この項目では、メジャーリーグベースボールのワールドシリーズについて説明しています。その他の用法については「ワールドシリーズ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
ワールドシリーズ
2015年のシリーズで優勝を果たし、喜びを爆発させるカンザスシティ・ロイヤルズの選手たち
競技プロ野球
主催メジャーリーグベースボール
開始年1903年
参加チーム2
国 アメリカ合衆国
カナダ
前回優勝 テキサス・レンジャーズ(2023年、初優勝)
最多優勝 ニューヨーク・ヤンキース(27回)
公式サイト ⇒worldseries.com
ワールドシリーズ(英語: World Series)は、野球のメジャーリーグベースボール(MLB)における優勝決定戦。毎年レギュラーシーズン終了後の10月に、ナショナルリーグとアメリカンリーグのそれぞれの優勝チームどうしが戦い、その年の王座を争う。シリーズ優勝チームにはMLB機構コミッショナーから優勝トロフィー "コミッショナーズ・トロフィー" が贈呈される。また、チームも優勝記念にチャンピオンリングを制作し、選手らに贈るのが慣例となっている。このシリーズは北米の秋のシーズンに行われることから俗に「Fall Classic(秋の祭典)」と呼ばれることもある[1][2]。
MLBは北米に展開するプロ野球リーグであり、30球団中29球団はアメリカ合衆国内に本拠地を置いている。MLBを含む北米4大プロスポーツリーグに共通する特徴として、優秀な選手が世界中から北米リーグに集まる流れが確立されているということがあるため、その競技においては北米リーグでの優勝――野球ではこのワールドシリーズの制覇――が実質的な世界一ということができる[3][4]。ただし、北米4大プロスポーツリーグの優勝決定戦で名称にワールド(世界)と冠しているのは、MLBのみである[† 1]。2010年1月には、MLBに次ぐ規模を持つ日本プロ野球との間でワールドシリーズ王者と日本選手権シリーズ王者の対戦が検討されていることが明らかになったが[5]、実現には至っていない。
シリーズの名称にワールドという単語が入った由来として、ニューヨーク州ニューヨークで発行されていた日刊紙『ニューヨーク・ワールド』がスポンサーをしていたため、という説があるがこれは誤りである[6]。実際には、19世紀に7年間開催されたナショナルリーグとアメリカン・アソシエーションの優勝チームによる選手権が、大仰な表現を好む当時の風潮から次第にワールドシリーズと呼ばれるようになり、これが1903年に始まって以来現在まで続くものに受け継がれた。19世紀のシリーズと現在のシリーズは、同じものとしては扱われず区別されている。現在のシリーズは、1904年と1994年の2度の中止を除いて毎年開催され、2021年終了時点で開催回数は117回を数える。
経済誌『フォーブス』の2017年10月の発表によれば、ワールドシリーズのブランド価値は金額にして1億2400万ドルになるといい、これは全世界のスポーツイベントの中で10番目に高い[† 2][7]。その一方で、全米テレビ中継の平均視聴率が1980年の32.8%をピークとして下落傾向にあり[8]、2012年には7.6%で最低記録を更新するなど[9]、課題がある。 アメリカンリーグ メジャーリーグベースボールの30球団は、15球団ずつがアメリカンリーグとナショナルリーグに分かれ、さらに両リーグとも5球団ずつ東・中・西の3地区に分かれている(右表参照)。
ワールドシリーズまでの道のり
西地区中地区東地区
ヒューストン・アストロズシカゴ・ホワイトソックスボルチモア・オリオールズ
ロサンゼルス・エンゼルスクリーブランド・ガーディアンズボストン・レッドソックス
オークランド・アスレチックスデトロイト・タイガースニューヨーク・ヤンキース
シアトル・マリナーズカンザスシティ・ロイヤルズタンパベイ・レイズ
テキサス・レンジャーズミネソタ・ツインズトロント・ブルージェイズ
ナショナルリーグ
西地区中地区東地区
アリゾナ・ダイヤモンドバックスシカゴ・カブスアトランタ・ブレーブス
コロラド・ロッキーズシンシナティ・レッズマイアミ・マーリンズ
ロサンゼルス・ドジャースミルウォーキー・ブルワーズニューヨーク・メッツ
サンディエゴ・パドレスピッツバーグ・パイレーツフィラデルフィア・フィリーズ
サンフランシスコ・ジャイアンツセントルイス・カージナルスワシントン・ナショナルズ