ロワール=アトランティック県
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ロワール=アトランティック県
Loire Atlantique
ロワール=アトランティック県章
位置

概要

県番号44
地域圏 ペイ・ド・ラ・ロワール
県庁所在地ナント
郡庁所在地シャトーブリアン
サン=ナゼール
郡3
小郡31
コミューン212
県議会議長フィリップ・グロスヴァレ
フランス社会党
統計
人口
国内13位  (2010年)
1,282,052人
人口密度181人/km2
面積16,815 km2
1 「French Land Register data」(1平方キロ以上の湖沼、エスチュアリー、氷河などの水面積除く。
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ロワール=アトランティック県 (ロワール=アトランティックけん、Loire Atlantique) は、フランスペイ・ド・ラ・ロワール地域圏の県。

県名は、県を東から西へ流れる大河ロワール川と、西側に接する大西洋に由来する。西側にはロワール川の広大な三角州がある。

県は1790年に誕生してから1957年までロワール=アンフェリウール県(Loire-Inferieure)の名称を採用していた。行政を行うのは県議会で、現在の県知事はフランス社会党のフィリップ・グロスヴァレである。県都ナントは地域圏首府も兼ねている。

ロワール=アトランティック県は、歴史的なブルターニュ5県のうちの1つである。オート=ブルターニュ地方と同じく、地方言語のガロ語が20世紀半ばまで話されていた。しかし、20世紀初めまではゲランデ地方(ゲランド周辺)ではブルトン語が話されていた。ロワール=アトランティック県を再びブルターニュに統合することは可能かどうかの問題は、討論の主題となっている。
地理ロワール=アトランティック県の地図ブリエール湿地

県は西側を大西洋と接し、北西をモルビアン県、北をイル=エ=ヴィレーヌ県、東をメーヌ=エ=ロワール県、南をヴァンデ県と接する。県の東西にロワール川が流れ、ナントから河口となり、サン=ナゼールで大西洋に注ぐ。県の大西洋に面した海岸線は130kmにも及ぶ。

県はアルモリカ山塊の一部となっており、地質は変化に富んでいる。

全体的に、県の起伏に目立ったものはない。ロワール川北東部はボカージュ・アンジュヴァンと呼ばれる地方で、おおまかにシャトーブリアン郡とアンスニ郡が含まれる。ここは国有の森林地帯で、メーヌ=エ=ロワール県とマイエンヌ県にも広がる。森は標高100mの高原に近接する。県の標高最高地点はフェルセ近郊のブレテシュの丘で、116mである。

川の南側、レ地方に向かうと標高30mの丘陵が連続して連なる。一方、川の北西部はシヨン・ド・ブルターニュという一連の丘陵で、県の北西から南東にかけて連なる。

県には多くの湿地がある。サン=ナゼールの北にあるブリエール湿地、ゲランドの塩湖、ナントの下流にあるクエロン湿地、南東のグレーヌ湿地、南西のブルトン湿地である。県南部には、国内有数の大湖であるグラン・リュー湖がある。水深は2m以下と極めて低く、斜面も非常に緩やかである。このことが非常に多様性に富んだ地域をつくっている。

県西部が海に面し、標高が総じて低くなだらかなため、県の気候は海洋性気候である。湿度があり、温暖で、県の他の場所に移動しても変化があまりない。

年平均気温は11℃である。冬は平均6℃、夏は平均24℃と穏やかである。年間降水量は650mmから800mmが一般的で、特に冬と春に多い。
歴史

ロワール=アトランティック県は他の県と同様に、フランス革命初期の1790年、1789年12月22日法のもとかつてのブルターニュ州を分割し、ロワール=アンフェリウール県(Loire-Inferieure)の名で誕生した。

ロワール=アトランティック県の領域は、かつてのブルターニュ州のナント司教座領をほぼ含む。その他はレンヌ司教座の南部からなる。北西部のミトー地方を失い、ラ・ロシュ=ベルナール郡をモルビアン県に割譲し、グラン=フジュレ郡をイル=エ=ヴィレーヌ県に割譲した。

県は以下の構成となっていた。

旧ブルターニュ州の213教区

ブルターニュ=ポワトゥー地方の8教区

ナント司教座に含まれていたアンジューの1教区

ブルターニュ=ポワトゥー地方の1教区で、ヴァンデ県に1教区を割譲した代わりに得たルムイエ教区

県創設時の郡は、アンスニ、ブラン、シャトーブリアン、クリソン、ゲランド、マシュクール、ナント、パンブフサヴネであった。2017年1月1日現在はナント、シャトーブリアン=アンスニ、サン=ナゼールの3郡となっている。

1815年6月のワーテルローの戦い第七次対仏大同盟が勝利すると、県北部は同年6月から1818年11月までプロイセン軍に占領されていた。
政治2004年から2011年まで県知事であったパトリック・マレシャルは、県初の社会党所属知事であった

フランス西部の他の県と同様に、ロワール=アトランティックは保守的な県であるという評判をとっている。確かに、労働者層の多いサン=ナゼール周辺を除けば、県全体として第三共和政の間、反教権の左派に対してカトリックが伝統的に強かった。

第二次世界大戦後、県の有権者たちはキリスト教民主主義を標榜する国民共和運動(fr)を支持した。しかし、1960年代から県は脱キリスト教を標榜し始めた。以降、着実に左派が支持を得てきた。そのため、1977年以降県都ナントをフランス社会党がおさえている。2004年の地方選挙で右派が敗退すると、フランス革命以来初めて、右派は県の管理能力を失った。
人口統計

人口の増減1801年1831年1841年1851年1856年1861年1866年
369.305470.093486.806553.664555.996580.207598.598
1872年1876年1881年1886年1891年1896年1901年
602.206612.972625.625643.884645.263646.172664.971
1906年1911年1921年1926年1931年1936年1946年
666.748669.920649.691651.487652.079659.428665.064
1954年1962年1968年1975年1982年1990年1999年
733.575803.372861.452934.499995.4981.052.1831.134.266
2006年2007年2008年2009年2010年2011年
1.234.0851.246.8031.255.8711.266.3581.282.0521.296.364

参照元: 1962年まで : SPLAF[1]1968年以降 : Insee (2006年から人口の2倍カウントなし)[2] · [3] · [4] · [5] · [6] · [7] · [8]
言語

フランス語に加え、多様な言語が歴史的に県で話されてきた。
ガロ語

ガロ語はオイル語の一種で、オート=ブルターニュで話され、かつては県のほとんどで話されていた(ロワール北部では80%、12世紀まではロワール南部全体で話されていた)。ガロ語は現在消滅の危機にさらされている。言語が標準語化(フランス語化)されていること、大都市ナント・レンヌと農村部との乖離があるためである[9]。ガロ語を話す人をターゲットとすることは難しい。1999年にINSEEが行ったEtude de l’histoire familiale調査では、家族とガロ語を話すという人はわずか760人だったのである[10]


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