ロケットガール
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ロケットガール
ジャンル
ハードSF[1]
小説
著者野尻抱介
イラスト山内則康(旧版1巻)
むっちりむうにい
出版社富士見書房
レーベル富士見ファンタジア文庫
刊行期間1995年3月10日 - 2007年8月20日
巻数旧版:全3巻
新装版:全4巻
アニメ
原作野尻抱介
監督青山弘
シリーズ構成中瀬理香
キャラクターデザインむっちりむうにい(原案)
大下久馬
メカニックデザイン竹内敦志、垪和等
音楽光宗信吉
アニメーション制作ムークDLE
製作ハピネット
放送局WOWOW
放送期間2007年2月21日 - 5月17日
話数全12話
テンプレート - ノート
プロジェクトライトノベルアニメ
ポータル文学アニメ

『ロケットガール』シリーズは、野尻抱介による日本ライトノベル。イラストは山内則康むっちりむうにいが担当。富士見ファンタジア文庫富士見書房)より1995年3月から2007年8月まで刊行された。内容は女子高生が宇宙飛行士となって活躍するSFである。

2007年2月21日から5月17日までWOWOWテレビアニメ版が放送された。
ストーリー
第一巻
とある宇宙開発団体「ソロモン宇宙協会(通称SSA)」は、南
太平洋にあるソロモン諸島の島・アクシオ島で、日本初となる有人ロケットの打ち上げを計画していた。しかし、計画は思うように進まず失敗の連続。責任者である所長・那須田勲の元に日本政府から「失敗したら計画を打ち切る」との通達が届く。失敗続きの新型ロケット「LS-7」の代わりに、実績がある旧型ロケット「LS-5」を導入する決意を固めた那須田たち。しかしLS-5はパワーが不足しており、宇宙飛行士の1人である安川晴行の体重を78kgから50kgに減量するよう指示するが、当の安川は恐れをなして逃亡する。那須田と医学主任の旭川さつきは、安川を追う途中、森田ゆかりに遭遇。彼女は東京在住の女子高校生であったが、彼女の父親がこの島で失踪したことから、それを探しに来たのである。ゆかりの体重が40kg以下であることを知った那須田たちは、ゆかりを言葉巧みに勧誘し、簡単なバイトと称して無理矢理宇宙飛行士の訓練を受けることを認めさせる。彼女は父親が見つかるまで、ということで訓練に取り組むが、その最中のサバイバル訓練で地元住民の部落に入り、そこで父親が酋長になっていることを発見。ついでにそこで妹に当たるマツリを見て、自分とほぼ同じ体格であることから、彼女を自分の代役にしようと勧誘、彼女も同意する。ゆかりはこれを機に訓練をやめようと考えていたが、父親に帰るよう説得したときに、「お前がその仕事をやり遂げたら」と言われ、やむなく続ける羽目に。あまり乗り気でなく訓練を続ける二人だったが、次第に周囲の人々のロケットにかける情熱や熱意を知り、積極的にそれに向かうようになる。そして初めての発射が迫る。数度の中止の後、初めてゆかりは宇宙に出るも、アクシデントが生じたことで、予定通りに帰ることが出来なくなる。様々な試行錯誤のあげく、とうとう予備機でマツリが救出に向かい、二人は無事に帰還するのだった。
第二巻
ゆかりとマツリが宇宙から戻ると、そこはなんとゆかりの母校、そこで宇宙帰りの実験動物の世話をしてもらったことから三浦茜が知り合いになり、茜は宇宙飛行士を目指すことに。彼女は天才的頭脳を持っていたが、体力に難があった。そこでSSAがわはゆかりも体験したサバイバル訓練を実施、彼女は何とかこれをクリア。こうして宇宙飛行士が三人体制となったところに、アメリカから冥王星に向かう予定の無人探査機の修理の依頼が来る。修理中に部品が狭いところに入り込んで、通常の宇宙服では修復不可能になったのである。さっそく茜にその任が下される。ミッションはあっさりと成功。彼女らはアメリカ船のクルーに歓迎される。しかしまたもトラブル発生、無人ロケットが勝手に暴発する。このままでは無人探査機の計画が失敗するが、すでに無人機はさらに高い軌道に入っており、そのままでは近づいて修理することが出来ない。そこで茜のアイデアが活路を見いだす。
第三巻
ロケットガールたちのデビューから1年、そのアイドル的人気と軽量の利点を売りにSSAが造った路線にフランスが乗り出した。国内のリセエンヌから選りすぐりの五人、スキンタイトではないものの体の線に近い宇宙服で宇宙活動に乗り出した。そして打ち出した計画が月の極への有人探検の計画で、これにサポートとしてロケットガールたちが参加することに。その基地への移動中、飛行機事故に遭遇、うまく切り抜けるがここでフランス宇宙飛行士のリーダー、ソランジュと遭遇、鼻っ柱の強い同士のゆかりと対立が始まる。さて、基地に入って訓練を始めると、フランス側二人が脱落。人気者になったので遊び回り、妊娠していたのである。絶望して投げ出そうとするソランジュをゆかりがいさめ、細部の変更で何とか計画を実行に移す。
主な登場人物
森田 ゆかり(もりた ゆかり)
- 仙台エリ[2]本作の主人公。16歳。名門ネリス女学院に通っていた。行方不明となった父親を探すためソロモン諸島に乗り込んだが、ひょんなことから宇宙飛行士になってしまう。本人は「普通」と思い込んでいるが、実際には派手な所もあり、大胆不敵。意地っ張りな性格の持ち主だが、姉御肌の一面も。当初はバイトということで宇宙飛行士をしており1回飛んだら学院に復学するつもりだったが、飛行後バイトをしていたことがバレて(ネリス女学院はバイト禁止)退学処分になったため、そのまま飛行士を続けることになった。原作文中においてはロングヘアーと表記されているがむっちりむうにいが挿絵を描いた新装版とアニメでは肩に僅かにかかる程度の長さに変更されている。
マツリ
声 - 生天目仁美[2]16歳。アクシオ島在住のタリホ族。酋長(ゆかりの父)と魔法使い(シャーマン)の娘で魔法使い見習い。ゆかりの異母妹で、ゆかりとともに宇宙飛行士になる。性格は楽天的で天然ボケだが、サバイバル知識とシャーマンの血を受け継いだ動物的勘で仲間達をバックアップする。身体能力は3人の宇宙飛行士の中で1番で、対G検査では13Gもの高加重に耐えたほどである。野生生活からごく短期間でゆかりのバックアップを務められるなったように頭は決して悪くないが、しばしばタリホ族の伝統的アニミズムに基く言動でゆかりやSSAのスタッフを悩ませる(ただ、それが現実と奇妙に符合していることも多い)。彼女の使う「魔法」は催眠術に類するものとして描かれており、整備スタッフの目をごまかして宇宙船に間食を持ち込んだりする。
三浦 茜(みうら あかね)
声 - 長谷川静香[2]ネリス女学院の生物部に所属する品行方正な優等生。内気で引っ込み思案の所があるが、ゆかりに宇宙飛行士にならないかと誘われたことをきっかけに宇宙飛行士を目指すことになった。適性検査で対G特性に問題があり4Gを超えると気絶してしまうことが判明、一旦は適性なしと判断されたが、その知識や思考能力、そして体格が3人乗りオービタに搭乗可能な軽量小柄なMS(ミッションスペシャリスト)を求めるSSAの希望にかなっていたこと、そして温和な性格がゆかりとマツリらの個性の強いメンバーの間をうまくまとめ安全率を高めるのではないかとの期待から採用となった。
那須田 勲(なすだ いさお)
声 - 菅生隆之[2]ソロモン宇宙基地所長。50歳。SSAの設立に携わった。手軽に宇宙旅行を楽しめる未来を描いている。ゆかりを宇宙飛行士としてスカウトしたのは半ば成り行きだったが、その後は彼女たちの若さと容姿がもたらす宣伝効果を最大限に活用する。原作文中では銀縁眼鏡をかけて薄毛が進行していると言う描写があるが、新装版とアニメでは眼鏡の装着は無く薄毛でも無い。
旭川 さつき(あさひかわ さつき)
声 - 柳沢真由美[2]ソロモン宇宙基地医学主任。29歳。見かけは大人しいが、中身は宇宙飛行士訓練と称した「いじめ」まがいの訓練を好むサディスティックな人物。外見を見ただけで即座に体格や体重を言い当てる特技をもつ。
三原 素子(みはら もとこ)
声 - 豊嶋真千子[2]ソロモン宇宙基地化学主任。34歳。ロケット燃料およびゆかりたちの着用する「スキンタイト宇宙服[注 1]」の開発を担当。薬品会社にいた彼女を那須田がスカウトした。しかし燃焼にこだわりすぎているせいか、燃料の改良を繰り返しエンジンテストの爆発事故頻発の原因となっている。ただ、非力なSSAのロケットで有人飛行を可能にするには彼女の開発した高効率な燃料が不可欠であり、しかも改良をやめさせようとすると燃料の生産を止めてしまうため、誰も彼女の開発衝動を止めることができずにいる。既婚者。
木下 和也(きのした かずや)
声 - 黒田崇矢[2]ソロモン宇宙基地主席管制官。44歳。ゆかり達を教える立場にある。スパルタ教育が信条で、ゆかり達には畏怖されている。実は子供のころから宇宙飛行士になる夢を秘めており、SSA参加の際に適性検査を受けたがわずかに不整脈の兆候が発見され、適性なしと判断され夢を断念している。
安川 晴行(やすかわ はるゆき)
声 - 田中一成[2]SSA所属の宇宙飛行士。航空自衛隊のテストパイロットを務めた経験がある。
黒須 俊之(くろす としゆき)
声 - 立木文彦ソロモン宇宙基地保安主任。重度のミリタリー・マニア。モデルは原作者・野尻抱介の元同僚であった築地俊彦
向井 博幸(むかい ひろゆき)
声 - 土門仁[2]ソロモン宇宙基地技術主任。35歳。かなりのメカマニアで、宇宙開発技術の話になると歯止めが利かなくなる。


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