ロケッティア
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アニメについては「ロケッティア (アニメ)」をご覧ください。

『ロケッティア』(The Rocketeer)は、アメリカン・コミックスのアクション、冒険、SF漫画の作品名、及びその主人公(クリフ・シーコード(Cliff Secord))のスーパーヒーローとしての呼び名、又はこの漫画を原作として1991年に封切られたアメリカ映画。漫画の作者はデイブ・スティーブンス。
概要

第二次世界大戦勃発前の1938年のアメリカ。スタント・パイロット(曲芸飛行を行う操縦士)だったクリフは、ある日謎の背負い式のロケットパック(飛行装置)を手に入れ、それにより生身で空を飛べるようになった。飛行中の彼は、断熱効果のある飛行服を着て、方向舵の役割を果たすフルフェイス型ヘルメットを被っているので、一般人には正体を知られていない。
映画

ロケッティア
The Rocketeer

監督ジョー・ジョンストン
脚本ダニー・ビルソン
ポール・デ・メオ
原作デイブ・スティーブンス
製作チャールズ・ゴードン
ローレンス・ゴードン
ロイド・レヴィン
製作総指揮ラリー・J・フランコ
出演者ビル・キャンベル
ジェニファー・コネリー
アラン・アーキン
ティモシー・ダルトン
ポール・ソルヴィノ
テリー・オクィン
音楽ジェームズ・ホーナー
撮影ヒロ・ナリタ
編集ピーター・ロンズデール
アーサー・シュミット
製作会社 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
タッチストーン・ピクチャーズ
シルバー・スクリーン・パートナーズW
ゴードン・カンパニー・プロダクション
配給 ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ
ワーナー・ブラザース
公開 1991年6月21日
1991年12月7日
上映時間約108分
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
製作費$40,000,000
興行収入 $46,704,056[1]
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1991年にアメリカで映画化された。

この映画では、ロケットパックはハワード・ヒューズが作らせた試作品であり、開発当初は燃料タンクが過熱により爆発するという問題を抱えていたが、燃料タンクの壁を二重にして冷却することで解決している。同時期にナチスが開発していたロケットパックにも同様の欠陥が存在していたが、それに先駆けて実用化に成功している。

また、試作機故に方向変換の方法についても未確定の状態であったようだが、クリフは友人の技師ピーヴィーが製作した方向舵付きのヘルメットを被る事により欠点を解消したという設定である。
ストーリー

1938年のロサンゼルスで、エディ・バレンタインの一味のギャングたちが航空王ハワード・ヒューズから「ロケットパック」の試作品を盗む。追跡する警察からの逃走中、運転手は停車し、飛行場にあった複葉機のコックピットにロケットパックを隠す。追跡が続く中、スタントパイロットのクリフ・シーコードの黄色と黒のジービーZ単葉機が破壊され、彼のエアレーサーとしてのキャリアに終止符が打たれる。映画スターのネビル・シンクレアは、ロケットパックを盗むためにバレンタインの手下を雇い、その在り処を探るために自分の怪物のような手下であるローサーを送り込む。一方、クリフと彼の飛行機整備士ピービーはロケットパックを発見し、飛行テストを開始する。

クリフのガールフレンドは女優志望のジェニー・ブレイクで、シンクレアの最新作に端役で出演している。最近起きた出来事が2人の関係に亀裂を生じさせている。撮影のスタジオでシンクレアはクリフがジェニーにロケットパックのことを話しているのを耳にし、彼女を夕食に招待する。その後、地元の航空ショーで、クリフはロケットパックを使って、クリフが仕事を失わないために彼の代役としてカーチスJNジェニー複葉機を操縦していた、年老いた友人マルコムを救出する。これにより、クリフは即座に注目を集めるようになるが、同時にシンクレアとFBIが彼を追うことになってしまう。

シンクレアはロケットパックを見つけるためにローサーをクリフとピービーの家に向かわせる。その直後にFBIが到着するが、クリフとピービーは逃走し、ローサーはピービーの設計図を盗む。その後、飛行場のダイナーで、クリフとピービーは数人のバレンタイン配下のギャングに監禁される。2人はジェニーとシンクレアのデートとロケットパックの捜索へのシンクレアの関与について知る。ダイナーの常連客たちはギャングたちを押さえ込むが、流れ弾がロケットパックの燃料タンクに穴を開け、ピービーがチューインガムで一時的に補修する。クリフはロケットパックを使いサウスシーズクラブに急行し、そこでジェニーに自分がロケッティアの正体であることを明かす。バレンタインの一味が到着し、その後の乱闘の中でシンクレアがジェニーを誘拐する。

シンクレアの家で彼はジェニーを誘惑しようとするが、彼女は彼を張り倒し、彼がナチスドイツのスパイであることを知る。彼女はすぐに再び捕らえられ、クリフに自分の命と引き換えにロケットパックをグリフィス天文台に持ってくるように言わされる。その直後、クリフはFBIに逮捕され、ハワード・ヒューズの元に連行される。ヒューズは、彼のロケットパックはナチスの科学者がまだ開発出来ていないものと同様の試作品であると説明する。彼はまた、ロケットパックを使って米国に侵攻する飛行特殊部隊を描いたナチスのプロパガンダ映画も見せた。彼はまた、FBIがヴァレンタインの一味を雇っているナチスのスパイをハリウッドで見つけようとしていると言い、クリフはそのスパイがシンクレアであることを説明する。ヒューズとFBIがロケットパックの返還をクリフに要求すると、クリフは逃走するが、うっかり自分の行先に関する手掛かりを残してしまう。

クリフは待ち合わせ場所に急行し、そこでシンクレアはクリフにロケットパックを引き渡すよう要求する。クリフはエディにシンクレアがナチスのスパイであることをバラし、激怒したバレンタイン一味はシンクレアに武器を向ける。しかし、シンクレアは、隠れていた重武装したナチスの部隊を出動させ、ドイツの飛行船ルクセンブルク号がシンクレアとナチスの舞台を避難させるために上空に現れる。クリフを密かに追跡していたFBIが突然現れ、彼らとギャングたちは力を合わせてナチスと戦う。シンクレアとローサーはジェニーを飛行船に引きずり込み逃走する。

クリフはルクセンブルクに乗り込むが、その後の格闘中にジェニーが誤って発煙弾を発射し、飛行船の艦橋に火事が起きてしまう。シンクレアはジェニーを人質に取り、クリフにロケットパックを引き渡すよう強要し、クリフは燃料漏れを補修していたチューインガムを密かに取り外した上でロケットパックをシンクレアに渡す。シンクレアはロケットパックを装着して飛び立つが、漏れた燃料に引火し、墜落死する。ルクセンブルク号の爆発によりローサーは死亡するが、クリフとジェニーはピトケアンPCA-2オートジャイロを操縦するハワード・ヒューズとピービーによって間一髪救出される。

その後、ヒューズはクリフに新品のジービーZエアレーサーとビーマン印のガムをプレゼントする。ヒューズが去ると、ジェニーはシンクレアの家で見つけていたピービーの盗まれたロケットパックの設計図を彼に返す。ピービーは、何点か改善すれば、更に優れたものを作れると言った。
登場人物
クリフ・シーコード(Cliff Secord)
本作の主人公。クリフは愛称であり、本名はクリフォード。成功を夢見る航空機レースのパイロット。墜落防止のお守り代わりに、自分が噛んだチューインガムを尾翼に付ける癖がある。ピーヴィーの新型飛行機でレースに出場しようとしていたが、飛行機を壊され、曲芸飛行で生計を立てることになってしまう。そのときに偶然発見したロケットパックで彼はロケッティアとなる。ちなみにロケッティアと言う名は、航空ショーの主催者ビゲロがパイオニアと書かれた看板を見て思いついた名前。女優のジェニーと付き合っている。
ジェニー・ブレイク(Jenny Blake)
ハリウッドの売れない女優であり、クリフの恋人。クリフが出会うときはスランプに喘いでおり、演技もいまひとつで何度もミスをし、いわゆる降ろされる寸前のクビ寸前だった。クリフと出会うときはあまりのミスから涙を流しながら名乗っている。ネヴィル・シンクレアのファンでもある。ネヴィルの新作「笑う義賊」でセリフのある役を貰えたが、プロデューサーの姪にコネでその役をとられてしまった(プロデューサーの姪は酷い大根役者で、彼女のセリフがあるシーンは28回も撮り直している)。クリフがロケッティアであることを知ったネヴィルが彼女に近付く。
ピーヴィー(Peevy)
クリフの親友のメカニック。ピーヴィーは愛称であり、本名はピーボディ。GEE・BEE機の開発者。クリフにとって父親のような存在でありピーヴィーもクリフを息子同様に可愛がっている。メカニックとしての腕は確かで天才を自称するほど。ロケットパックに改良を施し、方向舵付きのヘルメットを開発した。ロケットパックを更にパワーアップさせるための設計図は開発者のハワード・ヒューズも感心するほど。
ハワード・ヒューズ
実在の大富豪。シラスX-3の開発者であり、本来は(自分がやりたいからというのもあったが)誰もが飛べる時代を夢見て開発したが、実験飛行で死者を2人も出し、更に政府が兵器転用する気満々であることを察知し、実用化を急かす政府の役人に対して設計図を焼却処分することで自らの意思を表明した。その後もクリフたちと接触し、協力している。
ネヴィル・シンクレア(Neville Sinclair)
表向きはハリウッドの売れっ子俳優。


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