レミフェンタニル
レミフェンタニル
IUPAC命名法による物質名
IUPAC名
methyl 1-(3-methoxy-3-oxopropyl)-4-(N-phenylpropanamido)piperidine-4-carboxylate
臨床データ
販売名アルチバ(Ultiva)
Drugs.com
monograph
胎児危険度分類
AU: C
US: N
法的規制
AU: Controlled (S8)
CA: Schedule I
DE: Anlage III
UK: クラスA
US: スケジュールII
投与経路静脈内投与
薬物動態データ
生物学的利用能用法が静脈内注射のみであり、該当しない。
血漿タンパク結合70%が血漿中のタンパクに結合する。
代謝血漿又は組織中の非特異的エステラーゼによって分解される。
半減期1-20分
識別
CAS番号
132875-61-7
ATCコードN01AH06 (WHO)
PubChemCID: 60815
IUPHAR/BPS7292
DrugBankDB00899
ChemSpider54803
UNIIP10582JYYK
KEGGD08473
ChEBICHEBI:8802
ChEMBLCHEMBL1005
別名methyl 1-(2-methoxycarbonylethyl)-4-(phenyl-propanoyl-amino)-piperidine-4-carboxylate
化学的データ
化学式C20H28N2O5
分子量376.45 g・mol?1
SMILES
O=C(OC)C2(N(c1ccccc1)C(=O)CC)CCN(CCC(=O)OC)CC2
InChI
InChI=1S/C20H28N2O5/c1-4-17(23)22(16-8-6-5-7-9-16)20(19(25)27-3)11-14-21(15-12-20)13-10-18(24)26-2/h5-9H,4,10-15H2,1-3H3
Key:ZTVQQQVZCWLTDF-UHFFFAOYSA-N
物理的データ
融点5 °C (41 °F)
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レミフェンタニル(Remifentanil)は、強力な超短時間作用性合成オピオイド鎮痛薬である。アルチバという商品名で販売されており、後発医薬品もある。効能・効果は「全身麻酔の導入および維持における鎮痛」である。強力な鎮痛作用を持つが、単独では鎮静作用が弱く不確実なために他の全身麻酔薬の併用が必須である[1]。臨床使用されるオピオイドの中では最も作用時間が短く、術後残存による覚醒遅延のリスクが低い。発売時期が近い短時間作用性非脱分極性筋弛緩薬ロクロニウムと共に、麻酔臨床を一変させた薬剤の1つである。一方、作用時間が短すぎるために、術後鎮痛がレミフェンタニル登場後の麻酔科臨床上の課題となった[2]。「ロクロニウム」および「スガマデクス」も参照
レミフェンタニルは処置時の鎮静・鎮痛(日本では適応外)や、他の薬剤と組み合わせて集中治療室における人工呼吸中患者の鎮静、鎮痛にも使用される。レミフェンタニルと様々な鎮静薬や揮発性麻酔薬との相乗作用により、高用量オピオイド・低用量鎮静薬麻酔が可能になった。
適応レミフェンタニルはオピオイド鎮痛薬として使用され、速やかな効果発現と速やかな効果消失が特徴である[3]。レミフェンタニルは開頭手術[4]、脊椎手術[5]、心臓手術
[6]、肥満手術(Bariatric surgery)(英語版)[注釈 1][7]など、様々な手術に効果的に使用されている。鎮痛に関してはモルヒネも同様の働きをするが、レミフェンタニルの薬物動態[8]は術後の回復促進に貢献するものである[9]。
人工呼吸患者における鎮痛鎮静効果を比較すると、レミフェンタニルはモルヒネよりも優れているが[10]、フェンタニルよりも優れているわけではないとされた[11]。しかし、蓄積性の無さは大きな利点であり、元々手術時の全身麻酔のみへの適応であったのが、2022年9月に集中治療室における人工呼吸患者へも適応が拡大された[12]。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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