ヴァルソロメオス1世
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総主教聖下
ヴァルソロメオス1世
コンスタンディヌーポリ総主教

教会コンスタンディヌーポリ総主教庁
教区コンスタンディヌーポリ大主教区
着座1991年11月2日
離任在任中
前任ディミトリオス1世 (コンスタンディヌーポリ総主教)
個人情報
本名ディミトリオス・アルホントニス (Δημ?τριο? Αρχοντ?νη?, Dimitrios Archontonis)
出生 (1940-02-29) 1940年2月29日(84歳)
トルコエディルネ県ギョクチェアダ島
教派・教会名正教会
両親フリストス(父)メロペ(母)・アルホントニス
配偶者なし
子供なし
出身校ハルキ神学校
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米国大統領バラク・オバマと会談するヴァルソロメオス1世(イスタンブール、2009年4月7日)

ヴァルソロメオス1世総主教(ヴァルソロメオスいっせいそうしゅきょう、ギリシア語: Πατρι?ρχη? Βαρθολομα?ο? Α[1]トルコ語: Patrik I. Bartholomeos、英語: Patriarch Bartholomew I、1940年2月29日 - )は、コンスタンディヌーポリ全地総主教であり、正教会の第一人者("first among equals")である。1991年11月2日より在位しており、ヴァルソロメオス1世は世界の3億人の正教信徒の精神的指導者である[2][3][4][5]

転写には様々な方法があるが、本記事名は現代ギリシア語からの転写に拠った。

ワルフォロメイ1世 - 日本正教会奉神礼に用いられる転写(教会スラヴ語を経由したもの)[6]

バルソロメオス1世 - 現代ギリシア語からの転写「ヴァルソロメオス」の「ヴァ」を、「バ」に置き換えた表記[6]

バルトロマイオス1世 - 古典ギリシア語再建音

バーソロミュー1世 - 英語

バルトロマイ - 日本聖書協会による、聖書中に登場する同名の使徒の転写[7]

コンスタンティノポリ総主教 - 日本正教会の奉神礼に用いられる転写[6]

コンスタンティノポリス総主教 - ラテン語

コンスタンティノープル総主教 - 英語

コンスタンディヌーポリ全地総主教は、単にコンスタンディヌーポリ総主教・全地総主教(エキュメニカル総主教)とも呼ばれる[6]
前半生と経歴奉神礼を司祷するヴァルソロメオス1世。ミトラをかぶり、ディキリとトリキリを持った姿で写っている。(2004年5月10日)

ヴァルソロメオス1世はイムヴロス島(ギリシア語名:?μβρο?、トルコ語名:ギョクチェアダ島、Gokceada)のアギオス・セオドロス村(ギリシア語名:?γιο? Θε?δωρο?、トルコ語名:Zeytinli koyu)に、フリストスとメロペ・アルホントニスの息子として生まれた。世俗名はディミトリオス・アルホントニス(Δημ?τριο? Αρχοντ?νη?, Dimitrios Archontonis)。市民権により国籍はトルコであるが、民族的帰属はトルコにおける少数の残留したギリシア人である。

ディミトリオス・アルホントニスは生地イムヴロスにおいて小学校に通った。高等教育はイスタンブールにあるゾグラフィオ・リキオ学校(Ζωγρ?φειο Λ?κειο、Zographeion Lyceum)で受けている。ほどなくして、神学を総主教庁神学校(ハルキ神学校、Halki seminary)で学び、1961年に首席で卒業。直ちに輔祭叙聖され、ヴァルソロメオスの修道名を授かった。ヴァルソロメオスはトルコ軍で予備役将校として1961年から1963年までの間兵役義務を果たした。1963年から1968年までの間、ヴァルソロメオスは卒業後の勉学をローマのポンティフィカル・オリエンタル・インスティテュート(Pontifical Oriental Institute)、スイスジュネーヴ大学ドイツミュンヘン大学で修めた。博士論文は教会法についてであった。同年、彼はポンティフィカル・オリエンタル・インスティテュートの講師を務めた。

イスタンブールに戻った1968年から、ハルキ神学校で教鞭をとり、1969年にはアシナゴラス1世により司祭に叙聖された。ディミトリオス1世1972年に全地総主教に着座し総主教庁を設立すると、ヴァルソロメオスはその理事となった。1973年の降誕祭に、ヴァルソロメオスはフィラディルフィアの府主教となり、総主教庁の理事としてハルキドン(Χαλκηδ?ν)の府主教に1990年に着座するまでその地位にあった。1974年3月から全地総主教に着座するまで、ヴァルソロメオスは聖シノドの構成員の一人であり、多くのシノドの委員会の構成員でもあった。

ヴァルソロメオスは現代ギリシア語トルコ語イタリア語ドイツ語フランス語英語を話すことができ、古典ギリシア語ラテン語にも堪能である。

2008年に、タイムの「世界で最も影響力のある100人」の1人に選ばれた[8]

2022年ロシアのウクライナ侵攻に対しては、同年2月27日に「人権侵害と残忍な暴力」として非難する声明を発表した[9]
全地総主教としての実績東ローマ帝国の「双頭の鷲」を受け継ぐ、コンスタンディヌーポリ総主教庁の紋章を用いた総主教旗。全地総主教庁とギリシャ正教会でよく用いられる。

全地総主教としては、彼は国際的に大いに活躍している。彼の最初の目標の一つは共産主義が1990年に崩壊した後、東側諸国において弾圧を経験した正教会を再建することであった。そのための努力の一環として、ヴァルソロメオスは相互領聖関係にある諸民族教会と諸総主教庁との関係の強化に動いた。またローマ・カトリック教会との和解のための対話も、前任者達と同様に継続している。また、他のキリスト教諸教派も含め、イスラームユダヤ教との対話も始めた[10][11]

おそらく特筆されるべきは、ヴァルソロメオスは環境主義者として極めて高い評価を得ている事であろう。総主教庁は様々な国際的環境問題に対して支援を行っている。この事によってヴァルソロメオスは「緑の総主教」(the Green Patriarch)、「緑のパパ」(the Green Pope)[2][12]とも呼ばれている。


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