ヴァリャーグ
中国に売却された「ヴァリャーグ」(2001年11月)
基本情報
建造所 ソビエト連邦→ ウクライナ黒海造船工場
ヴァリャーグ(ヴァリャーク、ウクライナ語: Варя?г[注釈 1])は、ソビエト連邦(以下、ソ連)で設計された航空母艦である。ソビエト連邦海軍(以下、ソ連海軍)では重航空巡洋艦(тяжёлый авианесущий крейсер)に分類され、1143.5設計重航空巡洋艦(「アドミラル・クズネツォフ級航空母艦」)の事実上の2番艦である1143.6設計重航空巡洋艦[1]を構成する唯一の艦であった。
ソビエト連邦の崩壊後、ロシア海軍が保有権を放棄しウクライナ海軍に編入されたが完成せず、廃艦となった。未完成の艦体は中華人民共和国(以下、中国)へ売却され、「遼寧」となった。 起工時の予定艦名は「リガ」(Ри?га)であったが、1990年6月19日付けで[2]、ロシア語でヴァイキングを意味する「ヴァリャーグ」に改名された。この名を持つ艦はロシア海軍・ソ連海軍を通じて3代目で、初代は日露戦争で自沈した1等巡洋艦「ヴァリャーグ」[注釈 2]である。2代目は太平洋艦隊に所属していたキンダ型ミサイル巡洋艦で、1990年4月に除籍された。また、本艦がウクライナの管轄となった後の1996年2月、太平洋艦隊のスラヴァ級ミサイル巡洋艦「チェルヴォナ・ウクライナ(赤いウクライナ)」が「ヴァリャーグ」に改名された。 ソ連海軍は、1143.5及び1143.6設計重航空巡洋艦の2隻に加え、原子力艦の1143.7設計(ウリヤノフスク級)重航空巡洋艦を4隻建造する計画を持っていた。また、先に建造された1143設計(キエフ級)重航空巡洋艦およびその準同型艦4隻も近代化改装を受け、艦載機を新型のYak-141VTOL戦闘機に更新して「ソ連空母機動部隊」を補完する戦力となることが期待されていた。 この計画を背景に、「ヴァリャーグ」は1143.5設計を踏襲する1143.6設計の艦として1985年12月6日[2]にウクライナ・ソビエト社会主義共和国・ムィコラーイウの黒海造船工場 ソ連が崩壊した1991年12月、すでに中央政府からの建造資金供給は停止していたが、それでも建造元の黒海造船工場は、「ヴァリャーグ」および「ウリヤノフスク」の建造工事を「自腹で」細々と続行した。だがそれも長くは続かず、翌1992年3月に両艦とも工事は中止された。のちに本艦の売却を委託されたノルウェーの船舶ブローカー、リーベックによると、この時点での「ヴァリャーグ」の完成度は、船体が100%、機関が80%、その他の部分が20%であった(艦全体で67.3%という説もある[3][4])。
艦名
建造
計画
起工
建造中断、ウクライナへの編入
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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