virgin Trains East Coast
インターシティ125インターシティ225
キングス・クロス駅
略称GR
業種列車運行会社
事業内容インターシティ・イースト・コースト(英語版)・フランチャイズの運行
(2015年3月1日 - 2018年6月23日)
所有者ステージコーチ・グループ(英語版)90%
ヴァージン・グループ10%
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ヴァージン・トレインズ・イースト・コースト(Virgin Trains East Coast; VTEC、正式社名はEast Coast Main Line Company Limited[1])はかつて存在したイギリス列車運行会社である。イースト・コースト本線を中心とした長距離列車ネットワークであるインターシティ・イースト・コースト(英語版)・フランチャイズを運行していた。ステージコーチ・グループ(英語版)が90%、ヴァージン・グループが10%を出資していたが、イギリス国鉄民営化(英語版)当初からの列車運行会社で同じブランドを用いていたヴァージン・トレインズヴァージン・クロスカントリーとは異なり、ヴァージン・レール・グループ(英語版)(当初はヴァージンが100%、1998年からはヴァージンが51%、ステージコーチが49%を出資)傘下ではなかった。

2015年3月1日に国営の最終手段運行事業者(英語版)であったイースト・コースト(英語版)から運行を引き継いだ。2023年までの契約で、運営権料として政府に対して総額33億ポンドを支払うことになっていたが、収入が想定を下回ったことから2018年6月23日に営業を終了し、国営のロンドン・ノース・イースタン・レールウェイに運行を引き継いだ。これは同フランチャイズにとって、3度目の経営難による早期終了であった[注 1]
沿革

2014年1月、運輸省は次期インターシティ・イースト・コースト・フランチャイズの運行事業者の候補としてファーストグループ、ケオリス(英語版)/ユーロスター・インターナショナル・リミテッド(英語版)、ステージコーチ・グループ(英語版)/ヴァージン・グループの3組を発表した[2][3]。同年11月、ステージコーチ・グループとヴァージン・グループの組が落札したことが発表され、8年間の契約で2015年3月1日からヴァージン・トレインズ・イースト・コーストとして営業を開始した[4][5][6][7]

2017年6月28日、ステージコーチ・グループはヴァージン・トレインズ・イースト・コーストの営業収入が想定を下回っており、政府に支払う運営権料を差し引くと累計2億ポンド程度の赤字であることを発表した。ステージコーチ・グループの株価はこれにより11%下落し、全英鉄道・海事・輸送従事者組合(英語版)は再国営化を訴えたが、ステージコーチ・グループは2年以内に収益化が達成できるとした[8]

同年11月、クリス・グレイリング運輸大臣はヴァージン・トレインズ・イースト・コーストのフランチャイズが予定よりも3年早い2020年に終了する可能性があり、後継のフランチャイズとしてネットワーク・レールが整備・所有するインフラに対してより強い権限を持つ新しいタイプのフランチャイズであるイースト・コースト・パートナーシップが導入されることを発表した。ステージコーチ・グループは収入増が想定を下回った原因としてネットワーク・レールによるインフラ改良や運輸省が主導していた新型車両導入計画であるインターシティ・エクスプレス・プログラムの遅れを挙げたが、グレイリングはこれに対し、入札過程が構造上過大な収入予想を招きやすい構造になっていたことを認めつつも単なる予測ミスであるとした。早期終了は政府による民間企業の救済であるとして批判されると同時に、双方に原因があったことからどちらにとっても望ましいことだともされた。ステージコーチ・グループと運輸大臣は運行終了までは運営権料の支払いが契約通り行われること、そして不正が行われたわけではなかったことからステージコーチ・グループやヴァージン・グループが将来の入札に参加することが妨げられないことを認めた[9][10][11]

2018年2月、状況の悪化により契約終了が「数か月後」に再度前倒しされ、2020年[注 2]からのイースト・コースト・パートナーシップの開始までのつなぎとしてヴァージン・トレインズ・イースト・コーストとの短期的なマネジメント契約と国有の最終手段運行事業者(英語版)による運行が検討された[12][13][14]

同年5月16日、最終手段運行事業者であるロンドン・ノース・イースタン・レールウェイが運行を引き継ぐことが発表され、ヴァージン・トレインズ・イースト・コーストは2018年6月23日を持って営業を終了した[15][16]
運営
定時性

終点に定時で到着した列車の割合を示すパブリック・パフォーマンス・メジャー(PPM)は2015年12月13日から2016年1月9日までの4週間で82.0%と全国平均の86.9%と比較して低かった[17]
ストライキ

ワンマン運転の導入計画や200人近くの強制解雇計画、給与問題などに対し、全英鉄道・海事・輸送従事者組合は2016年8月、車両基地要員を除く労働者が参加する24時間のストライキを3回行うことを発表したが[18][19][20]、これらは交渉の結果中止された[21][22][23]。しかし、交渉の決裂により再度ストライキが計画され、同年10月3日の24時間にわたって実施された[24][25]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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