ワッパ (WAPPA[1]) は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。初出は、1979年放送のテレビアニメ『機動戦士ガンダム』。
作中の敵勢力であるジオン公国軍が運用する、ホバークラフトのような一人乗りマシン。劇中では小型で小回りが利くことを活かして、主役モビルスーツ(MS、人型ロボットの一種)である地球連邦軍のガンダムとの戦闘中に集団で時限爆弾を取り付け、主人公のアムロ・レイが爆発の恐怖と戦いながら爆弾を除去するエピソードが描かれた。
『機動戦士ガンダム』の約70年後を描いた『機動戦士Vガンダム』では、ワッパの名は小型ホバークラフトの代名詞として浸透しており、軍用だけでなく一般的な移動・輸送手段としても普及している。 『機動戦士ガンダム』総監督の富野喜幸によるラフスケッチをもとに[2]、大河原邦男がクリーンアップをおこなっているが、ラフの段階で基本デザインはほぼ完成している。ラフには「ジオンのパーソナル・ソーサー“ワッパ”」と記されている[2]。 諸元ワッパ 一人乗り攻撃機[注 1]、または機動浮遊機[3]、パーソナル・ホバー・バイク[3]とも呼ばれる。また、WAPPA は Wheelless Aero Palletized Personal Actuator の略であるとする説もある[5]。 むき出しのコックピットの前後にローター(ファン)があり、ローター上面は半球状のカウルで覆われている。コックピット下部の周囲に油圧伸縮式の着陸脚を4本持つ。武装はシートからブームで前面に懸架された機関銃1基。非常に小型であり、狭い場所でも自由に移動できる。 操縦は1本のレバー(先端にスイッチあり)と2つのフット・ペダルによっておこなう(さらにオートバイのように搭乗者の体重移動も利用するともいわれる[6])が、機体制御はほとんど自動化されている。このためオートバイ程度の扱いで操縦が可能とされ[7]、初めてでも数時間の訓練で乗りこなすことができる。前後のローターは電動モーター(初期には小型のジェット・エンジンなどが用いられたといわれる[8])により独立して駆動、個別に制御することにより移動する。このモーターはサイズに比して出力が高いため、短時間であれば数十メートルの高度まで上昇が可能である。またモーター駆動のため静粛性にも優れるとも言われる[9][注 2]。コックピット下部の底面に4つのバッテリー・ケースを装着する[9]。 塗装は、偵察部隊編成当初はコバルト・グレーを基調とし、さらにファンやインテークがイエローの時期もあるが[注 3]、のちにライト・ブラウンやライト・グリーンを基調とした低視認塗装が施されている。 ジオン公国軍の地球侵攻作戦の際、占領地域の拡大による兵員不足を解消するため、本機と少数のザクIIによる機動偵察部隊を編成し、少人数による効率的な哨戒が行われている。
デザイン
設定解説
WAPPA
型式番号PVN.4/3[3]
所属ジオン公国軍
全高2.7m[3]
全長5.5m[3]
全幅2.1m[3]
(ファン直径1.1m[3])
動力源電動モーター×2[3]
武装マズラMG74/S機関銃×1[3]
乗員1名