ロシア語のラテン文字表記法
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

ウィキペディア日本語版におけるロシア関連記事の表記法については、Wikipedia:外来語表記法/ロシア語をご覧ください。

ロシア語のラテン文字表記法(ロシアごのラテンもじひょうきほう)では、ロシア語の表記に用いられるキリル文字ラテン文字へと翻字する方法について記述する。これはロシア人の名前やロシア関連事物を非キリル文字で記すために必要となる。

ラテン文字表記法はキリル文字の入力機能を持ち合わせていないコンピュータにおいてロシア語の文章入力を行う際に必要となる。また、キリル文字用キーボードに慣れたロシア語話者にとってはQWERTY配列キーボードなどの通常の文字配置と異なるキーボードではタイピング速度が落ちるため、ロシア語話者はQWERTY配列キーボードにおいてもロシア語入力キーボードのキー配列に沿ってタイピングを行い(この時点では意味のない文字列となる)、自動変換ツールを用いてキリル文字へと変換する方法をとっている。
キリル文字の体系的なラテン文字変換法
学術分野で使用される変換法詳細は「学術分野におけるキリル文字変換法(英語版)」を参照

学術分野で用いられている「国際学術システム」は19世紀以降言語学において使用されている方法である。この表記法はチェコ語アルファベットを基にして作成されており、GOST規格ISOの基礎となった。
GOST
GOST 16876 (1971)詳細は「GOST 16876-71(英語版)」を参照

「GOST 16876-71」は測量や製図の際に使用する表記法としてソビエト連邦閣僚会議が制定し、30年以上の間使用された。この方法は唯一ダイアクリティカルマークを使用しない表記法だった。後にGOST 7.79-2000へと変更された。
ST SEV 1362 (1978)

GOST 16876-71とほぼ同じ表記法であり、COMECONの公式表記として採択された。



GOST 7.79 (2002)

GOST 7.79-2000はラテン文字翻字に関するGOST規格の最新版であり、公共案内や司書の図書館公務、ラテン文字を使用してキリル文字の翻字を行う際の出版基準などに採用されている。GOST 7.79-2000はISO 9:1995を採用しており、ロシア独立国家共同体 (CIS)の公式標準表記法として用いられている。
ISO詳細は「ISO 9」を参照
ISO/R 9

ISO/R 9は1954年に発行され、1968年に改訂が行われた。ISO/R 9は国際標準化機構 (ISO)により採択された。ロシア語及び他の7つのスラヴ諸語についてキリル文字変換法を制定している。
ISO 9

ISO 9:1995は国際標準化機構が現在使用する標準表記法である。これは前代のISO/R 9:1968を基にしているが、ロシア人にとってはISO/R 9:1968とISO 9:1995は5つの新たに加わった文字を除いて全く同じものであり、ISO 9:1995は軽視される傾向にある。ISO 9:1995は初の言語から独立した表記法である。ダイアクリティカルマークも使用してロシア語のキリル文字とラテン文字を一文字ずつ一対一で対応させた誤変換の起こりにくい表記法であり、キリル文字の文章を他言語の文字へと変換できるようになっていた。
国際連合によるラテン文字表記法

国際連合地理学に関する専門家組織であるUNGEGN1987年に、GOST 16876-71(英語版)の1983年版を基にした地名に関するラテン文字表記法を提案した。この表記法は国際的な製図書などに見られる。
ALA-LC詳細は「ALA-LCによるロシア語のラテン文字表記法」を参照

アメリカ図書館協会アメリカ議会図書館 (ALA-LC) のスラヴ諸語に関するラテン文字変換表 (1997年改訂) は1975年以来北アメリカの図書館やイギリスの図書館で使用されている。

公式には明確化のためにいくつかのダイアクリティカルマークやダブルインバーテッドブリーブを制定しているが、実際には省略されることも多い。
British Standard

「British Standard 2979:1958」はオックスフォード大学出版局が使用するラテン文字表記法であり[1]、1975年まで収蔵した出版物の分類においてイギリスの図書館で使用された (近年の出版物にはアメリカ議会図書館の制定した変換法が使用されている)[2]
BGN/PCGN詳細は「ロシア語のBGN/PCGNラテン文字表記法(英語版)」を参照

BGN/PCGN表記法は英語話者にとっては他の方法と比較すると発音を直感的に理解しやすい表記法である。多くの出版物で、ロシア人の名前をラテン文字表記へと変換する際に用いられる方法である。「e」を「yo」と変換、単語の末尾に付く「-iy」や-yy」を「-y」と簡略化し、「ъ」や「ь」を表記する際に用いるアポストロフィーを省略するなど簡略化した表記法となっている。曖昧さ回避のために中黒 (・) が使用されるほかはダイアクリティカルマークなどの特殊文字を使用することもなく、基本的な文字と句読点のみ搭載している英語仕様のキーボードでも使用できるようになっている。

この表記法はアメリカ地名委員会イギリス地名常置委員会によって制定されたBGN/PCGNラテン文字表記法の一部である。ロシア語関連の表記法は1944年にBGNで、1947年にPCGNに採択された。
ロシアのパスポートに見られる変換法
旧表記法 (1997?2010)


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:18 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef