ワタリガラス
ワタリガラス
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ワタリガラス(渡鴉、学名 Corvus corax)は、スズメ目カラス科に分類される鳥。英名は「コモン・レイヴン (common raven)」あるいは「レイヴン、レーヴァン (raven)」。
「ワタリガラス」という和名の由来は、日本では渡り鳥として北海道で見られることに由来する。オオガラス(大烏)とも呼ばれる。アイヌ語ではオンネパ?ク?(老大なるカラス)と呼ばれる。目次 旧北区(ユーラシア大陸全域)・新北区(北米大陸)に分布する。日本では、北海道にて冬の渡り鳥として例年観察される。 ハシブトガラスよりも一回り大きく、全長60cm。ハシブトガラス同様白色の個体も存在するが、同種のカラスの突然変異色である。 スウェーデン・ルンド大学の研究チームによると、ワタリガラスが目の前にないエサを得るために道具を用意するなど、将来を見越した行動をすることがわかった。チンパンジーなど一部の類人猿にしかできないとみられていた能力で、人間では4歳児以上に相当するとみられる。[2] 英語などの一部の言語では、一般的なカラス(crow)とワタリガラス(raven)を意味する単語が全く違う。カラスが腐肉や人の出した生ゴミを漁る不浄な鳥とされるのに比して、ワタリガラスは善的な象徴とされる傾向がある。 北欧神話ではオーディンの斥候として、フギンとムニンという2羽のワタリガラスが登場する。9世紀からのアイスランドへの入植の歴史を記した植民の書では、最初にアイスランド島に上陸したフローキ・ビリガルズソンは、目指す島の位置を知るために洋上からワタリガラスを放ち、その飛ぶ方角を見て進路を決めたことから、カラスのフローキと呼ばれたと記している。 旧約聖書では大洪水の際、水がひいたかどうか確かめるためにノアの方舟からノアがワタリガラスを放ったという記述がある。 イギリスではチャールズ2世の勅令で、最低6羽のワタリガラスがロンドン塔で飼育されており、「ロンドン塔からワタリガラスがいなくなるとイギリスは滅びる」というジンクスがある。2006年には鳥インフルエンザから保護するためにロンドン塔から一時避難させられた。ロンドン塔の衛兵ヨーマン・ウォーダーズの中には、ワタリガラスの世話をする「レイヴンマスター」という役職がある。 アラスカ州の先住民の中には、ワタリガラスをトーテムとする部族がある。北米太平洋岸北西部の先住民の神話に登場するワタリガラスはトリックスターの属性を持っている。 英語圏ではNFLのボルチモア・レイブンズとオタワのカールトン大学がワタリガラスをマスコットとしているほか、米軍の軍艦や電子戦機の名称や人名として用いられている。
1 分布
2 形態
3 生態
3.1 知能
4 文化
4.1 伝説におけるワタリガラス
4.2 文化的な象徴として
4.3 文学
5 Sibley分類体系上の位置
6 参考文献
分布
形態
生態
知能
文化
伝説におけるワタリガラス
文化的な象徴として
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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