レッドリスト(英語: Red List, RL[1])とは、国際自然保護連合(IUCN)が作成した絶滅のおそれのある野生生物のリスト[1]。正式には The IUCN Red List of Threatened Speciesという[2]。2023年5月現在で、最新のバージョンは2022年版[2]。
また、日本では環境省が作成した「絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト」や、各都道府県が作成した都道府県別レッドデータブックも、レッドリストと呼ばれる[3]。
レッド=Red 赤、警戒色から危険生物のリストと誤認、勘違いされる事があるが重大な誤りの為注意されたい。
またレッドリストは絶滅危惧のことも表している。 最初のIUCN版レッドリストは、1964年に作成された[4]。しかし、それ以前からレッドリストの作成に関する動きはあり、1940年代に哺乳類や鳥類の個体数の減少の報告が、1950年代にはIUCNが絶滅の危機のある野生生物をカード化して整理を始めた[4]。これがレッドリストの先駆けである。そして、上述のように、1966年にノエル・シモン編『レッドデータブック第1巻「哺乳類」』[5]及びジェイムズ・フィッシャー
概要
その後、1970年代から1980年代にかけて、レッドリストの更新や新たな分類群のレッドリストの作成が進められ[注 2]、1986年に1986 IUCN red list of threatened animalsと呼ばれる「本」の形式で出版された後[4][11]、2000年にはインターネットを通じて提供されるようになった[4]。 レッドリストのカテゴリとその評価基準 (Categories & Criteria) の変遷を説明する。
カテゴリーと基準
1940年代?1968年
この時代には統一された用語や評価基準は無かった[4]。
1969年
1969年にカテゴリの統一化、整理が進み、絶滅危惧、希少、減少、非認定の4つの評価基準が定められた[4]。
1970年?1990年
1969年版カテゴリと基準をベースにいくつかの検討がなされる[4]。
1991年 (ver.1.0)[12][13]
新しいカテゴリーの基本。大型脊椎動物に関する数値基準が示される。
1992年 (ver.2.0)[12][13]
ver.1.0の改訂版。種々の分類群に適用できるようにした数値基準を設けるとともに、絶滅のおそれが少ない種に対するカテゴリーが導入された。
1994年版 (ver.2.3)[12][13]
よく知られているカテゴリーと基準の1つ。定量的な数値基準を採用するためにカテゴリーと基準の全面改訂が行われ、1994年12月に数値基準を導入した新システムが採択された。その後のIUCNのレッドリストはこの1994年版のカテゴリーに従って作成されている。1996年10月発表の絶滅危惧動物のレッドリスト 1996 IUCN Red List of Threatened Animals [14]が1994年版のカテゴリーと基準を用いた最初のIUCNレッドリストである。
Evaluated - 評価済
Adequate data - 充分なデータあり
Extinct (EX) - 「絶滅」
Extinct in the Wild (EW) - 「野生絶滅」
Threatened - 「危惧」あるいは「絶滅のおそれのある状態」(絶滅危惧)
Critically Endangered (CR) - 「絶滅寸前」(絶滅危惧IA類)
Endangered (EN) - 「絶滅危機」(絶滅危惧IB類)
Vulnerable (VU) - 「危急」(絶滅危惧II類)
Lower Risk (LR) - 「低リスク」
Lower Risk - Conservation Dependent (LR/cd) - 「保全対策依存」
Lower Risk - Near Threatened (LR/nt) - 「準絶滅危惧」(準絶滅危惧)
Lower Risk - Least Concern (LR/lc) - 「軽度懸念」
Data Deficient (DD) - 「データ不足」(情報不足)
Not Evaluated (NE) - 「未評価」
※凡例
「 」内はIUCN日本委員会が訳した「 ⇒IUCNレッドリスト2000年(1994年レッドリストカテゴリーとその基準)」で示されている訳語。