ワイヤレス電力伝送
[Wikipedia|▼Menu]
スマートフォンへの非接触電力伝送

ワイヤレス電力伝送(ワイヤレスでんりょくでんそう、: contactless power transmission、: wireless power transfer)は、コードレス電話電気シェーバー電動歯ブラシなどに使用されており、金属接点やコネクタなどを介さずに電力を伝送すること、およびその技術である。ワイヤレス給電、ワイヤレス充電、非接触電力伝送などとも呼ばれる。二次電池を内蔵した機器に電力を送る場合、非接触充電(inductive charging)などと呼ばれる。

このうち電磁誘導を利用した技術は電磁気学相互誘導作用を基本としながら、これに高度共振(: highly resonant)の概念を導入している。
目次

1 歴史

2 原理

2.1 二つの磁界共振方式

2.2 放射型に分類される方式


3 問題点

3.1 用語問題


4 大電力用途への実用化に向けた動き

5 実用例

6 脚注

7 参考文献

8 関連項目

9 外部リンク

歴史 ニコラ・テスラが無線送電の実験に使用したウォーデンクリフ・タワー

この節の加筆が望まれています。

構想は20世紀初頭にニコラ・テスラが考案したテスラコイルを用いて世界システムと呼ばれる電力を送る構想があった。これは電離層の反射を利用するというものであり、今で言うならばシューマン共鳴を利用しようとしたものであると考えられるが、当時はまだシューマン共鳴は発見されておらず、また実験している周波数が高過ぎたことにより失敗した。その後、いろいろな研究が進められ、現在では放射エネルギー(マイクロ波)を利用した発電衛星の研究が行なわれている。

非放射のエネルギーである磁場を利用したものを列挙すると、

1891年にBarton R. Shoverにより電車の誘導集電(Electric Railway)として実用化の試みがあった。[1]

1974年にはアメリカの発明家ジョン・ジョージ・ボルガーにより電気自動車への給電の試みが行われていた[2][3]

1979年にジョン・ジョージ・ボルガーはスイッチト・キャパシタ方式による電気自動車の電力制御に関する発明を行っている[4]

1989年にWiTricityの磁界共振と全く同じ原理の回路がエイト電子より出願[5]されており、同原理をもとに現在はモバイルFeliCaを筆頭に、いろいろな方式が実現されている。いずれも伝送エネルギーは低いものである。

1993年にオークランド大学のジョン・ボーイズらの理論に基づく世界初の非接触給電搬送システム[6]が株式会社ダイフクによって実現された。

1994年に村田製作所の開発者が『磁界共鳴技術』を発表した[7][8]

2006年11月マサチューセッツ工科大学 (MIT)のマリン・ソーリャチッチが「WiTricity」という結合モード理論に基づく磁界共振技術の実用化の可能性を発表した[9]

2010年7月にはWireless Power Consortium (WPC) によって国際標準規格『Qi』が策定された。5W以下のモバイル端末向けの規格ではあるが国際規格の策定により2011年以降の普及が見込まれており[10]、今後ノートパソコン等を対象とした最大120Wまでの規格策定も行われる[10]
原理 ワイヤレス給電の方式

非接触での電力供給を可能にする技術としては2017年現在で6種類方式があり、大きく分けると放射型と非放射型とに分かれる。非放射型のうちで電磁誘導を用いた「電磁誘導方式」、電磁誘導方式の改良であって、コイルが共振する際に生じる磁界の調相現象を利用した「磁界共振方式」が有力視されている[11]。また、放射型としては電力を電磁波に変換しアンテナを介して送受信する「マイクロ波方式」は遠方に届く方式として研究が進められている。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:60 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef