レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(英語: Renin-Angiotensin-Aldosterone System, RAAS)とは、血圧や細胞外容量の調節に関わるホルモン系の総称。レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系とも。
血圧低下や腎臓の循環血液量の低下に伴って、活性化される。 レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系
目次
1 機序
2 生体への作用
3 臨床意義
4 その他
5 脚注
6 関連項目
7 参考文献
機序
Naおよびそれに伴う水分の喪失で循環血流量が減少すると、腎臓の傍糸球体装置が血圧低下を感知し、傍糸球体細胞から分泌されるタンパク質分解酵素であるレニンを血液中に分泌する。
レニンは、肝臓や肥大化脂肪細胞から分泌されるアンジオテンシノゲン
レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系が活性化されると、さまざまな昇圧物質が分泌される。この系の亢進は、高血圧の原因の1つである。
アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬,ACE-I)は、アンジオテンシンII、IIIの産生を抑制し血圧上昇を抑制するため,高血圧の治療に用いられている。
アンジオテンシンIIの受容体をブロックするアンジオテンシン受容体ブロッカー(ARBs)も、血圧上昇を抑制するため、高血圧の治療に用いられている。
アリスキレンは、レニンの作用を直接阻害するとして、注目されている。
レニン-アンギオテンシンーアルドステロン系は塩分とそれに伴う水分の喪失により腎臓血流量が低下した場合に循環血流量を確保し重要臓器の機能を保持するためにおもに陸生哺乳類で進化した系統である。したがって、現代人のように塩分が過多の状況ではレニンおよびアンギオテンシンIIの分泌は抑制されている。
従って、塩分過多の高血圧症例ではアンギオテンシンII変換酵素阻害剤