ワールド・ウォーZ
World War Z
シドニー・プレミア上映の様子
監督マーク・フォースター
脚本マシュー・マイケル・カーナハン
ドリュー・ゴダード
デイモン・リンデロフ
原案マシュー・マイケル・カーナハン
J・マイケル・ストラジンスキー
原作マックス・ブルックス
『ワールド・ウォーZ』(ワールド ウォー ゼッド、World War Z)は、2013年公開のアメリカ合衆国の映画。小説『WORLD WAR Z』の映画化にあたるが、マシュー・カーナハンおよびドリュー・ゴダード、デイモン・リンデロフの脚本によるオリジナル作品であり原作とは別作品である。 フィラデルフィアに住む元国連職員ジェリー・レインは、妻カリンと長女レイチェル・次女コニーを学校に送るため自動車に乗っていたが、いつもとは様子の違う交通渋滞にはまってしまう。すると突如人々が車を放棄して逃げまどい始め、ただならぬ雰囲気を感じ取ったジェリーは同じように家族と共に逃れる。人間を狂暴化させる謎の疫病が世界各地で流行し始めており、フィラデルフィアの街はゾンビの大群に襲われていた。混乱の最中、ジェリーはゾンビに噛まれた男が12秒後にはゾンビと化し、人々を襲い始めるのを目撃する。 ジェリーは街を離れるが、携帯電話へ国連事務次長ティエリーから連絡が入り、現場への復帰を要請される。途中で出会った少年トミーとジェリーら一家の5人は、ティエリーが派遣したヘリコプターでニューヨーク沖の海上に浮かぶ米海軍艦隊の艦へ収容される。収容人数には限りがあり、民間人の避難民が地上の避難所へ移される中、家族らを安全な艦にとどめておくため、ジェリーは軍による作戦への参加要請を断りきれない。ジェリーは優秀な若きウイルス学者や特殊部隊員らとともに、最初にゾンビの情報を送ってきた韓国の米軍基地へと飛び立つ。 韓国の基地に到着したが、輸送機から降りる際にゾンビたちに襲われ、護身用に銃を持たされていたウイルス学者が足を滑らせたはずみで銃を暴発させてしまい死んでしまう。ジェリーらは基地の兵士に助けられ、兵士から話を聞く。医師と患者がゾンビ化し、他の患者に次々噛み付いてゾンビ化させるが、難を逃れた兵士がゾンビたちを焼き殺したという。また、武器を北朝鮮に横流ししていたCIAの元諜報員は、北朝鮮では「将軍様」の命で人民全員が歯を抜いたところゾンビに襲われずにすみ、イスラエルでは諜報員ユルゲン・ヴァルムブルンが事前にゾンビの情報を察知しエルサレムに高い壁を築いてゾンビが侵入するのを防いでいると語る。ジェリーらはイスラエルに向かい更なる情報収集を決意する。 ジェリーらはイスラエルに到着し、ユルゲン・ヴァルムブルンから話を聞く。ヴァルムブルンはインドから収集した「ゾンビが人を襲う」という内容の暗号を得ており(「ラクサシャと戦っている」という通信)、彼はそれが暗号内暗号ではなく事実だと結論づけ壁を築いたと言う。ジェリーが到着した時、イスラエルは仇敵のパレスチナ人を含めた避難民を積極的に受け入れていたが、避難民が歌い始めたイスラムの祈りを大音量のスピーカーで流したため外部のゾンビを刺激してしまう。音に引き寄せられた無数のゾンビが壁を越えてしまった。壁の内部はパニックになるが、ジェリーはここで不可解な現象に気づく。ある少年がゾンビの群れの中にいるにもかかわらず、ゾンビはまるで少年がいないかのように素通りしていた。ジェリーは彼とともにいた女性兵士のセガンと共にゾンビに制圧されたエルサレムを民間機で後にする。 ジェリーは先ほど見た現象からゾンビ対策になりうるかもしれないアイデアを推論し、ウイルスの研究所に向かうことを決断する。だが機内に侵入していたゾンビが別室の客室を襲い始め、数を増やしたゾンビがジェリーらの客室への侵入を果たした。彼は手榴弾を投げつけ反撃する。爆発によって飛行中の機体に穴が開き、暴風によってゾンビたちは飛行機から次々に放出されるが同時に飛行機も制御不能となり墜落する。 ジェリーとセガンは墜落現場からウイルスの研究所へ向かう。墜落の際に破片が腹部を貫いており、研究所の門で気を失ったジェリーは、研究所の所員に拘束されて目覚める。ジェリーは国連事務次長のティエリーを通して身元を証明し、ゾンビの対策について推論を述べる。ゾンビ化ウイルスは自身を死滅させる可能性のある致命的な病原体を保持する者には感染したがらず、従ってある病人はゾンビに襲われないはずだと結論付けたジェリーは、研究所に保管されている危険性の低いウイルスに自ら感染することを提案する。だが、どのウイルスがゾンビを寄せ付けないかまではまだ分からないうえ、ウイルスが保管されている区画は既にゾンビ化した所員がうごめいているという。 ジェリーとセガン、研究所の所長はゾンビが徘徊する区画に侵入する。ジェリーはウイルスが保管されている場所にたどり着くが、そこで一体のゾンビに気づかれてしまう。このままでは脱出もままならないと判断したジェリーは監視カメラを通して家族への遺言を伝え、一か八か適当なウイルスを自分に注射し、保管所のドアを開放する。ゾンビは、ジェリーの存在を認識していないように振る舞った。ジェリーが考えた対策は有効であることが示された。かくして、ジェリーはゾンビの群れの中を悠然とやり過ごし、先に脱出していたセガンらに迎えられ帰還を果たした。 ジェリーらは、難民キャンプに避難していた家族の下へ帰還し、再会を果たす。ジェリーの対策は実行に移され、ウイルスを無毒化したワクチンにより人々がゾンビをやり過ごせるようになる。軍隊によるゾンビの群れへの反撃も始まる。「ワールド・ウォーZ」はこれから始まるとジェリーは独白し、ストーリーは終わる。 ※括弧内は日本語吹替[5]
あらすじ
キャスト
ジェリー・レイン - ブラッド・ピット(堀内賢雄)
元国連職員。
カリン・レイン - ミレイユ・イーノス(篠原涼子)
ジェリーの妻。
セガン - ダニエラ・ケルテス
イスラエル国防軍兵士。Zに噛まれるもジェリーが患部の手を切断したことによりZ化を免れ、ジェリーと行動を共にする。
スピーク大尉 - ジェームズ・バッジ・デール(大塚芳忠)
在韓米軍基地で生き残った兵士達のリーダー。
ユルゲン・ヴァルムブルン - ルディ・ボーケン(英語版)(磯部勉)
モサド高官。