ロンドン・リンネ協会
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ロンドン・リンネ協会
標語Naturae Discere Mores (自然の道を学ぶ)
設立1788年 (王室勅許:1802年)
設立者ジェームズ・エドワード・スミス
種類学術機関
目的分類学 (Taxonomy)
博物学 (Natural History)
本部イギリスロンドン
会員数2,770名[1]
会長サンドラ・ナップ(英語版)
ウェブサイト ⇒www.linnean.org
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ロンドン・リンネ協会 (ロンドン・リンネきょうかい、Linnean Society of London)は、イギリスロンドンにある分類学博物学の研究と普及を目的とした学術機関である[2]。生物学的に重要な標本や原稿・文献のコレクションを所有しており、植物学動物学に関わる学術誌を出版している。また本協会や分類学の歴史についてのレビュー誌である「The Linnean」の発行も行っている。本協会はまた、その分野での功績に対し、多くの権威あるメダルや賞の授与も行っている[3]
歴史ジェームズ・エドワード・スミス

リンネ協会は、植物学者ジェームズ・エドワード・スミス (Sir James Edward Smith、1759-1828)によって1788年に設立された。協会名は、スウェーデンの博物学者カール・フォン・リンネ (Carl von Linne、1707-1778、叙爵前の名はカロルス・リンナエウス)に由来する。現存する世界で最も古い博物学の協会である[4]チャールズ・ダーウィン

著名な協会のフェローに、1854年からフェローであったチャールズ・ダーウィン (Charles Darwin)[5]と、彼の子で1875年からフェローであったフランシス・ダーウィン (Francis Darwin)[6]がいる。その他の著名なフェローには細胞核 (cell nucleus)の命名者で、ブラウン運動 (Brownian motion)を発見したイギリスの植物学者ロバート・ブラウンがおり、彼は1849年から1853年まで会長を務めた[7]

自然選択説による進化論」は、1858年7月1日のリンネ協会の会合で初めて公表された。チャールズ・ダーウィンアルフレッド・ラッセル・ウォレスの共同執筆による論文は、二人が出席できなかったため、ジョセフ・ダルトン・フッカーチャールズ・ライエルにより発表された[8]

初の女性会長はイギリスの植物学者アイリーン・マントン (Irene Manton、1904-1988、在職1973-1976)である。彼女は電子顕微鏡の生物学的利用の先駆けであり、彼女の研究により、細胞運動の多くのシステムの中心である鞭毛繊毛の構造が明らかになった[9][10]

2007年5月29日、リンネ協会で開催されたリンネ誕生300年記念行事において、日本の天皇明仁は基調講演「リンネと日本の分類学 ?生誕300年を記念して?」を行った[11]
会員The Linnean Society of London

本協会はロンドンピカデリーにあるバーリントンハウス (Burlington House)に本部を置く。会員になるためには最低2名のフェローによる指名の後、投票によって選ばれる必要がある。本協会のフェローは名前の後に「FLS」のポスト・ノミナル・レターズをつけることができる。フェロー制はプロアマ問わず、博物学や周辺の専門分野に積極的な興味を持つ者に対して、広く門戸を開いている。
表彰

リンネ協会は、進化、分類、生物多様性、持続可能性を重点として、生物科学のあらゆる側面の研究を推進することを目的としている。協会は、表彰や補助金を通じて、これらの分野で優秀な実績を上げた人・団体を社会的に認め、奨励している[3]

下記のメダルと賞がリンネ協会により授与される。

リンネ・メダル (Linnean Medal)
1888年創設、植物学者と動物学者が毎年交互に授与される。1958年以降は毎年それぞれ一人ずつ表彰されることが一般的になっている。

ダーウィン=ウォレス・メダル (Darwin?Wallace Medal)
1908年創設、進化生物学における大きな功績に対して授与される。

H. H. ブルーマー賞 (H. H. Bloomer Award)
アマチュア博物学者であるハリー・ハワード・ブルーマー (Harry Howard Bloomer)の遺志により1963年に創設され、生物学に対して大きな貢献をしたアマチュア博物学者に対して表彰される。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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