ロストワールド_(漫画)
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『ロストワールド』は、手塚治虫SF漫画作品。副題は「前世紀」。
概要

本作品には、執筆時期の異なる複数の版が存在する(後述)が、通常「手塚治虫の『ロストワールド』」と言った場合、不二書房から1948年に発売された単行本を指す。この不二書房版は、翌1949年に発売された『メトロポリス』、1951年発売の『来るべき世界』と共に「初期SF三部作」と呼ばれる、手塚治虫初期の代表作である。ただしストーリーや登場キャラクターは、手塚が少年時代から書きためていた習作、俗に「私家版」と言われる作品を踏襲している。その内容は、豊富なSFガジェット、また悲劇的・破局的な終幕など、当時の漫画には見られなかった要素を多々含んでいた。少年時代の手塚が「私家版」冒頭に掲げた「これは漫畫に非ず 小説にも非ず」という一文に、その自負がうかがえる。

なお、本作品はアーサー・コナン・ドイルの小説『失われた世界(LOST WORLD)』と直接の関係はない。手塚は「私家版」執筆当時、「ロストワールド」のタイトルだけを知ってこれを拝借したもので、「私家版」ではタイトルを「ROST WORLD」と綴っていたという[1]。関西輿論新聞版にも「The Rost World」という表記が見られる。
5つの『ロストワールド』

手塚治虫は、『ロストワールド』を5回にわたり執筆したとしており[2]、そのうち4つが公表されている。
第1号(私家版)
手塚によれば、執筆は「北野中学二、三年の頃」[3][注釈 1](後述するように、実際の執筆時期は北野中学卒業後の1945年夏だとする説がある)。確認される最古の版。当然ながら商業出版を前提としたものではなかったが、保管されていた原稿が1982年に名著刊行会から単行本化され、手塚の死後1994年に手塚治虫漫画全集にも収録された。ただし、原稿は単行本化の時点で一部が欠損している。
第2号(私家版改訂版)
手塚によれば、昭和18年(1943年)から19年(1944年)にかけて執筆したもの[3](後述するように、実際の執筆時期は戦後の1946年夏だとする説がある)。本格的な装丁が施され、手塚の友人たちの間で読まれていたが、のちに紛失したとされ現存しない。
第3号(関西輿論新聞版)
『関西輿論新聞』(後の『新関西』)1946年10月21日付より連載[5]、全39回であるが最終回の掲載日は不明[6]。版元都合により連載が中断し未完。2回分の切り抜きが現存していたことは知られていた[7][8]。後に手塚治虫自身の遺品のスクラップブックから全39回のうち第1回含む35話分の切り抜きが遺されている事が判明した。第7回、第23回、第38回、第39回の4話分全部と第21回の一部は欠損していた。2020年4月の『手塚治虫アーリーワークス』に現存する話全てが収録された。連載第1回の標題は「長篇物語 ロスト・ワールド The Rost World」[9]。プロットは先行して書かれた私家版、2年後に書かれた不二書房版のいずれとも大幅に異なる[注釈 2]。手塚の回想によれば毎日8コマ連載で、打ち切りの理由は紙不足で新聞がブランケット判からタブロイド判になり、紙面に余裕がなくなったためという。また、次第に『私家版』の構想を離れ、のちの不二書房版とも異なる独自の展開となり、打ち切り直前には、敷島博士の子を妊娠したあやめが、人間の姿を保つことができなくなって樹の姿になってしまい、木の子、つまりキノコを産み落とす、という展開になっていたという[10]。ただし、現存する切り抜きにそのような場面はない。
第4号(不二書房版)
1948年12月に不二書房から書き下ろし単行本として発売、「地球編」「宇宙編」の全2巻から成る。一般に『ロストワールド』として挙げられるのはこの版であり、手塚治虫漫画全集への収録を含めてたびたび復刻されている。執筆自体は『地底国の怪人』『魔法屋敷』(共に1948年2月発売)の直後に行われたが、内容が難しいなどの理由から単行本化が一時先送りされていた。しかし実際に発売されると、すぐに前後編合わせて40万部を売り上げ、『週刊朝日』などにも取り上げられるベストセラーとなった[1]
第5号(冒険王版)
1955年に秋田書店の「冒険王」誌で、『前世紀星』のタイトルで連載、未完。2010年に国書刊行会より復刻された。

これらの作品は大筋において共通するが、細部の描写はそれぞれ微妙に異なっている。手塚治虫の初期漫画作品の中には、『月世界紳士』(1948年、リメイク版1951年)や『地底国の怪人』(1947年、リメイク版は『地球トンネル』1951年、『アバンチュール21』1970年)のように、手塚自身によるリメイク作品が幾つか存在するが、『ロストワールド』は、その回数において最たるものである。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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