ローパスフィルター
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理想的なフィルタ回路の周波数特性
(実際にはこのような周波数特性は取れない)

ローパスフィルタ(英語: Low-pass filter: LPF、低域通過濾波器)とは、フィルタの一種で、なんらかの信号のうち、遮断周波数より低い周波数の成分はほとんど減衰させず、遮断周波数より高い周波数の成分を逓減させるフィルタである。ハイカットフィルタ等と呼ぶ場合もある。電気回路電子回路では、フィルタ回路の一種である。

ローパスフィルタはハイパスフィルタと対称の関係にある。こういったフィルタには他にバンドパスフィルタバンドストップフィルタがある。
目次

1 伝達関数

2 回路例

2.1 CとRを用いた回路

2.2 オペアンプを用いた回路

2.3 LCローパスフィルタ


3 画像処理

4 光学

5 脚注・参考文献

6 関連項目

伝達関数

連続時間のフィルタは、入出力の利得と位相の特性をラプラス変換を使用して伝達関数で表すことができる。伝達関数は通常有理関数であり、分母の次数が分子の次数よりも大きい。分母がn次であるとき、n次ローパスフィルタという。

1次ローパスフィルタの伝達関数は、

H ( s ) = V o u t V i n = K 1 1 + s τ {\displaystyle H(s)={\frac {V_{out}}{V_{in}}}=K{\frac {1}{1+s\tau }}}

となる。ここで、 s = j ω {\displaystyle s=j\omega } はラプラス変換の変数であり、τはフィルタの時定数、Kは通過域での利得である。このとき、遮断角周波数ωc(rad/s)は、 ω c = 1 τ {\displaystyle \omega _{\text{c}}={\frac {1}{\tau }}} となる。
回路例
CとRを用いた回路 コンデンサと抵抗器によるローパスフィルタ詳細は「RC回路」を参照

最も簡単なローパスフィルタは、入力信号に並列するコンデンサと入力信号と直列する抵抗器から成る1次ローパスフィルタである。抵抗値と容量値の積(R×C)は時定数(τ)といい、遮断周波数に逆比例する、またこのときの出力電圧は入力電圧の 1 2 {\displaystyle {\frac {1}{\sqrt {2}}}} になる(?3dB)。

f c = 1 2 π τ = 1 2 π R C {\displaystyle f_{c}={1 \over 2\pi \tau }={1 \over 2\pi RC}}

ここで、fcは遮断周波数[Hz]、τは時定数[s]、Rは抵抗値[Ω]、Cは容量値[F]。

入力電圧と出力電圧の利得と位相の関係について、入力電圧値を|Vin|[V]、出力電圧値を|Vout|[V]、角周波数をω[rad](=2πf)、並列キャパシタ容量値をC[F]、直列抵抗値をR[Ω]とした場合、電圧利得の周波数特性は

。 V o u t 。 。 V i n 。 = 1 1 + ( ω R C ) 2 {\displaystyle {\frac {|V_{out}|}{|V_{in}|}}={\frac {1}{\sqrt {1+\left(\omega RC\right)^{2}}}}}

となる。ただし、 20 log ⁡ 。 V o u t 。 。 V i n 。 {\displaystyle 20\log {\frac {|V_{out}|}{|V_{in}|}}} [dB]として表すのが一般的である。また、位相のずれの周波数特性は

θ = − tan − 1 ⁡ ( ω R C ) {\displaystyle \theta =-\tan ^{-1}\left(\omega RC\right)}

となる。なお、この場合、θの単位は[rad](ラジアン)である。
オペアンプを用いた回路 オペアンプによるローパスフィルタ

オペアンプを用いて、アクティブローパスフィルタを構成することが可能である。右図の回路は1次アクティブ・ローパスフィルタであり、遮断周波数Hz)は、


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