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出典検索?: "レコーディング・エンジニア"
レコーディング・エンジニア(英: Recording Engineer)はレコード、CDなどの音楽録音物の制作に従事し、音響の調整と録音などを行う技術者の呼称 [注 1] で、音響技術者の一形態である。レコーディング・エンジニアとミキシング・エンジニアに分類する事も可能で、録音だけの担当でミキシングは行わない場合には「レコーディング・エンジニア」と呼称またはクレジット記載され、録音は担当せずにミキシングのみ行う場合には「ミキシング・エンジニア」と呼称またはクレジット記載される。一般的には録音とミキシングの双方を行う事が多いため「レコーディング & ミキシング・エンジニア」という表記が多い。
日本以外の国においては「エンジニア」の称号には工学士の学位が必要とされるなど明確な制限がある場合が多く、日本語での「レコーディング・エンジニア」は、こうした国においては別の職種とみなされる「テクニシャン」(技能者)に相当することも多いため注意が必要である[1][2]。
概略Solid State Logic SL4000G+ Mixing ConsoleFocusrite Console 72in 48out with GML Fader Automation
レコーディング・エンジニアの第一の責務は、レコーディングにおいて歌や演奏を的確によりよい音で録音することにある。エンジニアという専門職が必要とされるのはスタジオとコントロール・ルーム内にミキシング・コンソールや各種エフェクター等の電気または電子的音響機器が数多く介在し、それらハードウェアをエンジニアリングするからであり、音楽の知識・素養、機材の使い方だけではなく、最低限の電気工学や音響工学などの専門知識も必要とされる。
そして、エンジニアは録音音源となる歌手や楽器と最も近い立場にいることから、音楽家、音楽プロデューサー、ディレクターらが求める音質及び音楽性を把握し、信頼関係を構築し円滑なコミュニケーションをとる能力も必要とされる。特にミキシングはエンジニアの個性や感性が最も顕著に表れる作業であり、この善し悪しでエンジニアが選定されることが多い。
音楽への関わり方は人によりけりであるが、あくまでもミキシングなどのエンジニアリングに特化した活動をする人もいれば、歌手や音楽家にディレクション的アドバイスを送ったり、より積極的にプロデュースを兼ねた参加方法で音楽に関わる人もいる [注 2] 。また、オリジナル版を完成させたミキシング・エンジニアとは別の自由な立場で音源を作り替えたりするリミックスを手がける事もあり、その分野で活躍しているエンジニアの事は「リミキサー」または「リミキシング・エンジニア」と呼称されている。
稀な例だが、アラン・パーソンズやリー・ペリーなどのようにスタジオのエンジニア出身でありながら、作曲・プロデュース・編曲・演奏などもこなし、音楽家として活動している人も存在する。逆に、元々プロデューサー、音楽家、歌手などであってもエンジニアリングを学び、レコーディング、ミキシングのエンジニアリングをこなす人も存在する。大瀧詠一やトム・ショルツなどは音楽家でありながらエンジニアの役割を担っている [注 3]。
レコーディング作業においてレコーディング・エンジニアの補佐的作業やマルチトラック・レコーダーの操作などを受け持つフリーランスまたはスタジオなどに所属する「アシスタント・エンジニア」または「セカンド・エンジニア」も音楽制作業務に関わる分類分けとしては、レコーディング・エンジニアとして分類される。 レコーディング時の主な作業内容は、まず楽器や歌唱などに合わせたマイクロフォンやH/Aなどの選定と組み合わせ及び接続順序を踏まえた設置を行う。そしてミキシング・コンソール等へ入力された音声信号の音質や音量レベルの確認・調整などを経て、音声信号のオペレーション・レベルを決める。スタジオ側で演奏及び歌唱している音楽家のヘッドフォン・モニター用のモニター・バランス作成とコントロール・ルームにおけるモニター・スピーカーから聞くためのミキシング・バランスと再生音量の調整を行う。音楽家側の録音開始準備が整うのと並行して、磁気テープやハードディスク・レコーダーなどのマルチトラック・レコーダーへの録音する為の最終確認を行い、録音を開始させ、その後は録音状態やテイクの確認などを行いながらセッションを進行させ、録音制作物の素材となる音源を完成させる [注 4]。 ミキシング時の主な作業内容は、マルチトラック・レコーダーなどへ既に収録されている歌や演奏の楽器バランスに関しての音量調整などがメインとなるが、その際にレコーディング作業中に未完成となっている歌や演奏のテイク選択や切り替え、OKテイク完成のために素材となるテイクからの切り貼り、収録されている音源上のノイズ除去などの編集作業が行われる事もある。そして音質調整のためにイコライザーやハイパスフィルタ、ローパスフィルタなどの音色等価回路による音質補正や、コンプレッサーやリミッターなどのエフェクターを使用して音質の調整と色づけなどを行う。フェーダーなどで各々のトラックに対するミキシング作業としてのレベル調整によるバランス作成と、パン・ポットなどを使用して音像定位を定める音場操作を行い、楽曲の完成度を高める作業を行う。この際、音楽的なバランス以外にも意図的な表現方法として様々な音響的処理を加え、再生機器などの事を考慮した細部にも注意して音楽素材となる音源を完成させる。ミキシング作業が完了した時点で、各種2トラック・レコーダーなどへ完成した音源を固定化するための録音作業を行うためのレコーダーとして、アナログ・テープレコーダー、DAT、DAW、ハードディスク・レコーダーなどを用意して記録する。DAWシステムを使用する際にはバウンス工程を経てオーディオ・ファイル化した素材をCD-Rなどのメディアに記録する方法もある。複数の音声トラックからステレオ2チャンネル、またはマルチ・チャンネルにまとめることから、この作業を「ミックス・ダウン」「トラック・ダウン」と呼称する場合がある。 [注 5] ミキシングの素材に対するプリ・マスタリングはレコーディング・エンジニアやミキシング・エンジニアが行わない状況もあるが、レコーディングからマスタリングまで一貫して同じエンジニアが執り行う場合もある。
主な分類とエンジニアリング内容コントロールルームからブースを望むレコーディング・エンジニアAPI Legacy Plus 48ch Mixing Cosole with flying fadersAPI Legacy Plus 48ch Mixing Cosole with flying fadersSolid State Logic AWS 900+ Mixing CosoleSolid State Logic AWS 900+ Mixing Cosole
レコーディング
ミキシング
マスタリング
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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