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マコモ(Zizania latifolia、真菰)は、イネ科マコモ属の多年草。別名ハナガツミ[1]。
種子部は穀物として、古代中国[2]:165や日本[3]で食された。可食できる種子を、カツミ、ハナガツミ、マコモノミ、サムコマイとも呼ぶ[3]。
また、黒穂菌(英語版)に感染して菌?で大きくなった芽の葉を何枚か剥ぎとっていくと、中から真っ白なマコモダケ、菰角(こもづの)と呼ばれる食用部が現れる[1][3]。
特徴冬のマコモ
マコモは、東アジアや東南アジアに分布しており、日本では全国に見られる。
水辺に群生し、沼や河川、湖などに生育。成長すると大型になり、人の背くらいになる。花期は夏から秋で、雌花は黄緑色、雄花は紫色。葉脈は平行。
利用調理済みのワイルドライス
種子(ワイルドライス)、肥大した新芽(マコモダケ)が食用とされる(後述)。また、マコモダケが黒く変じたものからは黒い顔料のマコモズミが得られ、お歯黒、眉墨、漢方薬などに用いられたが廃れ、鎌倉彫の古色付けに用いられる[3]。
茎は莚(むしろ)や蓑の材料としても用いられ[3]、「菰」とも呼ばれる。盆棚、精霊棚の上にはマコモで出来た莚(これ自体がマコモと呼ばれる)がござ代わりに敷かれる。
古事記や万葉集にも登場し、神の宿る草とされ神社の「しめ縄」や「茅の輪」の材料とされた[4]。
出雲大社では毎年6月に「マコモの神事」が行われる。「出雲の森」から、御手洗井までの道中に清い砂を敷き、その上にマコモが置かれ、宮司はその上を歩いて参進する。宮司が踏んだマコモは御神威が宿るとされ、参拝者は持ち帰って神棚に飾ったり、浴槽に入れたりする[5]。また、出雲大社の神幸祭でもマコモを用いる。マコモを藁苞(わらづと)のように加工した苞(しぼ)という物を神職が手にして神幸を斎行する[6]。健康法でマコモを用いるものが以前からあったが、疑似科学の範疇に入るものも散見される。
マコモダケマコモダケ
中国東部から東南アジアに広く分布しているマコモの1系統のヒロハマコモで、黒穂菌(英語版)(くろぼきん)の一種Ustilago esculenta(英語版)に寄生されて肥大した新芽はマコモダケ(真菰筍、?白。マコモタケとも[7]。中国ではジャオパイ[3])とよばれる食材である[8]。古くは『万葉集』に登場する。中国、台湾、ベトナム、タイ、ラオス、カンボジアなどのアジア各国でも食用や薬用とされる。台湾では「?白」が標準的な呼び方であるが、中部の南投県埔里鎮周辺が特産地とされ、色白の女性の足に見立てた「美人腿」(メイレントゥイ)の愛称で出荷されている。
香港を含む広東語使用地域では「?筍」(カーウソン)と呼び、炒め物やスープの具などに用いることが多い。
たけのこを優しくしたような適度の食感と、ほのかな甘味、ヤングコーンのような香りがある。