レクサス・LC
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レクサス・LC
URZ100 / GWZ100型
LC500hフロント
LC500hリア
インテリア
概要
販売期間2017年3月16日 -
設計統括佐藤恒治
ボディ
乗車定員4名
ボディタイプ2ドアクーペ
駆動方式後輪駆動
プラットフォームGA-Lプラットフォーム
パワートレイン
エンジンLC500:2UR-GSE型:
4,968cc V型8気筒 直噴DOHC
LC500h:8GR-FXS型:
3,456cc V型6気筒 直噴DOHC
モーターLC500h:
2NM型:交流同期電動機
最高出力LC500:
351kW (477PS)/7,100rpm
LC500h:
エンジン:
220kW (299PS)/6,600rpm
モーター:
132kW (180PS)
システム最高出力:
264kW (359PS)
最大トルクLC500:
540N・m (55.1kgf・m)
/4,800rpm
LC500h:
エンジン:
356N・m (36.3kgf・m)
/5,100rpm
モーター:
300N・m(30.6kgf・m)
変速機LC500:10速AT(Direct-Shift 10AT)
LC500h:電気式無段変速機
(マルチステージハイブリッドトランスミッション)
前前:マルチリンク
後:マルチリンク
後前:マルチリンク
後:マルチリンク
車両寸法
ホイールベース2,870mm
全長4,770mm
全幅1,920mm
全高1,345mm
車両重量1,940-2,030kg
その他
ブレーキ前:ベンチレーテッドディスク・対向6ポットキャリパー
後:ベンチレーテッドディスク・対向4ポットキャリパー
[注 1]
先代レクサス・SC(事実上。約7年の空白期間あり)
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LC(エルシー、Lexus LC)は、トヨタ自動車が展開する高級車ブランドレクサスが販売するフラッグシップ2ドアクーペである。
概要

レクサス初のFセグメントのクーペモデルであり、2012年にデトロイトモーターショーで発表したコンセプトカー「LF-LC」[1]の革新的なデザインイメージをモチーフに、新開発プラットフォームのシャシーを活かして開発が行われた。「LC500」とハイブリッドシステムを搭載する「LC500h」の2種が用意され、今後のレクサスのFR車に展開される「GA-L(Global Architecture-Luxury)プラットフォーム」を初採用した。クーペということで、運動性能もさることながら、スーパースポーツを意識したデザイン、フラッグシップにふさわしい内装や静粛性を誇る。
メカニズム

LC500にはRC Fに搭載される2UR-GSE型エンジンを搭載。最高出力/最大トルクは、351kW(477PS)/540N・m(55.1kgf・m)を発生し、最大トルクはRC FおよびGS F比で10N・m(1.1kgf・m)向上している。また、トランスミッションは新開発の10速オートマチックトランスミッションの「Direct Shift-10AT」を組み合わせている。

LC500hは新型の8GR-FXS型エンジンを核とした「マルチステージハイブリッドシステム (MULTI STAGE HYBRID)」を搭載し、システム最高出力は264kW(359PS)。マルチステージハイブリッドシステムは、既存のハイブリッドシステムに有段ギヤを組み合わせた世界初の機構となり、2つのモーターを使用した電気式無段変速機と4段ギアの自動変速機構(ステップAT)を組み合わせることで、無段階変速機構からの出力自体を変速、パワフルな走りと燃費の良さを両立させている。さらに、無段変速機構による有段変速制御と4段変速を組み合わせる事で擬似的な10段変速を実現した[注 2]。これにより従来のTHS-IIにおいてエンジンの回転数と加速が同調しないラバーバンドフィールの問題を解決し、ハイブリッドシステムでありながらダイレクトなスポーティードライブを実現している。また、バッテリーはレクサスブランドとしては初採用となるリチウムイオン二次電池を搭載。それに伴い、「HYBRID」エンブレムも通常のものではなく「MULTI STAGE HYBRID」タイプに変更されている。そのマルチステージハイブリッドについては、「ドリフトができるようにしたい」という思想から開発がスタートしている[2]

開発責任者の佐藤恒治は、コンセプトのLF-LCを見たときサスペンションもエンジンも入るスペースのないほど低いシャシーを見て「市販車として実際に走らせるのは到底不可能と思った」という。しかし半年前に米国でGSを発表したとき否定的な意見が多かったのに対して、LF-LCは「このデザインは今後のレクサスが進むべき方向を示している」「レクサスはこういうクルマをつくれるブランドであって欲しい」と非常に評価が高かったことから開発が決まり、最終的にコンセプトに近いデザインで販売できた[3]

2016年北米アイズ・オン・デザイン・アワードのベストデザイン賞・ベストプロダクションカー賞を受賞している[4]

LF-LCコンセプト 左前方

LF-LCコンセプト 右側方

LF-LCコンセプト 右後方

デザイン・パッケージングサイドビューフロント
エクステリア

特徴あるデザインは、トヨタが米国カリフォルニア州に置くデザインスタジオ・CALTYによる。全長は4,770mm、ホイールベースは2,870mm。フロントオーバーハングとリアオーバーハングは短く、フロントは920mm、リアは970mm。レクサスのデザインアイコンとなった巨大なスピンドルグリルをはじめ、砂時計状の意匠が反復して表現され、平面視でもフロントフェンダーとリアフェンダーが飛び出し、ドアパネルが内側に引き込まれているように見える。フロントフェンダーからのラインは、ピラーを黒く塗った屋根の境界をも形成する。レクサスは、Cピラーモールディングの鋭いエッジのインスピレーションとして “伝統的な日本刀”を挙げている。スピンドルシェイプはリア中央のデザインにも見ることができ、他のすべての要素もどこかで一度深く絞り込まれている。なお、LCはレクサスブランドとして初めてリヤに「LEXUS」のロゴエンブレムが付かない車種である。
インテリア

コックピットはドライバーとクルマの一体感を醸成するドライビングポジションとし、ペダル配置、ステアリング傾角、シートのホールド性など、徹底した走り込みに基づく細部にこだわったレイアウトを取った。シフトバイワイヤシステムや、直感的な操作に対応した次世代マルチメディアを操作系に採用。ステアリングホイールは、握る位置に合わせて断面形状を緻密に変化させ、手にしっくりと馴染むよう配慮。パドルシフトにはマグネシウム素材を使用し、操作性と質感が相まって、ドライビングプレジャーの高まりを演出した。助手席は、人を包み込みながら、車両前方へ視覚的に広がりを感じさせる開放的な空間づくりを目指した。

レザーやアルカンターラを採用し、触って感じる素材感や使うたびに深まる心地良さは、レクサス独自の感性とクラフトマンシップによる繊細で高品質なモノづくりで実現。メーターは、IS及びRCの「F SPORT」グレードで採用されている可動式マルチインフォメーションディスプレイを全車に採用した。また、ボディ骨格から考慮し開発されたオーディオシステムの採用など、上質なおもてなしの空間を提供している。
予防安全

Lexus Safety System +」を採用。ミリ波レーダーとカメラを用いて前方の車両や歩行者を検出し、警報、ブレーキアシスト、自動ブレーキで衝突回避支援および被害軽減を図るプリクラッシュセーフティシステム(歩行者検知機能付衝突回避支援タイプ)、車線維持をサポートするレーンキーピングアシスト、夜間歩行者の早期発見に寄与しロー・ハイビームを自動で切り替えるオートマチックハイビーム、そして先行車との車間距離を保ちながら追従走行するレーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)、これら4つの先進安全技術をパッケージ化し、多面的な安全運転支援を強化している。更に、エンジンフードを4つの支点でポップアップさせる4点式ポップアップフードをレクサスブランドで初採用している。
年表
2011年12月22日
2012年
北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)においてプレミアムクーペコンセプト「LF-LC」を出展する、と発表 [1]
2016年1月12日
2016年北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)においてLC500を世界初披露[5]。また、日本での発売は2017年春頃を予定、と発表。
2016年2月18日
ジュネーブショーでの出展に先駆け、オランダデン・ハーグにおいてハイブリッドモデルのLC500hを世界初披露[6]
2017年3月16日
日本での発売を発表[7]。LC500hは同日発売。LC500は4月13日発売。
2018年4月5日
特別仕様車「Structural Blue」を発売[8]。レクサスの日本累計販売台数50万台達成を記念した特別仕様車。LC500/LC500hの「L Package」をベースに、専用ボディカラーとして、モルフォ蝶の羽から着想を得た「構造発色」原理を応用し、レクサス独自の技術により開発した新色「ストラクチュラルブルー」を採用。また、専用インテリアカラーとして「Structural Blue」専用「ブルーモーメント」と「ブリージーブルー」の2種類を設定。その他、フロント245/40RF21+リヤ275/35RF21ランフラットタイヤ&鍛造アルミホイール(ポリッシュ仕上げ+ブラック塗装)、特別仕様車専用スカッフプレート(CFRP)、"マーク・レビンソン"リファレンスサラウンドサウンドシステム、カラーヘッドアップディスプレイ、ステアリングヒーター、寒冷地仕様が特別装備された。
2018年8月30日
一部改良[9]。ステアリングサポート[注 3]のアルミダイキャスト化による剛性の向上や、ブッシュ特性のチューニングなどによりステアリングフィールを向上させた。また、ショックアブソーバーに伸圧独立オリフィスを採用することで、減衰力可変幅の拡大や摩擦低減など乗り心地と操縦安定性の向上を図った。さらに、ブレーキ制御、マルチステージハイブリッドシステムのチューニングなどによりドライバーの運転意図に沿った、より滑らかな加減速を実現させている。クラウドと車載機でのルート探索を融合したハイブリッドナビゲーションシステムの標準設定により、利便性を向上させた。G-Linkの機能のひとつとなる「ヘルプネット」は、新たに「D-Call Net[注 4]」に対応。事故や急病時に、車両データをもとに重症度を指定してドクターヘリなどの早期出動判断を行う機能で、緊急時の対応力を高めている。
2018年10月31日
特別仕様車「Luster Yellow」を発売[10]。(2018年12月31日までの期間限定受注)「LC500」および「LC500h」の「標準仕様」をベースに、ボディカラーは「ネープルスイエローコントラストレイヤリング」のみの設定で、インテリアカラーには金環日食をモチーフとした専用設定色「ラスターイエロー」を採用。また、専用パーフォレーションパターンとイエローステッチを施した運転席・助手席セミアニリン本革&10Way調整式パワーシートと上下電動調整式ヘッドレスト(運転席・助手席)、専用スカッフプレート(CFRP)を特別装備。また、「S Package」専用装備であるトルセンLSD、ギヤ比可変ステアリング[VGRS]、21インチ鍛造アルミホイール(ポリッシュ仕上げ+ブラック塗装)、アクティブリヤウイング(格納式)、VDIM(アクティブステアリング統合制御付)、LDH(レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム)、アルカンターラルーフ/サンバイザー/ピラー・ルーフサイドガーニッシュ/パッケージトレイのほか、ベース車両ではメーカーオプション設定である「カラーヘッドアップディスプレイ」も装備リストに加えている。
2019年1月11日
2019年北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)にて、コンバーチブルクーペのコンセプトカー「LC Convertible concept」を世界初公開する、と発表[11]
2019年9月26日
特別仕様車「PATINA Elegance」が発表された(10月1日発売、100台限定販売)[12]。LC500/LC500hの「標準仕様」をベースに、運転席・助手席にL-ANILINE本革シート(ベンチレーション機能・ヒーター付)を、プレミアレザーを使用した本革ステアリング(ソフトレザーパッド・ステッチ・パドルシフト付)が採用され、内装色は専用色のパティーナブラウンを設定。さらに、レーザーエッジングで金属加工し、L字が重なったモチーフが浮かび上がるスカッフプレート(特別仕様車専用ステンレス)やカラーヘッドアップディスプレイなどが特別装備された。ボディカラーは特別仕様車専用設定となる「テレーンカーキマイカメタリック」に「ソニックチタニウム」と「グラファイトブラックガラスフレーク」を加えた3色展開となる。
2020年6月18日
一部改良並びにコンバーチブルクーペモデル「LC500 Convertible」の追加、特別仕様車「LC500 ConvertibleStructural Blue」の設定が発表された(一部改良モデルは発表当日より、LC500 Convertibleは7月15日より順次発売)[13]。一部改良では、フロントのサスペンションロアアームがアルミ化、リアスタビライザーバーの中空化、コイルスプリングの高強度材の採用、21インチアルミホイールにおけるディスクホイールの軽量化などによってばね下質量が軽量化されたほか、AVSやEPSの制御を変更。アクセルを踏み込んだ際に発生しやすいアンダーステアを抑制するアクティブコーナリングアシスト(ACA)が新採用された。ハイブリッドモデルのLC500hはバッテリーの使用領域の拡大によりモーターからのトルクアシストが増幅された。LC500 Convertibleはルーフオープン時にはソフトトップが完全に格納される自動開閉式のトノカバー付フォールディング機構が採用され、ドアエンドのベルトラインがキックアップ形状となり、リアシルエットはトランクの後端を跳ね上げたデザインを採用。ソフトトップは吸音材を組み合わせた4層構造となっており、開閉時間は約15秒に設定。パームレスト内にルーフスイッチが配されており、開閉動作中はマルチインフォメーションディスプレイにルーフの動きがグラフィックで表示される。また、約50km/h以下の走行時でも開閉可能となる。特別仕様車の「LC500 Convertible"Structural Blue"」は「LC500 Convertible」をベースに、専用ボディカラーの「ストラクチュラルブルー」と専用インテリアカラーの「ライムストーン」の組み合わせが採用され、ルーフカラーも専用色の「マリーンブルー」を採用。そのほか、ポリッシュ仕上げとブラック塗装を施した鍛造アルミホイールや、カラーヘッドアップディスプレイ、専用スカッフプレート(CFRP)も装備された。60台限定で発売されるが、このうちの40台は同年4月17日から5月20日までの期間にレクサス店を通じたオーナー向けの先行商談・抽選申込に割り当てられ、残りの20台は一般向けの抽選発売分として、同日よりWeb上での商談公募が開始された。なお、今回の一部改良でWLTCモード走行による燃料消費率並びに排出ガス(LC500hはJC08モード走行による燃料消費率も併記)に対応したことで、LC500hは「平成30年排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆☆)」、LC500(Convertibleを含む)は「同50%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得した。
2020年10月28日
特別仕様車「AVIATION」の設定が発表された(2021年1月6日発売)[14]。LC500及びLC500hをベースに、専用CFRPリアウィング(固定式)が採用されたほか、スプリット5本スポークの鍛造アルミホイールを特別装備し、LC500にはトルセンLSDも特別装備された。外観はスピンドルグリル・ランプガーニッシュ(三眼フルLEDヘッドランプ・フルLEDリアコンビネーションランプ)・ヘッドランプクリーナーカバー・ロッカーサイドグリルモール・オート電動格納式ドアミラーにブラック塗装(ボディカラーで「ブラック」を選択した場合、オート電動格納式ドアミラーはボディカラー同色となる)を採用。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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