この項目では、ザ・クラッシュのアルバムについて説明しています。その他の用法については「ロンドン・コーリング (曖昧さ回避)」をご覧ください。
『ロンドン・コーリング』
ザ・クラッシュ の スタジオ・アルバム
リリース1979年12月14日
録音1979年6月 - 7月、ロンドン
ジャンルロック
パンク
レゲエ
スカ
ガレージロック
ニュー・ウェイヴ
時間64分59秒
レーベルエピック・レコード
プロデュースガイ・スティーヴンス
専門評論家によるレビュー
オリジナル:
オールミュージック [1]
ロバート・クリストガウ (A+)[2]
ミュージック・エミッションズ[3]
マーク・プリンドル (10/10)[4]
ローリング・ストーン [5]
25th アニヴァーサリー・エディション:
オールミュージック [6]
ピッチフォーク・メディア (10.0/10)[7]
チャート最高順位
27位(1980年、ビルボード)
8位(2003年、ローリング・ストーン ⇒偉大な500のアルバム)
ゴールドディスク
ゴールド(1979年、BPI-UK)
ゴールド(1991年、RIAA-USA)
プラチナ(1996年、RIAA-USA)
ザ・クラッシュ アルバム 年表
動乱(獣を野に放て)
(1978年)ロンドン・コーリング
(1979年)サンディニスタ!
(1980年)
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ロンドン・コーリング (London Calling) は、イギリスのパンク・ロックバンド、ザ・クラッシュの2枚組アルバム。イギリスでは1979年12月、アメリカでは1980年1月の第1週に発売された。このアルバムによってクラッシュはバンドとしての新境地を切り開き、それまで以上に高い評価と商業的成功を勝ち得た。クラッシュの初期の作品と比較すると直球勝負のパンク・ロックは鳴りを潜め、幅広い音楽スタイルを盛り込んだことが大きな特色である。「トレイン・イン・ヴェイン」、「クランプダウン」 ("Clampdown
") 、「スペイン戦争」、「ジミー・ジャズ」 ("Jimmy Jazz") 、そして表題曲「ロンドン・コーリング」などの楽曲では、ロカビリーや1960年代風のポップ・ソング、ラウンジ・ミュージック、R&B、スカ、ロックステディ、ハードロック、レゲエなどの諸要素をふんだんに取り入れて、洗練されたソング・ランティングを展開している。アメリカの音楽雑誌『ローリング・ストーン』によって1980年代最高のアルバムに選出され、2003年には同誌の大規模なアンケートによってグレイテスト・ロック・アルバム500枚の第8位に選出、ローリング・ストーン誌の大規模なアンケートによる『ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・ベストアルバム500』(2020年版)では16位にランクインしており、楽曲への評価も非常に高い。 クラッシュの活動の例に漏れず、アルバムは政治的な動機づけのもとに制作されている。歌詞の内容は、パンクの流行(「ロンドン・コーリング」)、薬物中毒(「ヘイトフル」)、フォークソングに歌われて名を残している殺人者スタッガ・リー(「ロンゲム・ボヨ」)、若き反抗者の成長と老い(「四人の騎士」)、極右政治家の増長(「クランプダウン」)、スペイン内戦(「スペイン戦争」)、病気や交通事故に悩まされたアメリカの俳優モンゴメリー・クリフト(「ニューヨーク42番街」)、勢いを増すメディア広告と企業(「コカ・コーラ」)、果ては経口避妊薬(「ラヴァーズ・ロック」)に至るまで、幅広いテーマを扱っている。 この作品は2枚組アルバムだが、イギリスではLP1枚の価格で販売された。これは、バンドがレコード会社を騙すことによって可能となった。メンバーたちは、12インチのシングルをアルバムのおまけとして無料で封入することができるかとレコード会社に問い合わせ、経営陣の同意を得てから2枚目をフルレングスのアルバムとして制作したのである。これは、儲けを生んだり経営陣を喜ばせることよりも、自分たちのファンに可能なかぎり多くの楽曲を届けることを目的としたためであり、クラッシュの反体制的・親リスナー的な姿勢を窺わせる事例の1つである。 「トレイン・イン・ヴェイン」は、折り込まれた歌詞カードにもこの曲だけ歌詞が掲載されておらず、スリーヴの曲目一覧にも記載されていない。そのためしばしばシークレット・トラックと誤解されるが、アルバムの制作終了間際になってから収録されることが決まったため、印刷が間に合わなかったことによって生じた記載漏れである。この曲は当初NMEに付属のソノシートという形でリリースされる予定であったが、ミック・ジョーンズのコメントによれば「NMEにくれてやるにはもったいない」との理由で契約が流れたあと、急遽『ロンドン・コーリング』に追加収録されることとなったのである。 スリーヴなどには書かれていないが、その代わりにディスク2・B面のランアウトグルーヴ[8]に「Track 5 is Train In Vain」の文字が刻まれてはいる。しかしこの部分での曲名表示は目につきにくいものであったために混乱が生じ、曲の中で繰り返される歌詞にちなんで「スタンド・バイ・ミー」という名で呼ばれることも多かった。オリジナル盤以降の再発では常に「トレイン・イン・ヴェイン」として表記されている。 ジャケット写真 The Village Voice 紙による人気投票 Pazz & Jop
歴史
テーマ
価格
トレイン・イン・ヴェイン「トレイン・イン・ヴェイン」も参照
ジャケット
批評