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やノートページでの議論にご協力ください。レコードプレーヤー(英語: record player, turntable)は、アナログレコードを再生する音響機器である。蓄音機(アメリカ英語: phonograph、イギリス英語: gramophone)とも。古くは蓄音機と称した。用語としては、SP盤(もしくは初期の蝋管レコード)専用のものを「蓄音機」(駆動と音声信号の再生に電気を利用するものは「電気蓄音機」、略して「電蓄」)、LPレコードがかけられるもの(初期アメリカでは45回転専用プレーヤーもあった)を「レコードプレーヤー」と呼んでいる。最近ではDJ(ディスクジョッキー)用語から「ターンテーブル」と呼ぶ事が多い。
基本構造としては、レコードを載せて回転させるターンテーブル、レコード表面の音溝の振幅を拾うピックアップ(電気信号に変換する機能も含む)、ピックアップ部が取り付けられたトーンアームが一体化されている。
概要
レコードプレーヤーから出力される信号は微弱であるため、オーディオアンプ(プリアンプ、パワーアンプ、初期には専用端子付きのラジオ)で増幅して、最終的に人間に聞こえる音圧レベルの音声信号としてスピーカーやヘッドフォンなどに出力する。
レコードプレーヤーとは前述のように、コンポの一機器として、アンプに微弱な信号だけを出力するが、イコライザーアンプ(後述)を含むプリアンプを備え、カセットデッキなどの出力信号と同等の強さの信号を出力するものもある。
かつてコンポなどがなかった頃は、プレーヤーといえば、パワーアンプとスピーカを備え、単独でレコード再生できる一体型機器を指した。その中で小型で移動可能なものをポータブル(プレーヤー)と呼んでいた。また、SP盤時代を引きずった1960年代初頭あたりまでは、LPレコード用であっても電蓄(電気蓄音機の略)と呼ばれることも多かった。
現在ではレーザー光で音溝を読み取る非接触型のレコードプレーヤーも商品化されている。
構成(1) ターンテーブル、 (2) トーンアーム、 (3) ピックアップ(カートリッジ)
レコードプレーヤーは次のような主要部分からなる。
ターンテーブル
トーンアーム
ピックアップ(カートリッジ)
筐体(キャビネット)
ピックアップは、交換可能なモジュールになっているカートリッジ式であることが多い。ピックアップ・カートリッジ、もしくは単にカートリッジと呼ばれる。トーンアームと一体になっていて交換できないものもピックアップまたはカートリッジと呼ばれることがある。 レコード盤を水平に載せて(例外的な一部プレーヤーは角度を選ばない)、一定速度で回転する回転台。台の部分をプラッターもしくはターンテーブル、駆動部をフォノモータと呼ぶ。一般に使われる回転数は、16 2/3・33 1/3(LP盤)・45(EP盤)・78(SP盤)rpmである。但し近年の製品に16 2/3回転と78回転のSP盤対応機は少ない。またSP盤の再生には専用カートリッジ(もしくは専用交換針)が必要である。 初期の蓄音機はぜんまいばねを手回しで巻く事によりターンテーブルを駆動し、ガバナーと呼ばれる仕組みで一定速度の回転を得ていた。電気を使うものはモータ(電動機)で駆動するが、レコード盤を自動的に一定速度で回転させるためにはモータの回転数を規整しなければならない。初期には電力会社の供給する交流電源の商用電源周波数 (50/60Hz) を基準として、同期モータで一定回転を得ていた。この場合は電源周波数の異なる東日本/西日本を移動する場合に、回転数に対応した調整改造を受ける必要があった。以後、モータサーボ回路やPLLなどの電子技術によって独自にモータの回転数を制御できるようになり、回転数の安定とレコード盤に応じた回転数切り替えなどもモータ側で行えるようになった。また、現在でも安価なもの、および一部のプレーヤー(特にDJ用)には手動式で回転数を調整出来るものがある。 回転をプラッターに伝えるための方法として次のような方式がある。 カートリッジをレコード盤に対して適切な位置関係で保持しつつ再生する溝に追従してレコードの外周から内周に動かす機構で、針を溝に対して適切な力(針圧)で接触させる機構も有する。
ターンテーブル
アイドラー駆動方式(アイドラードライブ/リムドライブ)
モーター軸とプラッター内周(リムの部分)の間にアイドラー(外周がゴムの円盤)を押し当て、減速しつつ回転を伝える方式。多くの場合、モータ軸には径が段階的に変わるスリーブが取り付けてあり、アイドラーの接する位置を機械的に変えることで減速比を変え、回転数を切り替えられるようになっている。電源周波数(50 Hz または 60 Hz)に同期して回転するモーターを使用するものには周波数に対応する2種類のスリーブがあり、地域の電源周波数によって交換する必要がある。多段の回転数の切り替えが比較的容易にできるが、モーターの振動がプラッターのリムまで伝わりやすい。また、アイドラーを接触させたまま止めておくとアイドラーが変形して回転むらを発生するようになる。安価なプレーヤーに多用された方式だが高級品もあり、海外メーカーのガラード・ EMT
ベルト駆動方式(ベルトドライブ)
モーター軸(プーリー)とプラッターの間にベルトをかけ、減速しつつ回転を伝える方式。ベルトはプラッター外周に外から見えるように掛けるタイプと、段付きもしくは二重プラッターを用いて外から見えない位置に掛けるタイプがある。ほとんどの場合ベルトは材質にポリウレタンを配合した合成ゴムの弾性ベルトで、ベルト自体の弾性による張力で掛かっている。アイドラー駆動方式と同様に段付きプーリーを用いて回転数を切り替えるものもあるが、機械的にやや無理があるのでモーター側で回転数を切り替えるものが多い。ベルトがモーターの振動を吸収し、また伸縮により回転むらも吸収できる利点があるが、特定の周波数で共振し逆に回転むらを発生させる可能性もある。ベルトが伸びたり切れたり硬化する、あるいは最悪の場合、水分・湿度・高温などに由来する加水分解の影響でベルトがプラッターの内側やモーターのプーリーに粘着し、最終的にベルトが糊化し、溶けてしまうなどの経年劣化があるため、製造メーカーにもよるが、1年ごとを目安に新品のベルトに交換することが推奨されている。2022年現在、新品で購入可能なレコードプレーヤーの大部分はこの方式が主流となっており、低廉品から高級品まで幅広く用いられている。ベルトの代わりに、伸び縮みの少ない糸を使った「糸ドライブ」も存在する。
直接駆動方式(ダイレクトドライブ)
モーター軸がプラッターを直接駆動する方式。モーターが 33 1/3 rpm など目的の回転速度で回転し、減速や伝達のための機構を持たない方式である(プラッターがモーターの一部となった構造のものもある)。高速回転に起因する振動や伝達機構に起因する回転むらや経年劣化がない。しかしモーター自体が超低速で大トルクを発生し滑らかに回転しなければならないため、サーボ回路を用いた回転速度制御や極数の多い特殊なモーターが必要となる[注 1]。1970 年[注 2]当時は高級機のみだったが、日本では急速に低価格化が進み、 1970 年代中頃から 1980 年代にかけてレコードプレーヤー市場を席巻した。当初は DC モーターを採用するものと AC モーターを採用するものがあり[注 3]、前者は駆動回路が簡単で済み、高効率で振動や発熱が少なく大トルクを発生させやすい、後者はトルクむらが少なく回転が滑らかなことが利点であるが、徐々に DC モーターが主流となった。トルクむらの一つであるコギングトルクのないスロットレス DC モーター[注 4]も使用されるようになったが、 DC モーターの利点である効率が悪いとして使いたがらないメーカーもあった[注 5]。直接駆動方式の欠点として、突然の大きな音(ピアノの立ち上がりなど)でレコード盤と針の間の摩擦が増えて回転速度が落ち、サーボ回路が回転速度を上げようとするためにピッチが不自然に揺らぐといわれるが、制御設計が適切であれば杞憂である。
トーンアーム