ロマ音楽
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ロマ音楽家の結婚式演奏(チェコ共和国・2005年)

ロマ音楽(ロマおんがく)は、西アジアヨーロッパなどで移動型の生活を送る、あるいは送っていたロマ民族(ジプシー)を中心に発達してきた音楽。目次

1 概要

2 各地のロマ音楽

2.1 ルーマニア

2.2 フランス

2.3 インド

2.4 トルコ

2.5 マケドニア

2.6 アルバニア

2.7 セルビア

2.8 ギリシャ

2.9 ブルガリア

2.10 ハンガリー

2.11 ロシア

2.12 スペイン


3 クラシック音楽への影響

4 脚注

5 参考文献

6 関連項目

概要

ロマ北インドに起源を持つ移動型の民族であり、中近東北アフリカヨーロッパなどで生活している。ロマは西暦1000年以前には北インド、ラジャスタンを離れ、放浪生活に入っていったと考えられている。一方、現在もラジャスタンで演奏家や旅芸人として生活しているロマもいる。ロマは以前は「ジプシー」と呼ばれていたが、ポリティカル・コレクトネスのため「ロマ」と呼称が変更された。

ロマは各地を放浪し、音楽の演奏やダンスなどを行う旅芸人として生計を立ててきた。彼らによってもたらされた音楽は、現地の音楽に影響を与え、また影響を受け、相互に発展してきた歴史がある。ロマは北インドをたった後、イランイラクアルメニア、その他中近東に現れるようになった。西暦1050年頃には既に、コンスタンティノポリスで音楽の演奏をしていたと考えられている。15世紀ごろにはエジプトスーダンブルガリアルーマニアハンガリーギリシャクロアチアマケドニアセルビアなどへと居住地を拡大、やがてヨーロッパ全域へと広がっていった。スペインフラメンコの原型もロマの音楽とダンスであったと考えられるなど、彼らは放浪先の中近東やヨーロッパ各地の音楽文化に強い影響を与えてきた。

ロマの音楽の大きな特徴として、テンポや強弱の激しい変化や交替、細やかなリズムや奔放な修飾[1]、ソウルフルなヴォーカル、そして音高をすべるように移動するグリッサンドの多用などが挙げられる。音階の上では、和声的短音階の第4音を半音高くして二つの増二度音程を持つ独特の音階(ハンガリー音階などと呼ばれる)が用いられることが多いのも特徴である[1]
各地のロマ音楽
ルーマニア「ルーマニアの音楽」も参照

ルーマニアのロマ音楽奏者はラウタリ(英語版)と呼ばれ、そのバンドはタラーフ(taraf)と呼ばれる。タラーフの主な構成はフィドルツィンバロムアコーディオンコントラバスなどからなる。ワールド・ミュージックのジャンルで、ファンファーレ・チョカルリアタラフ・ドゥ・ハイドゥクス[2]は、国際的な知名度をもっている。マネーレはロマ音楽の影響を受けた現代の音楽としてルーマニアはじめバルカン半島で盛んになっているジャンルである。

著名なロマのソロ・ミュージシャンには、次のような人物がいる。

ロミカ・プチャヌ(英語版)女性歌手

ニコラエ・グッツァ(英語版)男性歌手

サンドゥ・チョルバ(英語版)男性歌手。ほとんどの楽曲をロマ語で歌う。

フランス

フランスのロマは、スペイン由来のグループ(ルンバ・ヒターナ rumba gitana) と、マヌーシュ、あるいはドイツ起源のグループに分けられる。前者にはジプシー・キングス、後者にはジャンゴ・ラインハルトが有名である。
インド

インド北部のラジャスタン地方はロマの故地であり、現在でもロマが音楽やジャグリングなどのショーをする旅芸人として住んでいる。
トルコ「トルコ音楽」も参照 トルコの演奏家


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