ロウニンアジ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ロウニンアジ(浪人鯵、学名:Caranx ignobilis )は、スズキ目アジ科に属する海水魚の一種。インド太平洋の熱帯・亜熱帯海域に分布する大型肉食魚である。
アジ類の中では最大種であり、釣りの対象として人気が高い。 和名は、単独行動する大型個体を浪人武士に見立てた、いかつい顔に前鰓蓋骨の線が入っている様子を、切り傷跡のある浪人に見立てたという説もある[2]。 スクーバダイビングや釣りの愛好家の間では英名をそのまま使って Giant trevally (ジャイアント・トレヴァリー)、さらに頭文字をとって GT (ジーティー)とも呼ばれる。他に地方名としてメッキ(若魚・混称)、ヒラアジ/エバ(各地・混称)、マルエバ(各地)、カマジャー(沖縄)、ガーラ(宮古島)などがある[3][4][5]。 成魚は最大全長180cm・体重80kg以上に達する。1980年1月14日にハワイにて86.6kg(191lb)の個体が捕獲された記録がある。ギンガメアジ、カスミアジ、オニヒラアジなど大型種を含むギンガメアジ属でも最大種である[4][6]。第二背鰭の軟条数が18-20である点で、同属種のオニヒラアジ(21-23)と区別できる。 体は側扁して体高が高く、頭部は口先のなす角度が鈍く、小さい目と大きい顎をもつなど、アジというよりマダイなどに似た顔つきである。成魚の体色 若魚は体型が円形に近く、「メッキ」という地方名の通り体が銀白色で、腹鰭・尻鰭・尾鰭が黄色を帯びる[3][6][7]。 アフリカ東岸・南日本・ハワイ諸島・マルキーズ諸島・オーストラリア北部までのインド太平洋海域に広く分布する[6]。日本近海では関東地方沿岸まで若魚が到達するが、ここでは繁殖できずに冬の寒さで死滅してしまう、いわゆる死滅回遊魚である。ただし、工場などから温かい排水がある水域では生き残ることもある[5]。 水深100mまでの浅い海に生息する。若魚は内湾で群れをなして生活し、しばしば河口などの汽水域にも進入するが、成魚は外洋に面した沿岸域を単独で回遊する[7][8]。大型個体はサンゴ礁や岩礁の、急激な水深の落ち込みがある場所で見られることが多く、巨体がよく目立つ。食性は肉食性で、小魚・甲殻類・頭足類・鳥類などを捕食する。サメやアザラシの近くを泳ぎ、獲物を横取りすることがある。鳥類を捕食する際には、時折大きなブリーチングを見せることがある。 大型個体はスクーバダイビングの鑑賞対象として、また巨体と引きの強さから釣りの対象としても人気が高い。釣り人の中には体重50kgを超える大物を求め、南西諸島や小笠原諸島など熱帯の島嶼部に遠征する者もいる。
名称
特徴
体は側扁する
体色が黒ずんだ個体
生態
利用
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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