LIBOR (ライボー、London Interbank Offered Rate) とは、ロンドンにおいてインターバンク取引で資金の出し手から提示される金利のことで、ロンドン銀行間取引金利とも呼ばれる。多くのユーロ債における参照金利として用いられる。 一般的には、指定された複数の有力銀行(※リファレンスバンクまたはパネル行と呼ばれる[1])から報告された毎営業日11:00時点のレートを指す。この集計・発表はかつては英国銀行協会
目次
1 概要
1.1 仕組み
1.2 一つの指標として
1.3 沿革等
1.4 不正操作と2021年に予定される事実上の消滅
2 不正操作
2.1 欧米当局の猛攻
2.2 受身をとる英国と関係者
3 種類
3.1 通貨
3.2 期間
4 出典
5 関連
概要
仕組み
資金調達コストの基準として用いられ、特に6か月物は短期金利の指標として使われることが多い。調達コストの割高/割安もLIBORとの比較で表現されることが多い。例えば、LIBORと同水準で社債等が発行された場合には「LIBORフラット(ライボー・フラット)」或いは単に「Lフラット(エル・フラット)」と表現される。また、特に信用力の高い企業では、LIBORよりも低い水準で資金調達を行なうことができ、その場合「サブLIBOR(サブ・ライボー)」と云われる。 LIBOR はいわゆるセカンダリー・バンキングの資金調達に使われていたが[3]、当時のギリシア人銀行家ミノス(Minos Zombanakis)による考案といわれる[4]。ユーロ債への適用例としては、1970年のエネル債と1984年のナショナル・ウエストミンスター債が知られている[5]。1990年代、香港および東京市場は金融危機の時期を除いてLIBOR に同調した[6]。危機のときでさえSIBORは、リスク・プレミアムにあえぐ周辺の東南アジア各市場と異なって、LIBORをなぞるように動いていた[6]。 2010年代前半に、リファレンスバンクの一部による、不正なLIBORの値の操作が行われたのではないかという疑惑が持ち上がり、2012年に顕在化[1]。公的機関による処分等がなされた。
沿革等
不正操作と2021年に予定される事実上の消滅不正操作について詳細は記事内 #不正操作 を参照
LIBORの事実上の消滅による金融業界への影響は大きく、例えば日本では、円LIBORの事実上の消滅にあたって生じる課題等の検討を行うため、日本銀行が事務局を務める「日本円金利指標に関する検討委員会」(→日本銀行ウェブサイト)が2018年8月に設立され[8]、協議が行われるなど、2019年現在、対策が進められている。 摘発された銀行群は会員銀行であることが多い。会員銀行リストは英語版で確認されたい。 2008年5月29日、ウォールストリートジャーナルはLIBORについて「実勢よりも低く見えるように数値が操作されている」と報じた。 2011年7月、フィナンシャル・タイムズは「LIBOR、TIBORの不正操作疑惑に関してアメリカ、イギリス、欧州(EU)、日本の金融規制当局が捜査に着手した」と報じた。2012年2月3日、スイスの連邦競争委員会(日本における公正取引委員会に相当)が不正操作疑惑の捜査のため、日米欧の金融大手12行の調査を開始[9]。4月、LIBORはイングランド銀行の監督を受けるようになった[10]。8月、英国政府が10の改革案を示した[11]。2013年10月29日、ラボバンクがLIBORをふくむ国際的な指標金利の不正操作に関わったとして、オランダ当局は同行へ7億7400万ユーロの制裁金を課した[12][13]。12月4日、欧州委員会は同様の不正操作について、複数のメガバンクがカルテルを実施したとして合計で約17億1千万ユーロの制裁金を科した。制裁の対象は、ドイツ銀行、ソシエテ・ジェネラル、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド、JPモルガン、シティバンク、UBSである。バークレイズとUBSは内部告発を評価されて制裁を免除された。不正操作に関する調査はHSBCにも及んだ[14]。 2015年8月3日、トム・ヘイズ
不正操作
欧米当局の猛攻
受身をとる英国と関係者