ロンバルド語
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、南スイス及び北イタリアで話されているロマンス諸語に属する方言群について説明しています。ロンバルド人(ランゴバルド人)が使用した西ゲルマン語群高地ドイツ語に属する言語(6世紀に消滅)については「ランゴバルド語(英語版)」をご覧ください。

ロンバルド語

lombardo、lumbard、lumbaart
話される国 イタリア
スイス
地域ティチーノ州グラウビュンデン州ロンバルディア州
話者数?400万人
言語系統インド・ヨーロッパ語族

イタリック語派

ロマンス語

西イタロ語

西部

ガロ・イベリア語

ガロ・ロマンス語

ガロ・イタリア語

ロンバルド語








表記体系ラテン文字
言語コード
ISO 639-2roa
ISO 639-3lmo
消滅危険度評価
Definitely endangered (Moseley 2010)
テンプレートを表示

ロンバルド語(ロンバルドご、lombardo、lumbard、lumbaart)は、南スイスティチーノ州グラウビュンデン州)及び、北イタリアロンバルディア州のほとんど)で話されている方言群に対して付けられている呼び名である。ロンバルディア語とも。

この地域はかつてケルト人の住んだガリア・キサルピナであり、ロンバルド語はガリアの地のイタリア語と言うことでガロ・イタリア語に分類される。ロンバルド語は、西ロマンス語のひとつであって、フランス語に近く、東ロマンス語であるロマンシュ語イタリア語(トスカーナ語)とは地理的に近いにもかかわらず言語的にはやや遠い。ロンバルド語の地域では、書き言葉としては主にイタリア語が使われている一方で、ロンバルド語とイタリア語は本質的に意思の疎通が困難である。
概説LSI(Lessico dialettale della Svizzera italiana) は、2004年にスイスで出版された辞書[1][2][3][4]

ロマンス語では珍しい特徴としては、西ロンバルド語には母音の長短の対立があるということである。たとえば、paas [pa?s](IPA) '平和' に対し pass [pas] 'ステップ'、 ciapaa [?a?pa?] '取った' に対し ciapa [?a?pa] '取る'のように。

また、英語ドイツ語などゲルマン系の語のように、動詞句が多いということが特徴としてあげられる。たとえば、tra '引く' の語を使って、tra via '捨てる'、tra su '吐く'、tra fo(ra) '除く' のように。また、 mangia '食べる' の語を使って、 mangia fo(ra) '浪費する' のように。

イタリア国内では、しばしばロンバルド語地域でこの言葉を使うことがあまりよいと思われていないが、スイス国内では全般的にはそうではない。従って、ロンバルド語の方言群は、スイス国内の方がよく保存されているし、活発である。いくつかのラジオ、テレビ番組が、スイスのイタリア語放送局[5][6]から時折放送される。ロンバルト語の方言に関する主要な研究所である方言学・民族誌センター(イタリア語版) (Centro di dialettologia e di etnografia; CDE) は、スイスのベッリンツォーナにある。イタリア国内には同様の施設はない。CDEは、2004年12月にLSI(Lessico dialettale della Svizzera italiana)という5巻から成る辞書を発刊した[1][2][3][4]。これは、スイス国内で話されるすべての方言群を網羅している。これは、これまで発行された中でもっとも総括的なロンバルド語の調査である。4500ページ以上にわたり、約5万7000の語彙を収録し、19万の方言に対応している。

しばしば「ロンバルド」の語は、まだ実際には存在していない共通語を指して使われる。しかし、しばしばロンバルド語の方言間で、たがいに通じ合わないことがあるということに目を向けなければならない。

一般に、西ロンバルド語と、東ロンバルド語の2つの方言群に大きく分けられる。スイス国内では西ロンバルド語が、イタリアでは東西のロンバルド語が話される。ロンバルド語の諸言語群の中で、もっとも古い文献は、ミラノのものであり、13世紀の日付にさかのぼる。ミラノには、現在その地域の固有のロンバルド語の方言であるミラノ語(ロンバルド語版、イタリア語版、英語版)があるのだが、ほとんど完全にイタリア語に置き換えられてしまった。ティチーノ語は、スイスのティチーノ州で話される方言群に広く用いられる名称である。「ティチーノ・コイネー」は、西ロンバルド語のコイネー(地域共通語)で、地域の方言の話者が、ティチーノ州やグラウビュンデン州やイタリアのロンバルディア州など、他のロンバルド語の方言の話者とコミュニケートする時に使われる。

言語コードは、ISO 639-1では規定されておらず、ISO 639-2では「roa」、ISO/DIS 639-3、SILでは「lmo」である。エスノローグの統計では話者数は約900万とされているが、統計の方法に疑問が持たれている。実数としてはイタリア国立統計研究所(ISTAT)の約400万という数字の方が現実的だとされている。
脚注[脚注の使い方]^ a bLessico dialettale della Svizzera italiana - CDE (DECS) - Repubblica e Cantone Ticino(イタリア語)
^ a b “CDE - Centro di dialettologia e di etnografia del Cantone Ticino”. 2007年12月12日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2005年12月20日閲覧。(イタリア語)
^ a b it:Lessico_dialettale_della_Svizzera_italiana
^ a b lmo:Lessico_dialettale_della_Svizzera_italiana
^RSI Radiotelevisione svizzera(イタリア語)
^ “RTSI - Radiotelevisione svizzera di lingua italiana”. 2005年10月18日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2005年10月16日閲覧。(イタリア語)

関連項目

エミリア・ロマーニャ語

ラ・スペツィア=リミニ線

リグリア語

ロンバルディア州

ピエモンテ語

ヴェネト語

ティチーノ語

外部リンク.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ロンバルド語版ウィキペディアがあります。

Ethnologue report for language code lmo (英語) - エスノローグ


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:23 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef