その他の名称については「ロビン・フッド (曖昧さ回避)」をご覧ください。
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}この項目には、一部のコンピュータや閲覧ソフトで表示できない文字(Microsoftコードページ932(はしご高))が含まれています(詳細)。ロビン・フッド碑
ロビン・フッド (Robin Hood) は、中世イングランドの伝説上の人物である。まれに「ロビン・フード」と表記されることがある。 吟遊詩人たちによって1編の物語として編集され、一般に広まる。 「歴史書にも名前が現われる」や「1241年没」という伝承もあるが、実在を裏付ける確かな資料はない。ロビン・フッドというのは、あくまで何人かの人物にまつわる伝承が合わさって形成された可能性が高い。たとえばヘリワード・ザ・ウェイク (Hereward the Wake) などがモデルとして挙げられている。また、13世紀イタリアのアウトロー(法の保護外の者)的人物、ギーノ・ディ・タッコ (Ghino di Tacco
成立と変容
13世紀イギリスにはRabunhodという名の人の記録があるとしている文献が多いという[1]。ロビン・フッドに類似した名前は、アウトローの盗賊の比喩として使われていたようで、13・14世紀のいくつかの文献・資料に登場する。
中世抒情詩のひとつのジャンルであるパストゥレルは、騎士と女羊飼いとの恋の駆け引きを描くものであるが、フランス中世のアダン・ド・ラ・アル(1240年頃 - 1287?1304?年頃)は、それを田園牧歌劇形式に書き換え、Jeu de Robin et Marion ジュ・ドゥ・ロバン・エ・マリオン『ロバンとマリオンの劇』という作品に仕上げた[2]。この作品の中ではロバンとマリオンは羊飼いのカップルとなっている。この劇作そのものかどうかははっきりしないが、この時代、アンジェでは毎年ペンテコステ(聖霊降臨祭)で『ロバンのマリオンの劇』というタイトルの演劇作品が上演された、という。17世紀はじめごろまで、イギリスの五月祭の参加者の中から王と王妃役の人が選ばれ、彼らは「ロビンフッド」と「マリオン」と呼ばれたという。
14世紀のウィリアム・ラングランド(英語版)
の長編詩「農夫ピアズの夢(英語版)」の中で、まとまった物語として(初めて)登場する[3]。古い伝承では、ロビン・フッドはノルマン・コンクエスト後に、ノルマン人に抵抗する、サクソン人の非小作農民ヨーマンとなっており、その後エドワード1世時代の設定になり、ノルマン人に所領を奪われた貴族、義賊、マリアン(ノッティンガムの領主の家族であるが、伝承や作品により、娘・妻・未亡人などの違いがある)とのロマンス、あるいは十字軍帰りなどの設定が加わった。16世紀以降、リチャード1世(獅子心王)時代の人物となり、リチャード1世が十字軍遠征に赴いている間にジョン王の暴政に反抗した人物として描かれるようになった。「弓の名手で、イギリスのノッティンガムのシャーウッドの森に住むアウトロー集団の首領で義賊」という設定(イメージ)は実は比較的新しいもので、19世紀あたりから描かれるようになったという。緑色の服をまとう人物として描かれる。
19世紀以降のお話での登場人物
ロビン・フッド
あだ名は大股のロビン(Robin Longstride)、ロクスレイのロビン(Robin of Loxley, or Locksley)など。
「愉快な仲間たち」 (Merry Men)
ちびのジョン(リトル・ジョン) (Little John)
あだ名に反して怪力の大男。ロビンの片腕的存在で、丸太橋の上で六尺棒でロビンと戦い仲間になる。
タック修道士 (Friar Tuck)
怪力の修道士。好戦的と言うよりもむしろビールの一種であるエールを愛する陽気な男。
アーサー・ア・ブランド (Arthur a Bland)
逃亡中の密猟者で、ロビンと戦って勝って、仲間になる。
粉屋のせがれマッチ (Much the Miller's Son)
初期のバラッドでは成人で二番手の戦士、後世の物語では愉快な仲間たちの中で最年少となっている。
ウィル・スカーレット (Will Scarlett)
常に赤い服を着ている伊達男。剣の達人でロビンの甥。
ウィル・スチュートリー (Will Stutely)
ジョンに自分のあだ名「ちび」を与える。弓術はロビンに次ぐ腕前。ノッティンガムの代官をスパイして捕らえられ、そして救出される。ウィル・スカーレットと時折混同される。
ドンカスターのデイビッド (David of Doncaster)
ロビンにノッティンガムの代官が開催する弓比べの大会は罠であると教え、行かないように警告する。
アラン・ア・デイル (Alan-a-Dale)
吟遊詩人。別の男と結婚させられそうになっている恋人をロビンに頼んで救出させる。最近の媒体では、サラセン人(イスラーム教徒)が仲間にいる事が多い。
乙女マリアン (Maid Marian)
ロビン・フッドの恋人。最近の媒体では、お転婆娘で有能な戦士として描かれることが多い。
リーのリチャード (Richard at the Lee)
修道院長に土地を担保に借金をしたが返せないため、土地が没収されそうになっている悲しげな騎士。ロビンはその支払いを手伝ってやる。
その他の登場人物
獅子心王
リチャード1世。
ジョン王子(後のイングランド王ジョン)
悪役として描かれる。
ヘアフォード司教 (Bishop of Hereford)
裕福で強欲なため、ロビンと愉快な仲間たちに強盗を受ける。
ギスボーンのガイ (Guy of Gisbourne)
ノッティンガムの代官のためにロビンを捕らえるが、ロビンに殺され首を切られる。
ノッティンガムの代官 (Sheriff of Nottingham)
敵役。ロビンを捕まえようと付け狙う。
ロビン・フッドが主題の作品(近代以降)
文学作品
ロビン・フッドのゆかいな冒険(The Merry Adventures of Robin Hood, 1883)ハワード・パイル/村山知義・村山亜土 訳(改版2002年、岩波少年文庫 全2巻)
幻のロビンフッド(The Death of Robin Hood) ピーター・ヴァンシッタート(英語版)/永久英雄 訳(1987年、昌文社)ISBN 978-4794922755
ロビン・フッドの冒険(The Merry Adventures of Robin Hood, 1883)ハワード・パイル/生田信夫 訳(新版1990年、集英社 少年少女世界名作の森)ISBN 978-408-2850173
ロビン・フッド物語(The Chronicles of Robin Hood) ローズマリー・サトクリフ/山本史郎 訳(2004年、原書房)ISBN 4562037784
ロビン・フッドの冒険(The Merry Adventures of Robin Hood, 1883)ハワード・パイル/中野好夫 訳 (新版2010年、講談社 21世紀版・少年少女世界文学館)ISBN 978-406-2835527
アイヴァンホー(Ivanhoe) ウォルター・スコット (ロビン・フッドとその仲間たちと思しき人物たちが登場する)
ロビン・フッドに鉛の玉を(Bullet for A Star) ステュアート・カミンスキー/和田誠 訳(1994年、文春文庫)推理小説 ISBN 978-4167309404
ロビン・フッドの愉快な冒険(The Merry Adventures of Robin Hood, 1883)ハワード・パイル/三辺律子 訳(2019年、光文社古典新訳文庫)ISBN 978-4334754051
映画
ロビン・フッド(Robin Hood、1922年、アメリカ映画) - 監督:アラン・ドワン、出演:ダグラス・フェアバンクス、ウォーレス・ビアリーなど。