ロボコップ_(架空のサイボーグ)
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

「アレックス・マーフィー」はこの項目へ転送されています。プロバスケットボール選手については「アレックス・マーフィー (バスケットボール)」をご覧ください。
ロボコップ
(写真はファンのコスプレ)

ロボコップは、映画ロボコップ』シリーズに登場するサイボーグの名前。一般に「ロボコップ」といった場合、映画の登場人物であるアレックス・マーフィー巡査の遺体から作られたサイボーグのことを指すが、作中では固有名詞というよりも、「商品名」のような扱いである。

俳優はピーター・ウェラー(映画『ロボコップ』『ロボコップ2』)、ロバート・ジョン・バーク(映画『ロボコップ3』)、ジョエル・キナマン2014年リメイクかつリブート映画『ロボコップ』)、リチャード・エデン(英語版)(1994年版テレビシリーズ『ロボコップ・ニューバトル』『ロボコップ ザ・シリーズ』)、ペイジ・フレッチャー(英語版)(2001年版テレビシリーズ『ロボコップ プライム・ディレクティヴ』)。日本語吹き替えの声優やテレビアニメ版『ロボコップ THE ANIMATION』の声優については、各作品項目を参照。

本項では上記の映画をはじめとする各種の作品群に登場するロボコップのほか、同機の後継機として開発されたロボコップ2号や2014年版映画『ロボコップ』に登場するロボコップについても記述する。
概要

ロボコップは全身が機械部品のみで構成されているわけではなく、一度死亡した人間の遺体からまだ細胞が死を迎えていない臓器を生体部品として再利用したサイボーグである。法的に人間としては認められていないことから人権も保有しておらず、表向きはロボコップを製作したコングロマリット企業「オムニ社」の開発したロボットの新製品として扱われている。また、「一度死亡した人間の脳や皮膚を利用する」というコンセプトなどから、同型のロボコップは量産されていない特注品である[1]。基本的には、都市の治安維持と警察企業(作中では警察も営利経営である)の機能強化や、同警察企業の親会社であるオムニ社のイメージアップを狙う、宣伝用機材であった。

死亡した人間の臓器(主要なものは脳であるが)をロボットの部品として使用しているに過ぎないものとして、オムニ社に「モノ」として利用されていることが、作中の描写から散見される。相当な範囲の箇所が機械装置によって代替されてはいるものの、思考の基本部分はアレックス・マーフィー巡査のものであり、これに機械的な補助が加えられ、射撃や怪力などの面では超人的な能力を発揮する。

ロボコップが見聞したことは即座に電子情報(メモリー)として機械的に保存され、いつでも再生できることから、その証言は裁判では証拠として扱われる。また、内蔵の声紋分析ソフトなどを通じて証言の真偽をパーセントで判断できることから、基本的にはロボコップに嘘は通用しない。そのほか、腕部のニードル型の端子を外部データバンクに挿入することによるアクセスで、情報を参照することも可能となっている。ただし、電子情報ゆえに高圧電流の負荷に弱い面も持っている。

肉体(生体部分)としてはマーフィー自身の顔面の表皮や顔の骨格の一部が流用されているほか、脳が金属製の容器に封入する形で頭部に収められている。消化器官の一部にもマーフィー自身のものが流用されているが、そのほとんどは省略化されており、脳や顔面などわずかな生体部分に栄養供給を行う程度でしかなく、ベビーフードのような非常に消化の良い食品しか口にできない。なお、作中ではロボコップ専用のフードディスペンサーもデトロイト市警に配備されているが、一般の瓶入りのベビーフードでも特に問題は発生しないようである。

一度は記憶を消されてロボコップとして蘇生したマーフィーの意識は、物語の途中で復活する。それ以降は自身を「ロボコップ」ではなく「マーフィー」と名乗るなど、人間的な反応も見せるようになったが、彼の直接の死因となった脳の損傷部分がコンピュータによって代行されてもいるため、この部分のプログラムが書き換えられた際には人間性を喪失してしまうことが、たびたび描かれている。このコンピュータはコマンドラインインタプリタで動作しており、自然言語で作成された優先コマンドをコード入力することによってロボコップの行動を制限させることが可能で、法を適切に執行すること、「犯罪者の逮捕」や「弱者の保護」といったおよそ警官らしいものから、製作元であるオムニ社幹部の命令を優先させたりといった、「オムニ社にとっては都合の良い」指令も組み込まれている。通常、ロボコップはインプットされた指令にのみ忠実に対応するが、マーフィーが自らの正義感と照合してそれを拒否した場合には、強靭な意志によって書き換えることがある(前述の電子情報が高圧電力に弱いことを逆手に取り、それを利用することもある)。

特殊なチタン製の合金と防弾ゴムによって強固な防弾機能を備えた身体は、拳銃の弾丸程度ではほとんどダメージを受けない。そのため、犯罪捜査や逮捕では、わざと犯罪者から見える位置に移動して撃たれることで犯罪者の位置をレーダーやセンサーで確認し、ほとんど目視せずに射撃することが可能である。射撃の正確さも相当に高く、狙撃銃で狙われた際には照準器を撃ち抜き、狙撃者の眼に弾丸を命中させるという離れ業を実行したことがある[2]。その反面、身軽ではないことから、対物用の重火器で攻撃された場合[3]や、高速機動を得意とする敵[4]と対峙した場合には、それぞれ致命的な損傷を被っている。また、使用する火器は主に対人装備でもあることから、強固な装甲を持った敵[5]を相手にした際には、苦戦を強いられている。

ただ、マーフィーが危機的な状況に際してもあきらめない生存欲求を持つ優秀な人物であることに加え、周囲からの信頼が厚かったこともあり、劣勢に苦しめられてなおロボコップは周囲にも助けられて雪辱を果たしている。
武装
オート9
ロボコップの標準装備の
拳銃。通常は右大腿部に格納されており、戦闘時にはロボコップの手をレーダーで感知して取り出せる。セミオートおよびフルオートの切り替えが可能。作中では強固なロングバレルに頑丈かつ確実な動作性で、ロボコップの能力も相まって正確無比な命中率を誇る。まったくの架空銃ではなく、ベレッタ社の3点バーストでの射撃が可能な拳銃のM93Rに大型のスタビライザーを取り付けたものである(作中の小道具も実銃の外観をそのように改造して使用している)。なお、作中ではほとんど弾倉を再装填せずに射撃しているが[6]、『ロボコップ2』では弾倉の再装填が確認できる。一部の作品では、ロック機構によって「ロボコップ以外の者が引き金を引いても発砲できないようになっている」という設定もあり、ロボコップ以外の登場人物が利用した描写はなく(ロック機構がないと思われる別に製造したもう1つの本銃を使用している人物は存在したが)、ハンドガン系統の武器でロボコップがこれ以外の銃を利用した描写はない。ロボコップが収納する際には、西部劇のようにガンスピンを行うという生前のアレックス・マーフィー巡査のクセを見せたため、同僚かつ相棒であった女性アン・ルイス巡査がロボコップの正体に気付く要因となった。
コブラ・アサルト・キャノン
クラレンス一味に「ロボコップの破壊」を指示したオムニ社のリチャード・ジョーンズが、彼らに与えた強力で対戦車ライフルのような外観を持つ大型の銃器。爆発する弾頭を連射可能となっており、照準器は電子制御のハイテク兵器である。廃工場での死闘の末にロボコップが奪い、オムニ社の玄関を警備していた重武装マシン「ED-209」の撃破に利用した。この銃も上記の銃と同様、対物ライフルバレットM82A1が元になっており、2km程度の遠距離や航空機内のハイジャック犯の狙撃に使用される[7]
パウザ・P50
『ロボコップ2』に登場。オムニ社でお披露目となったロボコップ2号(ケイン)の暴走時に、ロボコップが狙撃に使用した。使用している弾丸は、コブラ・アサルト・キャノンと同じく12.7x99mm NATO弾
ガンアーム
ロボコップ3』で登場した新装備。着脱可能になった左腕を外して装着される強化アタッチメント。上部にアサルトライフル、下部に火炎放射器、さらに中心部には、数発のスマート弾を配置した多連装の小火器となっている。特にスマート弾の破壊力は高く、見た目は人間そっくりだが中身は無口で無表情な忍者アンドロイド「オートモ」の頭部を吹き飛ばしたほか、リハッブ(治安維持部隊)の最新鋭の装甲車を一撃で破壊し、リハッブと市民反乱軍の戦いを形勢逆転させた。アサルトライフルに関しては、バナナ状の弾倉による給弾であることが画面から確認できるものの、スマート弾と火炎放射器の装弾数(タンク容量)と再装填は不明な点が多い。なお、アサルトライフル部分のバレルキャリコM100から流用されている模様。
フライトパック(試作品)
『ロボコップ3』で登場した新装備。正確には、武装ではなく移動手段。ロボコップのメンテナンスも行っているマリー・ラザルス博士によって開発された。元はオムニ社に反発する市民反乱軍がデトロイト市警察の武器庫から盗んだものであったが、かなり無理矢理に実用化(試験運用はおろか、テストさえまだであった模様)までこぎつけた。F-117のジェットエンジンを搭載。背面、肩、腕に連結し、ロボコップの飛行を可能にした。ロボコップ用の予備バッテリーも内蔵しており、エネルギー切れの際は緊急措置としてここからの充電も可能となっている。これによって歩行や自動車、オートバイでの移動しかできなかったロボコップの機動力を飛躍的に高め、上空から敵を制圧することも可能になった。なお、基本的に騒音対策は行われていないため、味方や相手の注意を強く引くことになる。制御系はロボコップの射撃用ヘッドマウントディスプレイアビオニクスとして流用され、脳直結の操作系を持つことから、ロボコップ専用の装備となっている。また、後部の噴炎は相当な高熱となって周囲を焼き焦がすことから、攻撃目的にも利用可能である。最大飛行可能速度、高度、飛行可能時間、重量などは不明であるが、少なくとも一般的な高層ビルの高層階程度までは航行可能であることが、作中の描写から確認できる。
データスパイク
右手の甲に内蔵。本来はオムニ社や警察署のコンピュータ端末にアクセスし、「データの取り込み」や「データ書き換え」などを行う際の接続端子として装備されたが、『ロボコップ』の物語後半では刺突用武器としても使用している。先端部は尖った円錐状をしており、これをコンピュータの専用接続ポートへ挿入して接続中に回転させることで、何らかの機能切り替え操作を行っていることがうかがえる。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:35 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef