レナリドミド
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レナリドミド (Lenalidomide)
IUPAC命名法による物質名
IUPAC名

(RS)-3-(4-amino-1-oxo-3H-isoindol-2-yl)piperidine-2,6-dione

臨床データ
胎児危険度分類

X (妊婦への投与は絶対禁忌)

法的規制

US: ?-only

投与経路経口
薬物動態データ
血漿タンパク結合30%
代謝腎臓
半減期3 h
排泄尿中 (67% 未変化)
識別
CAS番号
191732-72-6
ATCコードL04AX04 (WHO)
PubChemCID: 216326
DrugBankAPRD01303
ChemSpider187515
UNIIF0P408N6V4
KEGGD04687
ChEMBLCHEMBL848
化学的データ
化学式C13H13N3O3
分子量259.261 g/mol
SMILES

O=C1NC(=O)CCC1N3C(=O)c2cccc(c2C3)N

InChI

InChI=1S/C13H13N3O3/c14-9-3-1-2-7-8(9)6-16(13(7)19)10-4-5-11(17)15-12(10)18/h1-3,10H,4-6,14H2,(H,15,17,18) 

Key:GOTYRUGSSMKFNF-UHFFFAOYSA-N

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レナリドミドまたはレナリドマイド(英名: Lenalidomide)とは免疫調節薬 (IMiDs)。2005年に登場した。商品名レブラミド(セルジーン株式会社)。2013年現在、再発もしくは難治性の多発性骨髄腫(Multiple Myeloma: MM)[1]と5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群(del(5q)MDS・5q-症候群[2]の抗悪性腫瘍用剤(治療薬)である。開発コードからCC-5013と表記される場合もある。

1999年にサリドマイドが難治性の多発性骨髄腫 (MM) の約30%に効果を示すことがわかった[1][3]。レナリドミドはサリドマイドよりさらに効果を高め、副作用を少なくする目的で開発されたサリドマイド誘導体である[4]。レナリドミドはサリドマイドよりTNF-α産生抑制に優れ、Th1細胞増加を刺激することが分かっている[5]。重大な健康被害のおそれのため、医師の指示のない個人輸入は禁じられている[6]

レナリドミドは再発もしくは難治性の多発性骨髄腫に対して一定の効果を上げ、とくにデキサメサゾン (DEX) との併用で奏効率60%と高い成績を上げている[7][8][9]

また、レナリドミドは5q-症候群に対しても著効を示し、多くの患者が輸血依存から脱却できる可能性がある[10]
多発性骨髄腫

多発性骨髄腫[11]の治療は従来はメルファラン+プレドニゾロンをはじめとする化学療法あるいは移植治療などであったが、1999年にサリドマイドが効果があることが分かり、さらにレナリドミドやボルテゾミブも加わり、治療法の選択の幅が広がってきた[9][5]

再発もしくは難治性の多発性骨髄腫ではレナリドミドを25 mg程度/dayを3週間続け、1週間休薬する投薬が多いが、副作用、特に好中球数を見ながら投薬量を調整することが多い[12]。デキサメサゾンを併用することでさらに効果が増大することが期待されている[13]
骨髄異形成症候群(5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群・5q-症候群)

骨髄異形成症候群のうち5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群(5q-症候群)ではレナリドミドを10 mg程度/dayを3週間続け、1週間休薬する投薬が多い[2]。レナリドミドの元になったサリドマイドには単球からのTNFの産出を抑制する効果があり、T細胞を刺激する特性もあり、5q-症候群を含む骨髄異形成症候群 (MDS) では赤血球数増加などの効果をもたらすが、副作用が問題になることも多かった。そのため、サリドマイド誘導体で副作用を軽減し、TNFの産生抑制に優れたレナリドマイドが試されたところ効果が認められた[2]

5q-症候群では貧血が強く輸血依存になることが多かったが、レナリドミドの服用で多くの例で貧血が改善し輸血が不要となっている[2]。しかし、好中球血小板の減少には注意が必要である[2]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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