ロビンマスクは、ゆでたまごの漫画『キン肉マン』およびその続編『キン肉マンII世』に登場する架空の人物。 初登場は第20回超人オリンピック編「日本代表になりた?いの巻」。「ロビン・マスク」とも表記される。マスクと白銀の鎧に身を包んだイギリスの名門ロビン一族出身のエリート超人で、その実力と信頼から正義超人軍団のリーダー格と呼ばれる。当初キン肉マンとはライバル関係にあったが、悪魔超人との闘い以降、次第に友情を深めていく。キン肉星王位争奪サバイバル・マッチ一回戦と決勝戦ではキン肉マンチームの大将に任命され、運命の5王子以外で唯一大王候補を倒すなど、キン肉マンの王位継承に大きく貢献した。 アイドル超人の中でも年長者であり、性格は冷静かつ紳士的。しかし高いプライドを持ち、キン肉マンに敗れたショックで世界を放浪したり、ネプチューンマンが自分を罵り去っていったかつてのライバル・喧嘩男だと見るや試合結果を度外視して正体暴きに走ったりするなど、普段の冷静さとは程遠い行動を取ることがある。この他にも試合中、他のことに気を取られて闘いに集中できず、苦戦を強いられることも多い。 ソビエト連邦(ロシア)のロボ超人・ウォーズマンは彼の弟子であり、当初は自分の野望のための道具としていたが、アイドル超人となってからは彼の危機に飛び出したり、タッグを組んだりするなど信頼は厚いものとなっている。 体力の消耗を最小限に抑え、技を有効的に使うことのできる戦闘法「ロビン戦法」を持つなどファイトはクールで合理的。逆上すると容赦のない残虐ファイトを行うこともあるが、あくまでルールに則った、合法的な残虐ファイトであるという点がロビンマスクの性格を表している。作中で登場したロビン戦法は以下の通り。 着用している鎧は自分のあまりにも強大な超人パワーを抑えるためのものであり[5]、作中ではサファイア製[6]と鋼鉄製[7]のものが登場している。また『キン肉マンII世』において鋼鉄の鎧はロビン家代々の先人たちの鎧を繋ぎ合わせた、ダメージ軽減・回復効果を持つ歴史の鎧(ヒストリーアーマー)と設定されている。 『キン肉マンII世』では、閉鎖されていたヘラクレス・ファクトリー(以下H・F)を復活させ校長に就任するなど、変わらず正義超人のリーダー的存在であった。しかし厳格なあまり息子のケビンマスクには厳しい教育を強いており、それが原因で非行に走り悪行超人の道へと走っていった(後に改心する)。 作者のゆでたまごによると、ロビンは超人オリンピックの象徴として考えたキャラクターで、騎士道精神を重んじるヒーローの中のヒーローというイメージからイギリス代表にしたという[8]。また、イギリスのプロレスラービル・ロビンソンをイメージしている[9][10]。また原作の嶋田隆司は兄弟でいうと長男のような存在とも語る。作画の中井義則は遠目に見た細かい絵は、かなり気をつけて描かないと鎧やマスクの質感が出ないため、一瞬たりとも気が抜けないという[11]。 初代アニメでは鎧のカラーリングが青色になっている。また、鎧の下にも青色のアンダーシャツを着用しているため、ほぼ全身が青で統一されている。嶋田は「原作とアニメのカラーは違うものだと思っており、こっちが想像しているもの以上のものを出してくれたので違和感はなかった」と語っている[12]。中井は「「青って……また思い切ったことをしてきたな?」と驚いたが、だんだんクールでカッコ良く見えてくるのが不思議でした」と述べている[13]。また連載時スクリーントーンにより、アニメカラーが再現されていたこともある[14]。 第19回超人オリンピックに出場し、決勝戦では当時の日本代表ウルドラマンを破り優勝を果たした。第20回超人オリンピックの国内予選では、ネプチューンマンとなる前の喧嘩男と決勝で対戦。実力不足を看破された上で本戦出場権を譲られ、衝撃を受ける。 第20回超人オリンピックの代表から外されたキン肉マンとスパーリングを行い、あえて手加減して彼の頑張りをアピールさせることで出場のきっかけを与える[注 1]。予選では競技に不満を持ち、文句を言う超人たちを一喝するなど、前チャンピオンとしての威厳を見せている。1回戦ではカナダ代表のカナディアンマンと対戦し、巨大化して後楽園球場を持ち上げるカナディアンマンに対抗し自らも巨大化。ジャーマン・スープレックスで難なく破る。続く準決勝ではテリーマンと対戦。アクシデントで足を負傷し、反則攻撃に出る彼の攻撃をものともせずボストン・クラブで勝利を収めるが、試合終了後に彼のその潔さに賛辞を送る。 決勝戦でのキン肉マンと対戦では、フィニッシュ・ホールドを持たないキン肉マンに3秒フォールマッチを持ちかけ、同時に彼の提案した国外追放ルールを承認する。試合は一進一退となるが、思わぬ長期戦になってしまったことを焦り鎧を脱ぐ。その後、苦し紛れにマスクを奪ったキン肉マンに逆上し、場外に逃げるキン肉マンを追いかけるが鉄柱に激突しマスクのひさしに傷を付けてしまう。怒りが頂点に達したロビンはキン肉マンにタワーブリッジを仕掛けるが、腰骨が鳴った音を背骨が折れた音と勘違いしたためにその隙を付かれ逆転負けを喫する。その後、表彰式にてイギリス応援団に非難され、妻・アリサとともに国外追放処分を受ける。 日本定住を勧めるキン肉マンの誘いを断り、アフリカにて動物管理係の職についたロビンだったが、チャンピオンとしての栄光を捨てきれず、アリサを捨て単身アメリカへ。行き倒れになったところを超人同盟に拾われる。超人同盟のパーティで行われたランバー・ジャック・ショーではダイナマイトバイパーを容赦なく真っ二つにするなど、性格が豹変していた。シャネルマンとして潜入していたキン肉マンとミートは超人同盟に捕まってしまい牢屋に入れられ、ロビンと闘わせられることになるが、ロビンは彼とフェアにファイトを行うため、「養老の滝」の牛丼[注 2][注 3]を差し出していた。グランドキャニオンで行われた高さ1600mものリングでのキン肉マンとの戦いはフェアな勝負となるが、超人同盟に雇われたイワオの乗ったセスナがリングに激突する。ロビンはキン肉マンを庇ったためにセスナの下敷きとなり、それまでのいきさつ(アニメでは、その中で妻アリサと死別した設定になっている)を明かして死を選ぶが、それでもなおキン肉マンはロビンを助け出そうとする。しかし、セスナの除去には成功したが、リングが爆破されロビンは谷底に落ちて行方不明となってしまう。 バラクーダとは、ウォーズマンのセコンド兼マネージャー。目が隠れる(アニメでは赤い目が覗いている)ほどの長髪に貴族のような姿をしている。その正体はオーバーマスクで変装したロビンマスクである。 キン肉マンとの再戦後、奇跡的に助かったロビンマスクだが二度と戦えない身体となってしまった[注 4]。世界を放浪の末、ソ連で優れた素質を持つロボ超人ウォーズマンと出会う。その才能を見出したロビンマスクは己の格闘テクニックを全て授け、自分に代わって打倒キン肉マンの夢を彼に託した。アニメではキン肉真弓を先代チャンピオンとして尊敬している旨を伝えたが、バラクーダとして登場した際はキン肉マンと真弓の二人を「バカ親子」と悪態をついている。また生前のアリサに「自分の思考・戦法をコピーした超人を作る」ことを提案したが、アリサからは「いつか自分の考えを持って貴方から離れていく」と告げられている。 キン肉マンがベルトを剥奪されたことにより行われた超人オリンピック ザ・ビッグファイトではこの姿で登場。鞭を片手にウォーズマンに人としての優しさが目覚めぬように非情な命令を下していた。決勝戦では両出場選手が覆面超人であることから覆面はぎデスマッチを提案する。試合開始直前にマスクを脱いで正体を現すが、その肉体はすでにボロボロとなっており、性格も復讐鬼同然となっていた。試合中、途中からウォーズマンはベアークローを捨て、彼のアドバイスを無視し自分のファイトで戦い試合を優位に進めるが、30分以上のファイト継続でショートする弱点を突かれキン肉マンに敗北する。原作では回想コメントでウォーズマンを「ウスノロ」と評し、自身による打倒キン肉マンを誓っていたが[16]、アニメではそれまで疑問に感じていたキン肉マンの実力による勝利と自分の呪縛から解放され闘ったウォーズマンに敬意を表し、2人との友情を結んだほか、3度の敗戦により相手をリスペクトすることを覚えた。完璧超人始祖編でネメシスと戦った際はアニメ版と同じく、ウォーズマンが負けた際に相手をリスペクトする精神を得たことを語っている。
主な特徴
獲物は逃がすな[1]
相手の誘いには絶対にのるな[2]
円は直線を包む[3]
いなす時は柳の如く[4]
ピンチの直後は最大のチャンス[4]
相手のパワーは最大限に利用せよ
『キン肉マン』におけるロビンマスク
作中以前
超人オリンピックチャンピオン時代
世界放浪時代
バラクーダ
アイドル超人として
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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