レムデシビル
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レムデシビル構造式
IUPAC命名法による物質名
IUPAC名

(2S)-2-{(2R,3S,4R,5R)-[5-(4-Aminopyrrolo[2,1-f][1,2,4]triazin-7-yl)-5-cyano-3,4-dihydroxy-tetrahydro-furan-2-ylmethoxy]phenoxy-(S)-phosphorylamino}propionic acid 2-ethyl-butyl ester

臨床データ
法的規制

US: Investigational New Drug(臨床試験用の新医薬品)

識別
CAS番号
1809249-37-3 
ChemSpider58827832
KEGGD11472
別名GS-5734
化学的データ
化学式C27H35N6O8P
分子量602.58 g・mol?1
SMILES

Nc1ncnn2c1ccc2C3(C#N)C(O)C(O)C(O3)COP(=O)(Oc4ccccc4)NC(C)C(=O)OCC(CC)CC

InChI

InChI=1S/C27H35N6O8P/c1-4-18(5-2)13-38-26(36)17(3)32-42(37,41-19-9-7-6-8-10-19)39-14-21-23(34)24(35)27(15-28,40-21)22-12-11-20-25(29)30-16-31-33(20)22/h6-12,16-18,21,23-24,34-35H,4-5,13-14H2,1-3H3,(H,32,37)(H2,29,30,31)/t17-,21+,23+,24+,27-,42-/m0/s1

Key:RWWYLEGWBNMMLJ-YSOARWBDSA-N

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活性本体GS-441524の構造式

レムデシビル(: Remdesivir、: 瑞コ西?、開発コード:GS-5734、商品名:ベクルリー(Veklury))は、新規ヌクレオチドアナログのプロドラッグで、抗ウイルス薬ギリアド・サイエンシズが開発し、エボラ出血熱及びマールブルグウイルス感染症[1]の治療薬としてだけでなく、一本鎖RNAウイルス(RSウイルスフニンウイルスラッサ熱ウイルスニパウイルスヘンドラウイルスMERSおよびSARSウイルスを含むコロナウイルス)に対して抗ウイルス活性を示すことが見出された[2]

追跡調査により、SARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2、2019-nCoV)を含む複数のコロナウイルス[3][4]およびニパウイルスとヘンドラウイルス感染症での抗ウイルス活性が明らかとなった[5][6]

GS-441524のモノホスホロアミダートプロドラッグ (monophosphoramidate prodrug) である。
背景 

2015年10月9日、アメリカ陸軍感染症医学研究所(USAMRIID)は、化合物GS-5734がアカゲザルのエボラウイルスを抑制したという、前臨床結果を発表した。西アフリカエボラウイルスの流行は、2013年から2016年まで続いた。

2007年からUSAMRIIDの主任研究員を務めている、Travis Warren は「この研究はUSAMRIIDとギリアド・サイエンシズとの継続的な協力関係の結果である」と述べている[7]。望ましい抗ウイルス活性を持つ分子を見つけるための「ギリアド・サイエンシズの化合物ライブラリー」を用いた「初期スクリーニング」は、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の科学者によって行われた[7]

その研究の結果、GS-5734は「潜在的な治療薬としての開発を継続するべきである」と推奨され、2015年10月7日から11日までサンディエゴ・コンベンションセンター(英語: San Diego Convention Center)で開催されたアメリカ感染症学会(英語: Infectious Diseases Society of America)(IDSA)の年次IDWeek会議で発表された[7]

エボラ研究はアメリカ合衆国国防総省の組織内で、バイオセーフティレベルが最大4である最高度封じ込め施設である、USAMRIID研究所で実施された[7]。この研究は、アメリカ国防脅威削減局および国防総省の医療対策システム合同プロジェクト管理室からの資金提供を受けている[7]
効果

研究室レベル(Laboratory tests)では、レムデシビルがSARS-CoVやMERS-CoVを含む広範囲のウイルスに対して効果的であることが示唆されている。この薬は、2013年から2016年の西アフリカエボラウイルスの流行での感染を治療するために推進された。安全であることは判明したが、エボラウイルス属に対してはあまり効果的ではなかった。
エボラウイルス

レムデシビルは、2013年から2016年の西アフリカエボラウイルスの流行のために臨床試験を急速に進められ、当時はまだ初期の開発段階にもかかわらず、少なくとも1人のヒト患者に投与された。予備的な結果は有望であり、2018年に始まったコンゴ民主共和国北キブ州でのエボラ出血熱流行の緊急事態の中で、病院での治験と共に、2019年8月まで使用された。コンゴの保健当局によると、モノクローナル抗体治療(mAb114やREGN-EB3など)に比べてその有効性は有意に低かった。しかし、この試験投与によって安全性プロファイルが確立された[8][9][1][10][11][12][13]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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