ローゼンメイデン
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ローゼンメイデン
ジャンル
青年漫画ファンタジー
アンティークドールバトル
漫画:Rozen Maiden
作者PEACH-PIT
出版社幻冬舎コミックス(初版)、集英社(新装版)
掲載誌月刊コミックバーズ
発表号2002年9月号 - 2007年7月号
発表期間2002年8月12日 - 2007年5月30日
巻数全8巻(初版、絶版)
全7巻(新装版)
話数43(Phase)
漫画:ローゼンメイデン
作者PEACH-PIT
出版社集英社
掲載誌週刊ヤングジャンプ
レーベルヤングジャンプ・コミックス
発表号2008年20号 - 2014年8号
発表期間2008年4月17日 - 2014年1月23日
巻数全10巻
話数66(TALE)
漫画:ローゼンメイデン0 -ゼロ-
作者PEACH-PIT
出版社集英社
掲載誌ウルトラジャンプ
レーベルヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ
発表号2016年3月号 - 2019年4月号
発表期間2016年2月19日 - 2019年3月19日
巻数全4巻
話数24(階)
アニメ:ローゼンメイデン(第1期)
ローゼンメイデン トロイメント(第2期)
ローゼンメイデン オーベルテューレ(特別編)
原作PEACH-PIT
監督松尾衡
シリーズ構成花田十輝
キャラクターデザイン石井久美
音楽光宗信吉
アニメーション制作ノーマッド
製作薔薇乙女製作委員会、TBSテレビ
放送局放送局参照
放送期間第1期:2004年10月7日 - 12月23日
第2期:2005年10月20日 - 2006年1月26日
特別編:2006年12月23日・12月24日
話数第1期:全12話 / 第2期:全12話
特別編:全2話
アニメ:ローゼンメイデン
原作PEACH-PIT
監督畠山守
シリーズ構成望月智充
キャラクターデザイン坂井久太
音楽光宗信吉
アニメーション制作スタジオディーン
製作ローゼンメイデン製作委員会、TBSテレビ
放送局放送局参照
放送期間2013年7月4日 - 9月26日
話数全13話

ゲーム

テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメゲーム
ポータル漫画アニメゲーム

『ローゼンメイデン』 (Rozen Maiden) は、PEACH-PITによる日本漫画

『Rozen Maiden』のタイトルで『月刊コミックバーズ』(幻冬舎コミックス)にて2002年9月号から2007年7月号まで連載された(1部)。

移籍・タイトルを変更して、『ローゼンメイデン』が『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて2008年20号から2014年8号まで月1回で連載された(2・3部)。旧バーズ版(新装版)とYJ版は、完結後に1・2・3部と正式に部分けされた[1]。全111話[注 1]

その後、新シリーズ『ローゼンメイデン0 -ゼロ-』が『ウルトラジャンプ』(同社刊)にて2016年3月号から2019年4月号まで連載された。

メディア展開としては、まず2004年6月にドラマCD化、続いて2004年秋と2005年秋にテレビアニメ化し、関連商品が数多く販売された。2013年には設定を一新して2部を新アニメ化。また各キャラクターのドール商品も作られている。2013年の新アニメ以降は、メディア展開はほぼ全て新アニメ基準のものに一新されている。
作品概要

コンセプトは「アンティークドールの戦い」。

少女漫画のような作風や美しいドールの衣装から、女性からの人気も高い。画風に関しても、虹彩の細かな書き込みや背景に花を描いたりなど、従来の少女漫画に近い。メディアなどでローゼンメイデンの衣装と作風はゴシックロリータだと形容されることがある[注 2]

系統的には人造人間譚と言えるべき物でもあり、アンドロイド登場作品に共通するテーマを内包している。作中にアンドロイドの言はないが薔薇乙女をアンドロイドと考えた場合、「アリスを造る」ではなく、アンドロイドである薔薇乙女自身が、当初から強い自己意識と独立心を持ち、自らの意思で「究極の少女であるアリスを目指す」という女性主観的な要素が強調されている。また、主人公の桜田ジュンが過去のしがらみに囚われた薔薇乙女と関わり、彼女たちの確執を解消していく中で自身も成長していく物語でもある。

タイトルの由来は、響きから決めた。続いて設定を詰める段階になって、「Rosen」(:薔薇)と「Maiden」(:乙女)は言語が異なっていたことから、「製作者名がRozenさん」ということにして統一した[2]

1998年頃に話題になり始めたゴスロリファッションと、2000年12月に創刊された『ゴシック&ロリータバイブル』1号が直接のきっかけ。ゴスロリ服の少女が戦う漫画を構想し[2]、さらに「人形」の要素も加えようと考えたところで、恋月姫人形の写真集に出会い強力なインスピレーションを得たのだという[3]。ローゼンメイデンがゴスロリかは諸説あるが、ローゼンメイデンの元ネタは明確にゴスロリである。

バーズ版は事情により連載が終了し、「1部」という位置づけとなる。2007年4月28日に「コミックバーズ」の公式サイトで、2007年5月30日発売の7月号をもって連載終了と発表され、最終回が掲載された。2007年6月24日のPEACH-PITの公式ブログにて千道万里が、それまで当作品に関するコメントを差し控え、ファンに不安と心配を掛けていたことの謝罪と今までの応援を感謝するコメントが発表されたが、以後については「(ファンに対しては)何らかの形で必ず恩返しする」と記載したのみであった。2008年3月発売の『週刊ヤングジャンプ』16号にて(タイトルを伏せて)連載告知イラストーリーを掲載、翌17号において新連載が告知され、20号より月1回のペースで連載された。幻冬舎バーズ版の内容も、集英社から新装版として再刊された。
あらすじ

漫画は3部構成。現代(21世紀)で7人のローゼンメイデン全員が目覚め、アリスゲームが行われる。第7ドールが全ドールとマスターを窮地に追い込む。

1部『Rozen Maiden』:まいた世界編・バーズ版。序章+Phase1-43。

2部『ローゼンメイデン』:まかなかった世界編・YJ版1-4巻。TALE1-25。新アニメ版。

3部『ローゼンメイデン』:2つの世界編・YJ版5-10巻。TALE26-FINAL(66)。

大正編では、アリスゲームが行われない。第ゼロドールの夢が東京を侵食し、崩壊を防ぐべく、庭師双子が夢の謎に挑む。

『ローゼンメイデン0-ゼロ-』<
大正浪漫×薔薇乙女>:大正編・UJ版。第1階-最終階(24)。

初期アニメ版は2期構成。1部と同じ導入でアリスゲームが行われるが、漫画とは異なる展開となる。新アニメ版は設定を一新して2部をアニメ化。

1期『ローゼンメイデン』:12話。ドールが5人登場する。

2期『ローゼンメイデントロイメント』:12話。ドールが7人登場するが、第7ドールが漫画と異なる。

特別編『ローゼンメイデンオーベルテューレ』:2話。

新アニメ版(海外タイトル:Zuruckspulen):13話。

パラレルワールドの2つの世界「まいた世界」「まかなかった世界」で、2人の桜田ジュンが登場する。「まいた世界」の彼をジュン、「まかなかった世界」の彼を大ジュンと表記して区別する。またアリスゲームの性質上、ドール7人でローザミスティカ7個を配分するため、番号をつけて説明する(ボディや人工精霊も同様とする)。
Rozen Maiden(1部)
導入(序章+Phase1-9)
引きこもりの日々を過ごす中学生の少年・桜田ジュンのもとに、怪しげなダイレクトメールが届く。書かれていた「まきますか まきませんか」の問いに、ジュンは軽い気持ちで「まきます」と選ぶ。すると翌日、重厚な革製の鞄が届く。鞄を開けると、中にはまるで生きているかのように精巧に作られたアンティークドール(少女人形)が収まっていた。ねじを巻くと人形は目覚めて動き喋り出し、「ローゼンメイデン第5ドール・真紅」を名乗る。ジュンの指には指輪が現れており、真紅と契約して下僕(しもべ・マスター)となった証だという。続いて、第1ドール水銀燈の襲撃を受け、ジュンは真紅からアリスゲームについて教わる。第6ドール雛苺は、加減ができずにマスターの柏葉巴から力を吸収しすぎて、彼女を殺しかけてしまう。雛苺は巴の命を助けるために、自ら指輪の契約を破棄し、アリスゲームを棄権する。真紅は雛苺に「ローザミスティカを真紅に渡してただの人形になるか、真紅の下僕になるか」の2択を問う。雛苺は後者を選び、桜田家の居候となる。
夢庭師の双子(Phase9-21)
第3ドール翠星石が、真紅に助けを求めてやって来る。双子の妹である第4ドール蒼星石が、悪い人間と契約してしまったのだという。双子は対で完成する「夢庭師」である。蒼星石はマスターを優先し、翠星石との対話を拒否する。真紅は水銀燈と再び対峙するも、ジャンク呼ばわりされた水銀燈は激高し、真紅の右腕をもぎとる。逆境のジュンは翠星石と契約(二重契約)し、水銀燈を撤退に追い込む。ジュンと翠星石は、「無意識の海」に赴いて、真紅のもぎとられた右腕を回収してくるが、鳥籠に納められており取り出せない。蒼星石のマスターは、「薔薇屋敷」に住まう結菱老人。戦いの舞台は、彼の夢の中。結菱は復讐のため、ある女性の「心の樹」を、夢庭師の力で殺してしまいたい。蒼星石は樹を切ろうとし、翠星石は樹を守ろうとする。翠星石vs蒼星石のアリスゲームが開幕する。第4ドール主従の共鳴した望みとは、双子の半身ではない自分自身になること。戦いの中で、結菱は記憶を取り戻し、自分の本当の望みに気づく。蒼星石は主の心を解き放つべく、彼の「心の影」を打ち壊すが、力尽きる。そしてローザミスティカ4を翠星石に差し出すが、そこを水銀燈に横取りされる。パワーアップした水銀燈は、そのまま全員を倒してしまおうとする。彼女の蛮行に、ジュンが勇気で抗うと、鳥籠が開き、右腕が真紅に戻る。真紅は絆の力として、右腕で水銀燈の顔を殴る。水銀燈は撤退、蒼星石はリタイヤ、ジュンたちは薔薇屋敷から帰還する。
ドールズの日常(Phase22-31)
第2ドール金糸雀が登場、桜田家をこっそりと付け狙うも、ドジで失敗するというコメディ。水銀燈はローザミスティカ4を奪って力を得たが、大きな副作用に苦しむ。傷がうまく癒えず、翼が肥大化したせいで鞄で眠ることができない。人目を避けて廃礼拝堂に潜みつつ、彼女はねじを巻いた人物との出会いを回想する。それは柿崎めぐという、心臓に病を抱えた少女。水銀燈が「私は契約しなくても力を奪えるし、契約すれば根こそぎ力を奪える、死んじゃっても関係ない」と脅しても、逆に喜ぶという、常識の通じないイカれた子。さらに真紅からは、先の戦いで水銀燈をジャンク呼ばわりしたことを謝られるという、想定外の話をされて困惑する。廃礼拝堂が取り壊されたことで、水銀燈は寝床を失い、鞄を抱えたまま森の中で倒れる。桜田家を梅岡先生が来訪する。彼の善意が裏目に出て、ジュンは心をえぐられ、深い眠りに落ちる。ジュンは夢の中で蒼星石の魂に会い、さらに自分は幼少時にローゼンと出会っていたという記憶を思い出す。夢のジュンは、夢の水銀燈と邂逅する。彼女は泣きながら、ジュンをお父様と誤認して抱き着いてくる。「無意識の海」の記憶の濁流に、ジュンと水銀燈は流される。ジュンは真紅の声で目覚める。めぐは水銀燈を病室に匿う。彼彼女たちを、夢や鏡の中から監視する、未知の白いドールの姿があった。
白薔薇の謀略(Phase32-43)
第7ドール雪華綺晶――実体を持たない幻のドールが、nのフィールドから現実世界のドールズを侵略すべく準備を進める。真紅は、数々の情報から、第7ドールが目覚めていることを確信する。雛苺が姿を消して、第7ドールの罠に落ち、ボディを奪い取られる。ローザミスティカ6と人工精霊6は真紅へと託される。真紅は、雛苺のリタイヤをジュンに伏せる。水銀燈は、めぐの命を危険にさらす契約を、本当にすべきか、葛藤する。そんなとき、第7ドール雪華綺晶が、ボディ6を用いて、鏡の中からめぐの病室に出現する。長女は末妹を煽るも、末妹は動じず、逆に取引を持ち掛ける。「私のローザミスティカ7を差し上げる。全姉妹のローザミスティカも差し上げる。代わりにめぐをください」。雪華綺晶が去った後、水銀燈はめぐと指輪の契約を結ぶ。桜田家を、金糸雀のマスターであるみっちゃんが来訪し、ジュンの裁縫の才能を評価する。ジュンは復学を目指して努力を始める。真紅は、ジュン自身の戦いをしている彼を、ドールズの争いに巻き込みたくないと考える。巴はジュンに協力するも、彼を「自分のことだけで身近な人たちのことが見えなくなっている」と責める。翠星石が結菱邸を訪れると、蒼星石のボディが消えており、結菱老人が昏睡状態に陥っていた。真紅と翠星石は、白薔薇はマスターを標的にするということを理解し、ジュンから離れてはならないと結論する。だが雪華綺晶は、彼女らを出し抜く。雛苺のボディ6で、水銀燈の隙を狙ってめぐを鏡の中に引きずり込む。蒼星石のボディ4を操り、翠星石を罠にかける。さらに真紅をも捕まえる。拘束された真紅は、ジュンを守るために、指輪の契約を解除する。人工精霊5・6は、真紅から離れて救援を呼びに行く。人工精霊6は金糸雀と合流して桜田家のジュンのもとへ。ジュンが目覚めたとき、契約の指輪が消えていた。ジュンは雛苺の死と、ドールズのピンチを知らされ、彼女たちを助けに行くことを決意する。ラプラスの魔は、ジュンの前に扉を出現させて問う。「開けますか?開けませんか?」ジュンは扉を開ける。
ローゼンメイデン(2部)
1部-2部幕間
nのフィールド入りしたジュンの目的は、真紅を救って再び契約を結ぶこと。だが逆に雪華綺晶に狙われてもいるため、金糸雀のサポートのもと、謎の空間に隠れる。自由な身動きはできないものの、幸いにもパソコンが使える。ジュンはラプラスの魔の手引きで、真紅を救援すべく、「まかなかった世界」の自分に『少女のつくり方』を郵送し、アクセスを試みる。真紅のボディは囚われたままである。人工精霊5がローザミスティカ5を「まかなかった世界」に送り、人工精霊6とローザミスティカ6がオリジナルのボディを守る。攫われためぐを探す水銀燈もまた、イレギュラーな扉から「まかなかった世界」に転移する。
少女のつくり方(TALE1-7)
「まきません」を選んだ桜田ジュンは、後に外に出ることを決意した。高校に行かず
大検に合格してアパートで一人暮らしを始めたが、大学の学生達とは馴染めず、アルバイト先でも店長から嫌がらせを受け、自分の居場所を感じられない日々。「時間を戻してやり直せたらよいのに」。そんな折に、彼は『少女のつくり方』という雑誌と出会う。パーツ付きの分冊雑誌が、自分の部屋に勝手に郵送されてくるという不可思議な状況であったが、人形作りに夢中になる。そして完成間近で、中学時代の自分から助けを求めるメールが届く。組立てたボディは真紅のレプリカで、まだ頭部が届いていない。大ジュンは夢で真紅の頭部を入手して、ゼンマイを巻いて彼女を動かす。真紅は彼を仮下僕とする。レプリカ真紅に許された時間は限られている。時が来ればレプリカは崩れ去り、真紅はアリスゲームを脱落することになるだろう。水銀燈もやって来て、大ジュンの部屋で真紅とケンカを始める。大ジュンは斉藤さんの劇団を手伝う。大ジュンは「人生をやり直したい」と思っており、「ジュン(過去の自分)を助けることに成功すれば、過去が変わって自分の周りの世界が一変するだろう」と望みを抱く。だが真紅から、そんなことはないと否定される。また大ジュンは、真紅に必要なのはジュンであって大ジュンではないのだと、諦念する。どうして自分のドールがいないのかと思った頃、『新・少女のつくり方』と、新たなメールが送られてくる。大ジュンは誘惑にかられ、真紅に隠れて2人目のドールを組み立てる。雪華綺晶の罠に、水銀燈は勘付く。
どの乙女を選びますか?(TALE8-17)
真紅のレプリカボディの限界日は、斉藤さんの劇団の公演日であった。真紅の狙いは、nのフィールドに扉が繋がる瞬間。真紅は舞台用の小道具になりかわって演壇に上がる。水銀燈は雪華綺晶をおびきよせるために、客席に大ジュンが隠れて作っていたドールのボディを持ち込む。そして舞台公演が始まる。舞台道具の大時計が動き出し、大ジュンとドールズ以外の時間が止まる。雪華綺晶が、蒼星石のボディ4を依代に実体化を果たし、「初めまして、マスター」と挨拶する。3ドールの戦いの余波で、舞台は時間が止まったまま、メチャクチャに壊されてしまう。続いて翠星石が乱入。翠星石は、蒼星石のボディ4を攻撃しないでほしいと言い、事態はさらにややこしくなる。どうすれば打破できるか、大ジュンは真紅に「僕に契約させてくれ」と頼む。4ドールが対峙している現状では、大ジュンと契約できた者が優位性を確立できる。紅銀翠雪「どの乙女を選びますか?」雪華綺晶は「貴方の望むままに世界を作り変えてあげましょう」と誘惑する。大ジュンは真紅を選ぼうとするが、雪華綺晶は横取りを迫る。この賭けは、翠星石の奇策が成功する。大ジュンが契約したのは、翠星石が持ってきた、蒼星石の指輪4。契約に反応し、蒼星石のボディ4は雪華綺晶のローザミスティカ7を反発してはじき出す。また水銀燈の体内のローザミスティカ4も反応を起こし、水銀燈もダメージを受ける。だが「存在しないはずの薔薇乙女と、契約までした」度を超えたイレギュラーに、大ジュンと薔薇乙女達は全員「まかなかった世界」から追放される。大ジュンが放り出された「第0世界」にいたのは、中学生の自分と金糸雀。まいたジュンと、まかなかったジュンの、2人のジュンが邂逅を果たす。大ジュンはジュンと対話することで、自らの蒙を啓く。大ジュンが精神的成長を果たしたことで、暗闇の第0世界は砕け、白く明るい空間に変わる。2人のジュンは、自分のやるべきことをやるために、別れる。
元の世界に戻るには(TALE18-25)
ダメージを受けた雪華綺晶は、自分のフィールドに姉たちを引き込み足止めする。翠星石が自らのローザミスティカ3を、蒼星石に与え、妹を蘇らせて自分は物言わぬ人形になる。そこに金糸雀と大ジュンが合流する。皆が元の世界に戻る条件は「止まった時間に戻る」こと。蘇った蒼星石は大ジュンをマスターと呼ぶ。鍵となるのは舞台の大時計であり、止まっている大時計を動かせば、元の世界に戻れるはずである。「双子」なら、それができる。蒼星石は水銀燈に取引を持ち掛ける。水銀燈はローザミスティカ4を蒼星石に一時返却し、蒼星石はローザミスティカ3を翠星石に返却する。大ジュンが双子に命令する願いは、舞台を元通りにすること。木製の大時計に、如雨露で樹木が宿り、蔓を鋏で剪定すると、振り子が動き出す。雪華綺晶は悪あがきを図るが、大ジュンは雪華綺晶を拒絶する。選ばれなかった雪華綺晶は、絶望して逃げ去る。双子のガーデニングは完成し、時計は動いた。それゆえに、時間を動かしてしまったことで、真紅のタイムリミットが来てしまい、レプリカボディが崩壊する。真紅の生首を抱え、大ジュンは後悔の涙を流す。そこにジュンが本物の真紅のボディを持って駆けつける。大ジュンが頭部と胴体をつなぎ、ローザミスティカを入れ、「まかず」、ゼンマイを託されたジュンが「まき」、真紅が目を覚ます。大時計から伸びた2本の枝が「まいた世界」「まかなかった世界」に繋がるという。大ジュンは、蒼星石との契約指輪をジュンへと譲渡する。皆と別れ、大ジュンはただ一人で「まかなかった世界」への道を行く。彼の手元には、「薔薇のゼンマイ」と、紅ではなく「白の人形」が残された。変わり映えしない日常も、目を凝らせば、新たな未来への選択肢だらけである。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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