レモジョ星系人
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .pathnavbox{clear:both;border:1px outset #eef;padding:0.3em 0.6em;margin:0 0 0.5em 0;background-color:#eef;font-size:90%}.mw-parser-output .pathnavbox ul{list-style:none none;margin-top:0;margin-bottom:0}.mw-parser-output .pathnavbox>ul{margin:0}.mw-parser-output .pathnavbox ul li{margin:0}ウルトラセブン > 平成ウルトラセブン

平成ウルトラセブン(へいせいウルトラセブン)は、1994年3月21日放送の『ウルトラセブン 太陽エネルギー作戦』から始まる一連のテレビスペシャルおよびオリジナルビデオとして円谷プロダクションが製作した特撮ドラマ。
概要

TBS系テレビドラマとして製作された旧作とは異なり、バップ日本テレビの企画によるテレビドラマおよびオリジナルビデオとして製作された。『電光超人グリッドマン』(1993年)のスタッフも多数参加して制作されている[1]

本シリーズは『セブン』の本放送当時の設定である「『ウルトラマン』および『帰ってきたウルトラマン』以降のシリーズ」とは切り離した世界観の上で展開されたストーリーであり、セブン以外のウルトラ戦士は地球を訪れておらず、セブンが地球を去った後の地球防衛はウルトラ警備隊がその後も解散すること無くずっと担っていたというパラレルワールドの設定[注釈 1]となっている。

バブル崩壊後、数多くの映像作品が低予算で製作される事態になったが、平成不況期に企画された本シリーズもこの構図に該当。ビデオ撮影だったり、CGシーンがなかったりするなど低予算体制での製作となった。

そのような悪条件でありながらも、『ウルトラマンレオ』以来のセブン=モロボシ・ダンの約20年ぶりの復活や旧作レギュラー陣の再登場、世代交代したウルトラ警備隊のメンバーなどといった話題の多い意欲作であり、『セブン』の強いメッセージ性などは健在である。

製作された作品は以下の通り(記順は発表順)。

テレビスペシャル

ウルトラセブン 太陽エネルギー作戦

ウルトラセブン 地球星人の大地


オリジナルビデオシリーズ

ウルトラセブン誕生30周年記念3部作

ウルトラセブン1999最終章6部作

ウルトラセブン誕生35周年“EVOLUTION”5部作

このうち、テレビスペシャルと『ウルトラセブン誕生30周年記念3部作』は、かつての『セブン』を彷彿させる明るい作風である。『ウルトラセブン1999最終章6部作』はやや重い物語となり、『ウルトラセブン誕生35周年“EVOLUTION”5部作』ではダンが登場しないばかりか地球防衛軍が実質壊滅しているなどハードな物語を展開している。

劇伴音楽は『誕生30周年記念3部作』まではテレビシリーズのものを流用していたが、テレビシリーズがモノラル放送で当時は劇伴の商品化を考慮していなかったために楽曲はモノラルで録音されていた。そのため『1999最終章6部作』では冬木透の手によりテレビシリーズのオリジナルスコアを用いて新たにステレオによる録音が行われ[2][注釈 2]、『“EVOLUTION”5部作』ではこれを流用している(オープニングテーマのみリミックスされた)。
シリーズ構成作品の紹介
ウルトラセブン 太陽エネルギー作戦

通商産業省資源エネルギー庁とタイアップして製作し、1994年3月21日(太陽の日)の午前10:30-11:25に日本テレビ系列で全国放送された。

テレビ作品としては『ウルトラマン80』以来の新作。通産省(当時)資源エネルギー庁とのタイアップ番組であり、環境問題と未来におけるエネルギー問題を軸に話が展開された。

セブンの起用は、太陽エネルギーを吸収する胸部のプロテクターを通産省関連のソーラーシステム振興協会が振興事業として進めるソーラーシステムに見立てたことによる[4][注釈 3]もので、セブンのキャラクターを活かした特番によってソーラーシステムを周知させるというものであった[6][7]

本作品でウルトラ警備隊では世代交代によるメンバーチェンジが行われた。ダンの先輩格であるフルハシ・シゲルが隊長を務め、ダンの恋人・友里アンヌはウルトラ警備隊を退職して一児の母となっている設定で、テレビシリーズのオリジナルキャストである毒蝮三太夫ひし美ゆり子が、それぞれ当時と同じ役で出演している。その他、「地球環境保全委員会」における解説者として東京大学名誉教授の竹内均が特別出演(視聴者向けの温暖化問題の解説を兼ねたシーンでの登場)した他、同委員会のメンバーとして『ウルトラマン』に出演していた黒部進(ハヤタ / ウルトラマン)、桜井浩子(フジ・アキコ)、二瓶正也(イデ)、『ウルトラQ』に出演した佐原健二(万城目淳)と西條康彦(戸川一平)、当時の円谷プロダクション社長・円谷皐がゲスト出演している。

ウルトラ警備隊の隊員は、当初は一般に向けて隊員募集が告知され、およそ3000人の応募があったというが、最終的にはプロの俳優である松山鷹志に落ち着いた[6]

放映時には、作品終了後に政府の広報コーナーがあった。後に大阪府知事になる太田房江が登場した。
あらすじ
ウルトラセブンが去ってから約30年後の地球。何者かの攻撃によって負傷したセブンが、墜落という形で地球に再来。一方、地球環境保全委員会に出席したフルハシ隊長は、そこでハイパーソーラーシステムの爆破事故に遭遇する。原因不明の爆破事故を宇宙人の仕業と考えたウルトラ警備隊は調査を開始。そしてその夜、アンヌの息子ダンは森の中で謎の少女と怪獣を目撃する。それはピット星人の新たなる侵略計画の始まりだった。
備考
撮影は1994年1月に行われ、同年3月10日過ぎに完成した[6]。また、編集やアフレコの手間を省略するためにビデオ撮影で行われたが、回想シーンで過去のフィルム映像を挿入する必要があったことから、フィルム映像に近く見えるように加工されている[8]
ウルトラセブン 地球星人の大地

前作同様に資源エネルギー庁がタイアップし、1994年10月10日の午前10:30-11:25に日本テレビ系列で全国放送された。

今回は前作とは異なり、クリーンエネルギーと謳っているが、スポンサー色を前作ほどに出さないものとなり[6]、ゴミ問題とリサイクルを軸に話が展開し、前作ではナレーターおよびセブンの声でのみの出演だった森次晃嗣が、ダンとして26年ぶりに出演した。代わりのナレーターには『セブン』テレビシリーズでナレーターを担当した浦野光が復帰した。

ダンの登場は第3弾の特番の構想があったことによるものであり、新しい人物がセブンという存在を継承するという流れが考えられていた[6]
あらすじ
北川市郊外の湖に突如として恐竜が出現。ウルトラ警備隊は恐竜を冷凍化し、環境生態学のトネザキ教授に調査を依頼するが、恐竜は忽然と姿を消してしまう。同じころ、トネザキの前には謎の2人の男女が現れ、恐竜を復活させたのは自分たちだと告げた。ゴミの出ない理想の未来都市「エコポリス」を見せた彼らに、地球環境の悪化に思い悩んでいたトネザキは理想実現のために協力するが、それはメトロン星人の恐るべき罠だった。
備考(2作品共通)


使用されたセブンのスーツはアトラク用のもの。プロテクターが薄くて溝で分割されておらず、凹部が金で塗られている。

バップより発売されたビデオソフト版には、「TV放映サイズ版」と「完全ノーカット版」がある。

ウルトラセブン誕生30周年記念3部作

1998年6月から8月にかけてバップオリジナルビデオとして発売。全3巻。

前作で消息不明となったセブン=ダンはこのシリーズで生存が判明し、第3話で地球防衛軍の参謀に昇格したフルハシと約30年ぶりの再会を果たすこととなる。

基本的には、ダンが旅をしながら遭遇した怪事件を調査していくロードムービーである。既にウルトラ警備隊を離れているダンが事件に関わるには様々な支障があることから、本シリーズではウルトラ警備隊の新人隊員であるカザモリ・マサキの姿を借り、従来のダンの姿と併用しつつ地球の平和を守るために活動。ウルトラ警備隊メンバーはテレビスペシャルから一新され、『セブン』と同じ6人編制となっている[6]
製作
プロデューサーの円谷昌弘や監督の神澤信一は『地球星人の大地』終了後にもう1本製作したいと考えており、テレビドラマ『ムーンスパイラル』で関係の深まったバップに働きかけオリジナルビデオとして製作されることとなった[9][6]。前作から4年ほど経っていたことから、神澤の提案による「記憶を失って放浪するダン」という設定を軸にプロットが作成された[10][6]。特番では、エコロジーの概念を地球の記憶と捉えていたため、それに転じて人間の姿かたちが進化の記憶を反映させたものとして、人間の内なるものと外なるものを対比させ、その図式をセブンと怪獣、セブンと宇宙人という対立項に結び付けている[6]。特番が実質50分の尺であったことから、大人層のユーザーを重視してドラマを深掘りできる60分枠をイメージしたという[6]。テレビ番組ではなくなったため、撮影では黒の色調をテレビ放送では許可が出ない極限レベルまで下げるなどして、明暗のコントラストをはっきりとさせた画面作りが意識された[8]
キャスティング
ウルトラ警備隊員役の出演者は、オファーでキャスティングされたシラガネ隊長役の南条弘二以外の5人はオーディションで選出された[4][6]。書類選考には1500人の応募があり[6]、オーディションの応募総数2000人におよんだ[4]。テレビスペシャルでカジ隊員役を演じた影丸茂樹は、シンジョウ・テツオ隊員役で出演した『ウルトラマンティガ』終了直後だったために出演を見送られている[4]
ウルトラセブン1999最終章6部作

1999年7月から12月にかけてバップのオリジナルビデオとして発売。全6巻。

物語冒頭でのフルハシの戦死を発端として、「地球を攻撃する意図を有する知的生命体がいると思われる惑星を先制攻撃することで地球を防衛する」という地球防衛軍の「フレンドシップ計画」を巡って、地球人と異星人、そして地球人同士の対立と葛藤を軸として物語が展開する。また、第1話では前シリーズでダン=セブンがその姿を借りたこともあるカザモリも、セブンの目の前で戦死する(重傷を負ったとの見方もある)。カザモリを治癒カプセルに収納したダンは再びカザモリの姿に変身し、ウルトラ警備隊員としてもっぱら行動するため、ダンはあまり登場せず、第3話では一度も登場していない。第6話ではかつて地球人の祖先が犯した大罪が明らかとなり、ダン=セブンは愛し愛された地球人を守るために悲しく重大な決断をせざるを得ない状況に追い込まれる。

タイトルの通り、本来は平成ウルトラセブンの最終章となるはずだったが[11][1]、3年後に続編『ウルトラセブン誕生35周年“EVOLUTION”5部作』が製作される。
製作
ストーリーは子供向けを意識せず、これまでよりも高度な内容が目指された[10]。フルハシが死亡する展開は、前作のダンとフルハシの別れのシーンを受けてダン=セブンが地球に戻ってくるための理由付けとして用意されたが、スタッフの中にはフルハシの死に反対する声もあり、それに応えるために第6話の展開が考えられた[10]。第6話の脚本では、フルハシの顛末について本来の脚本には不要なSF設定解説が2ページに渡って記載されている[10]。第6話は脚本第2稿まで旧作のキリヤマ隊長が登場することになっており[12]、演者の中山昭二が出演する予定だった[13]が、撮影期間中の1998年の12月に死去したために叶わなかった[14]。キリヤマの登場は、後に発売された小説版『ウルトラセブン EPISODE:0』にて描写されている[10]。この小説版ではアギラがザバンギ戦で登場しなかった理由も説明されている。前作よりも予算と製作時間が増えており、撮影用テープはBETACAMからDigital BETACAMに変更され、編集システムもインフェルノが導入されるなど、撮影機材の向上によってビデオ撮影でもより高度な映像効果が用いられている[8]。ウルトラホーク3号のミニチュアは本作品のために造られたものではなく、前作の後に井口昭彦が率いる特撮美術会社GAMで独自に制作していた[4]
テレビ放送
第5話が『ウルトラマン列伝』内で2013年4月3日地上波初放送された。ただし、30分尺の同番組に合わせた編集を経て放送されており[15]、ダンがカザモリの姿から戻るシーンもカットされている。
ウルトラセブン誕生35周年"EVOLUTION"5部作

2002年5月から9月にかけてバップのオリジナルビデオとして発売。全5巻。前作である1999最終章6部作から5年後の世界の物語。

前作のラストで宇宙の掟に背いて地球人を守ったがゆえにM78星雲の同胞から断罪され、馬の首暗黒星雲の闇の中に幽閉されたセブンの復活を描く。

本作品では「EPISODE:3」のラストまではセブンは宇宙空間で幽閉されているシーンが映るだけとなっており、第1巻は「EPISODE:4」を収録して復活したセブンの雄姿と地球防衛軍の壊滅という事実を提示。第2巻以降は「EPISODE:1?3、5」を順に収録することで、そこに至る経緯を示すという構成となっている。

本作品でセブンは馬の首暗黒星雲に幽閉されながらも、地球に残した自らの分身ともいうべきカザモリと合体して地球への帰還を果たす。地球に帰還後も人間体は合体したカザモリとなっているため、ダンは登場しない[注釈 4][注釈 5]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:256 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef