ワイルド・スピード MAX
Fast & Furious
監督ジャスティン・リン
脚本クリス・モーガン
原作キャラクター創造
ゲイリー・スコット・トンプソン
『ワイルド・スピード MAX』(ワイルド・スピード マックス、原題: Fast & Furious)は、2009年公開のアメリカ合衆国の映画。ワイルド・スピードシリーズ第4作で、ストリートレースを題材にしたカーアクション映画。今作のおもな舞台はロサンゼルス、メキシコ、ドミニカ共和国。
1作目の主演コンビであるポール・ウォーカーとヴィン・ディーゼルが復帰。前作までと比較するとレースや車を中心とした演出はやや抑えられており、カーチェイスアクションとしての演出が色濃くなっている。 ロサンゼルスからの逃亡を果たしドミニカを拠点にガソリン運搬車を襲撃する強盗チームのリーダーを務めていたドミニク・トレットであったが、警察の捜査の手は彼にジワジワと伸びてきていた。仲間のガレージが捜索されたことを知ったドミニクは恋人のレティ・オルティスを始めハンらにチームの解散を告げ、特にレティに危害が及ぶことを恐れ黙って彼女の元を去ってしまう。パナマに逃れていたドミニクであったが、妹のミア・トレットからレティが殺されたことを知らされる。レティを見送るためにロスに帰還したドミニクは、レティの死亡現場を訪れ道路に残ったニトロ原料とタイヤ痕をもとに違法改造車を特定し、犯人への復讐を誓うのであった。 一方、ブライアン・オコナーはマイアミでの活躍によってFBI入りを果たし、再びロスで職務を果たす日々を過ごしていた。ある日、アルトゥーロ・ブラガが率いる麻薬密輸組織の捜査を進めていく中で、ドミニクが国境を越えて戻って来たことを知る。ミアとの思わぬ再会もあって複雑な思いを胸に捜査を続ける中、組織の運び屋としてとある違法改造車の存在に辿り着く。車の所有者を追うブライアンだったが、そこで同じ人物に辿り着いていたドミニクと鉢合わせる。しかし、立場の違いから、二人は手を組むこと無く別々に組織の大元を追うことになる。 ある日、ブライアンは逮捕したブラガの運び屋の紹介で、ブラガの右腕であるレイモン・カンポスが主催する運び屋のオーディションを兼ねたストリートレースに潜入する。そこで、同じく組織への潜入を目論みレースに乗り込んだドミニクと再会する。最終的にドミニクとの一騎討ちとなったレースに敗れるブライアンだったが、FBIの権力を利用して他の運び屋を拘留し、代理の運び屋となることに成功。レースに勝利したドミニクと再びタッグを組み、組織の殲滅とレティの復讐を果たすため、ブラガの運び屋として組織に潜入する。 メキシコでの輸送を終えた2人だったが、輸送団を取り仕切るブラガの部下フェニックス・カルデロンの言動を不審に思ったドミニクは、フェニックスに対し運び屋として雇っていたレティを殺したことを追及する。フェニックスは運び屋を輸送を終えるごとに殺害していたのであった。車を爆破し麻薬を積んだ組織の車でその場から逃走したブライアンとドミニクは、車をFBIの押収車輌保管所に隠して身を隠しミアとともに3人で食卓を囲む。団欒の雰囲気の中、ドミニクはブライアンの保持品の中にレティの携帯電話を見つけてしまう。ブライアンがレティを潜入捜査に巻き込んでいたことに激怒したドミニクだったが、ブライアンはレティがドミニクの前科を帳消しにすることを条件に自らFBIに協力し運び屋として組織に潜入していたことを明かす。ドミニクはカンポスに対して、奪った麻薬を引き渡す代わり、ブラガ本人に金銭を持って来させるよう要求する。 ブライアンからドミニクの無罪放免を条件に計画を聞いたFBIが受け渡し場所を取り囲む中、遂にブラガ本人が2人の前に姿を現す。2人はその人物がブラガ本人であることを疑うが、FBIではようやくブラガの指紋認証作業が終了しブラガの正体が判明。その連絡を受けたマイケル・スタジアック警部は人相の確認を待たずに独断で突入を命じる。部隊がブラガを謳う人物の確保に向かう中、人相確認の結果、その人物がブラガではないことばかりか、ブラガの部下を騙っていたカンポスこそがブラガ本人であることが判明。FBI突入の混乱に乗じて逃走するブラガをブライアンは見送ることしかできなかった。 FBIはブラガはもちろんドミニクの確保にも失敗し、ブライアンのチームはその責任を取る形で捜査から外される。ブラガの部下ジゼル・ヤシャールからブラガの居場所を聞き出したドミニクは、彼やミアとの完全なる和解を経たブライアンとともにメキシコへと向かう。教会に忍び込んだ2人はブラガを捕らえて逃走、ブラガの部下たちとのカーチェイスに挑む。麻薬輸送にも使用したトンネルでのチェイスの果て、フェニックスを轢き殺しブラガの捕縛に成功する。 ブラガとともに確保されたドミニクに対して、裁判所はブラガ逮捕における貢献があるにもかかわらず懲役25年の実刑判決を言い渡す。他の受刑者らとともに護送車で刑務所へ送られるドミニクであったが、やがてその護送車をブライアン、ミアらの車が取り囲む。 役名俳優日本語吹き替え
ストーリー
登場人物
ドミニク・トレット(愛称:ドム)
主人公で、超一流の運転技術を持つ凄腕ドライバー。アメリカでトラック強盗犯のリーダーを務めていた過去を持つ。ロスでブライアンに助けられた後各地を転々としており、ドミニカでガソリン輸送車を強奪しては売りさばく日々を送っていた。しかし、警察の捜査の手は迫っており、レティのためにと彼女を置いて姿を眩ませるが、やがてレティ死亡の知らせを受けてアメリカに戻り復讐を誓う。
ブライアン・オコナー(愛称:ブライアン)
もう1人の主人公で、元ロス市警の白人青年。確かな運転技術を持つが、ドミニクからはまだ子供扱いされている。マイアミでの功績によりFBIからのスカウトで警官として復帰。麻薬密売の大物であるブラガを逮捕するために奔走する最中で、ドミニクと5年ぶりの再会を果たすこととなる。FBIでは過去の経緯からいまいち信頼されておらず、窮屈な組織体系に不満を募らせる。
レティ・オルティス(愛称:レティ)
ドミニクの恋人。ドムと共にガソリン輸送車の強奪をしながらも、ドムと一緒に居られることに幸せを感じながら日々を過ごしていた。しかし、彼女の幸せを望むドムは一人で姿を眩ませてしまう。ドミニクが姿を消した後、密かにブライアンに接触し、ドミニクの無罪と引き換えに麻薬密売組織に運び屋として潜入するが殺害されてしまう。
ミア・トレット(愛称:ミア)
ドミニクの妹。事情聴取のために訪れたFBIでブライアンと再会。過去の裏切りからブライアンを必要以上に避けるものの、まだブライアンに対する想いは消えておらず、次第にギクシャクしていたブライアンとドミニクの間を取り持つだけでなく、ブライアンへの想いも再び取り戻していく。
ハン
ドミニカでドミニクと共にガソリン強奪をしていた仲間。いつも何かしらのスナック菓子を食べている。ドミニクに警察の捜査が迫っていると警告を促し、足を洗うことを勧める。
テゴ・レオ
ドミニカでドミニクと共にガソリン強奪をしていた仲間。相棒であるサントスとは常にスペイン語で罵り合っている。
リコ・サントス
ドミニカでドミニクと共にガソリン強奪をしていた仲間。相棒であるレオとは常にスペイン語で罵り合っている。
アルトゥーロ・ブラガ
麻薬密売組織のボス。一切人前に姿を現さない謎の人物。
レイモン・カンポス
麻薬密売組織の一員でブラガの右腕。ブラガに代わって組織の全てを取り仕切る。唯一、ブラガに直接接触出来る人物であるため、ブライアン達FBIが逮捕に躍起になっている。麻薬密輸のために腕のたつ輸送用のドライバーを選別するレースを不定期に開催している。ブライアンの活躍による採取された指紋から、ブラガ本人であることが判明する。
フェニックス・カルデロン
ブラガの部下で、麻薬輸送のドライバー達をまとめる黒人。ドライバーてしての腕も高い。レティを殺した張本人。レティ以外にも輸送が済んだドライバーを使い捨てにしており、仕事が済んだ後はその場で撃ち殺したり、砂漠でのブラガ奪還においては、彼に構わず相手を銃撃したという理由で仲間の車を横転させるなど、冷酷非情な性格。
ジゼル・ヤシャール
ブラガの部下で秘書のような役割を担う。カンポスの代わりにドライバーたちに指示を出す。ドミニクを誘惑したものの、復讐に燃えるドムには通用しなかった。終盤にブラガに見捨てられ殺されそうになるが、ドムに救われたことで助けられた礼に南米に逃げたブラガの情報を提供する。
マイケル・スタジアック捜査官
FBI捜査官。ブライアンと同じチームで捜査に挑んでいるが、ブライアンとは馬が合わず信頼していない。ブラガとの受け渡し現場では、ブラガの人相確認を待たずブライアンの指示を無視して独断で突入を開始し計画の失敗を招いた。
キャスト
劇場公開版テレビ朝日版
ドミニク・トレットヴィン・ディーゼル楠大典大塚明夫