この項目では、イギリスの通信社について説明しています。親会社については「トムソン・ロイター」を、その他の用法については「ロイター (曖昧さ回避)」をご覧ください。
ロイター
ロイター本社, カナリー・ワーフ, ロンドン
種類事業部制
業種通信社
設立1851年10月
本社カナリー・ワーフ, ロンドン, イギリス
所有者トムソン・ロイター
従業員数2,500
ロイター(英語: Reuters)は、イギリスのロンドンに本社を置く通信社。カナダのトムソン・ロイターの一部門。AP通信、フランス通信社(AFP)と並んで世界最大の通信社のひとつである[1]。
ユダヤ系ドイツ人のポール・ジュリアス・ロイターが設立したイギリスの報道および情報提供企業。通信部門が有名だが現在では市況速報を手がけていたことから派生してきた金融情報の提供や、それに付随する事業の比重がむしろ大きくなっている。カナダに本拠を置く大手情報サービス企業であるトムソンに買収されたことにより2007年5月15日にトムソン・ロイターとなったが、金融情報・報道部門では引き続き「ロイター」ブランドが使用されている。 ユダヤ系ドイツ人のポール・ジュリアス・ロイターはフランスのアヴァス通信社(現フランス通信社)で通信社の経営を研究した後、ロンドンに移り「正確かつ迅速」なニュースの集配で信用を築く。1851年には英仏海峡における海底ケーブルを使ってパリの相場情報、ロンドンの金融情報を各地に配信を開始した。金融街における信用を築き東方への道を開いたロイターは1870年に元の勤務先、及びドイツのヴォルフと市場分割協定を結びAP通信(1892年に発足)が基盤を持つアメリカを除く世界のニュースを3社で独占。この「大同盟」は、APに破られるまでロイターの世界支配の基盤となった。このためテリトリーとなる極東にはアジア・ハイウェイ(上海 - 長崎、ハバロフスク - 長崎)が上陸してすぐに、幹部を派遣して視察している(支局については不明な点が多い)。彼等の目論見どおり日本の新聞社は外信を欲し中国・日本における「ロイテル電(路透電)」はロイターのドル箱となり、この「宗主国」を富ませていた。 日本との関係では、1872年(明治5年)、欧州からの海底ケーブルの敷設に併せ、長崎、神戸、横浜に支局を開設した[2]。 日清戦争期の1894年7月26日に青木周蔵と密約を交わしている[3][注釈 1]。内容は五箇条である。4が契約として曖昧な項目となっている。 1899年、国内10紙と契約[4]。東京日日新聞、日本新聞、萬朝報、東京朝日新聞、毎日新聞、中央新聞、都新聞、国民新聞、中外商業新報、報知新聞[注釈 2]。
歴史
ロイター通信社
日本との関係
青木は、日本政府が公式に発表するニュースをロイターだけに提供する。加えて、日本の近代化を深く理解できる出版物と、政治・軍事に関する特別電報とをロイターへ送るよう日本政府へ働きかける。
ロイターは、政治関係電報を公表前に青木に知らせる。国益に関わるものはロイター社独自に集めた情報も与える。
日本政府は毎月50ポンドをロイターに支払う。
ロイターは日本の財政と商業の必要に応える。
契約は1894年8月1日から1年間有効とする。